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薬局の基本料別の算定状況を比較!大手チェーンと中小の薬局、どちらが社会にとって有益?

今回は昨年も実施した調剤基本料別の算定状況について統計データをもとに比較していこうと思います。

昨年実施した際は、大手チェーン薬局と個人薬局の比較が難しいところがありましたが、今年使用するデータは2022年6月ですので300店舗以上の薬局の基本料3のハがあるため、大手チェーン薬局と中小の薬局が比較できると思います。

私の基本方針として、数字を使って物事を比較することをモットーとしています。

医療の質は数字で語ることなんてできない?

マジで寝言は寝て言え!!

違うな、間違っているぞ!(ルルーシュ風に)

数字で語れないものを提供するためには数字で語る必要がある!!

いまだにいい歳したオッサン、オバサンがお気持ちで何かを語ることありますが、見てて痛いです。(こんなこと言いつつ私もいい歳したオッサンになりつつありますが…)

Twitterとかで「大手チェーン薬局はクソ」みたいに大手チェーン薬局を叩くと、「そうだ、そうだ」という雰囲気で盛り上がりますが、出来ればもう少し客観的に評価したいですよね。

というわけで薬局の機能を評価する指標は以下の通りです。

医薬分業の評価指標の考え方

大手チェーンとそれ以外の薬局で、処方内容が適正なのか?とか患者は満足しているか?を比較できるといいのですが、それは正直難しいですよね。

なので、代用の指標として、対人業務の評価指標の算定状況がどうなっているのかを調べることは一定の意義があると思います。

算定状況が多いほうが社会にとって有益かどうかは判断が難しいところですが、国としては「こういったことをやれば評価してあげる」ということでついている点数なので、とりあえずよしとしましょう。

地域支援体制加算の取得状況の比較

地域支援体制加算の取得状況について調剤基本料1(中小・個人薬局)と調剤基本料3のロ、3のハ(大手チェーン)として比較していこうと思います。

地域支援体制加算は、かかりつけ薬剤師が機能を発揮し、地域医療に貢献する薬局の体制等を評価するものという加算なので、比較することには一定の価値があると考えます。

調剤基本料1のところでは、地域支援体制加算1,2の算定件数、基本料3のロ、ハの場合は地域支援体制加算3,4の算定件数を基本料の算定回数(≒受付回数)として割合を比較します。

調剤基本料1の2022年6月の受付回数は、40,610,924回、基本料3のロは4,895,484回、基本料3のハは9,951,339回です。これを分母として、算定回数を示します。

中小・個人薬局の取得状況

項目件数(割合)
地域支援体制加算110,123,940
24.93%
地域支援体制加算210,589,834
26.08%

大手チェーンの取得状況

項目基本料3のロ
件数(割合)
基本料3のハ
件数(割合)
地域支援体制加算3534,937
10.93%
51,425
0.52%
地域支援体制加算4568,954
11.62%
37,632
0.38%
るるーしゅ

るるーしゅ

算定要件が異なるの忘れていました…

重複投薬・相互作用等防止加算の比較

中小・個人薬局の取得状況

項目件数(割合)
重複投薬・相互作用等防止加算 残薬調整以外(40点)83,608
0.21%
重複投薬・相互作用等防止加算 残薬調整(30点)136,724
0.34%

大手チェーンの取得状況

項目基本料3のロ
件数(割合)
基本料3のハ
件数(割合)
重複投薬・相互作用等防止加算 
残薬調整以外(40点)
15,361
0.31%
27,736
0.28%
重複投薬・相互作用等防止加算 
残薬調整(30点)
26,030
0.53%
30,364
0.31%

夜間・休日等加算(40点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料11,546,162
3.81%
基本料3のロ201,229
4.11%
基本料3のハ675,820
6.79%

特定薬剤管理指導加算1(10点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料14,150,996
10.22%
基本料3のロ905,822
18.50%
基本料3のハ1,403,907
14.11%

乳幼児服薬指導加算(12点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料11,842,694
4.54%
基本料3のロ194,028
3.96%
基本料3のハ498,993
5.01%

吸入薬指導加算(30点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料148,661
0.12%
基本料3のロ5,971
0.12%
基本料3のハ9,173
0.09%

かかりつけ薬剤師指導料(76点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料1502,655
1.24%
基本料3のロ204,359
4.17%
基本料3のハ216,138
2.17%

服薬情報等提供料2(20点)の比較

基本料件数(割合)
調剤基本料134,169
0.08%
基本料3のロ15,568
0.32%
基本料3のハ25,781
0.26%

まとめ

今回は中小・個人薬局と大手チェーン薬局で算定状況に差があるのか?を検討するために、2022年6月の算定件数をもとに比較してみました。

地域支援体制加算が正直、基本料1のところ、あんなに算定していて、正直びっくりしました。割合としては半数くらいが算定している状況でした。

るるーしゅ

るるーしゅ

多分受付回数の多い基本料1の薬局は、地域支援体制加算を取得しているんだと思います。

その他の項目について、表でまとめてみます。

医薬分業の評価指標の考え方
項目基本料1基本料
3のロ
基本料
3のハ
重複投薬・相互作用等防止加算 
残薬調整以外(40点)
0.21%0.31%0.28%
重複投薬・相互作用等防止加算 
残薬調整(30点)
0.34%0.53%0.31%
特定薬剤管理指導加算1(10点)10.22%18.50%14.11%
乳幼児服薬指導加算(12点)4.54%3.96%5.01%
吸入薬指導加算(30点)0.12%0.12%0.09%
かかりつけ薬剤師指導料(76点)1.24%4.17%2.17%
服薬情報等提供料2(20点)0.08%0.32%0.26%
服用薬剤調整支援料1(125点)0.0011%0.0010%0.0014%
服用薬剤調整支援料2 イ(110点)0.0005%0.0016%0.0012%
服用薬剤調整支援料2 ロ(90点)0.0010%0.0025%0.0020%

いかがでしょうか?

冒頭にも述べましたが、算定件数が多いから適切と言い切るのは難しいかもしれませんが、このように客観的な指標で示すと、「大手チェーン薬局は基本料1の薬局より国が薬局に求めていることをしっかりとやっているんだぜ!」という理論を示すことができますよね。

るるーしゅ

るるーしゅ

大手チェーン薬局のほうが有益!とは正直思わないのですが、大手チェーン薬局はダメと客観的に示すのはこのデータからは難しいですよね。

今後も薬局は対人業務への評価が強まっていくと思いますので、上記に挙げたような点数はしっかりと算定できるようにしておきましょう。(若い薬剤師の皆さんに言ってます)

大手のほうが対人業務の算定件数は多いです。そして大手チェーン薬局は沢山入って、沢山辞めていきます(笑)

大手チェーン薬局はそういうものなのですが、何が言いたいかというと、こういった算定ノウハウを持っている若い薬剤師と、算定できないうえに言い訳ばっかりしているいい歳した薬剤師、あなたが経営者ならどっちを採用したいと思いますか?

以前書いた内容にプラスして規制緩和やChatGPTのような技術革新もあり、今後の薬局の変化がどうなっていくのか楽しみですよね。

若い世代の薬剤師は、逃げ切れる世代ではないので、今回紹介した統計データなども踏まえて、今後の薬剤師としての働き方を考えるきっかけになれば幸いです。

るるーしゅ

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るるーしゅ

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るるーしゅ

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るるーしゅ

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薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
今後の業界の変化に対応できるように、業界情報や専門的なスキル、そして薬剤師としての働き方などについて情報発信していきます。
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