"転職"を考えたら、読んでみてください

大手チェーン薬局なんか潰れてしまえば日本の医薬分業はうまくいくのに…というのを検証してみた

今回は大手チェーン薬局が日本の医薬分業の足を引っ張っているのではないかという仮説を検証していきたいと思います。

大手チェーン薬局といっても日本の薬局数の約6万軒のなかで占める割合は2割程度しかないと思います。なのでその2割のせいで…というのは違うだろうと思いますが、そういっても話は進まないので検証していきたいと思います。

医薬分業の評価指標の考え方

さて医薬分業の足を引っ張っていないかを検証するために、「どのような数字で比較するか?」がポイントになってきます。

数字で比較する?と聞くと、中には私たち薬剤師の価値は数字で測れる仕事じゃない!と反発したくなるかもしれませんが、その考え方は間違いです。

数字で語れないものを提供するためには数字で語る必要がある

数字で語れないものを提供するためには数字で語る必要があるんです、これは是非とも早い段階で身につけてほしいことのひとつです。

尚、このセリフは下記の漫画からです。(この漫画、オススメですので是非とも一度読んでみてください)

少し脱線しましたが、医薬分業の評価項目について話を戻していきます。

医薬分業の評価項目の考え方は、厚生労働省の方からは以下のようにきいています。

薬物療法の有効性や安全性副作用発現率薬の効果で示せることがいいのですが、実際にそのようなデータを出すのは大変で出来ていません。(でも、やらなきゃいけないので必死に研究デザイン考えています…)

となると、処方変更数や疑義照会数、残薬調整数などで評価することが妥当なのではないかと思います。

上記の項目などは、国も点数をつけて評価していることから算定数を見ることで、医薬分業で薬局がこのように医療に貢献しているんだよというのが可視化されると思います。

ただこう書くと、算定=やっている じゃないだろと怒り出す人いるかもしれませんが、それ以外で評価できるデータが乏しいんだから、どうやって評価するのよ?って話になりますよね…

対人業務の点数を比較してみた

それでは、大手チェーン薬局と個人薬局の各種の算定率をみていきたいと思います。資料は12月に行われた中医協の資料からです。

薬剤師 1 人あたり(常勤換算)の年間回数(令和 2 年 3 月~令和 3 年 2 月、調剤基本料の届出状況別)が出ていますので、これで基本料1の薬局を個人薬局、基本料3のロを大手チェーン薬局として回数を比較していこうと思います。

地域支援体制加算を算定していない薬局限定のデータとなるため、基本料1=大手ではないと判断してもよさそうな気がします。

大手チェーン薬局で基本料1なので地域支援体制加算とっていないというのは、あまりない気がします。

時間外等加算及び夜間・休日等加算

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)227148.3321.722.4
調剤基本料2(26点)14208.6278.166
調剤基本料3イ(21点)19146.1237.818
調剤基本料3ロ(16点)4698.5214.126.4
特別調剤基本料(9点)10

これは基本料1の薬局のほうが件数が多いと思いますので、面応需で地域のかかりつけ薬局としての機能を果たせているといえるかもしれませんね。ただ中央値は低いので、やっているとこやっていないとこの差が激しいのかなと思ったりもします。

麻薬の調剤実績

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)2273.411.30
調剤基本料2(26点)1458.5166.52
調剤基本料3イ(21点)1910.618.70
調剤基本料3ロ(16点)4611.122.21.1
特別調剤基本料(9点)10

麻薬は、大手チェーン薬局のほうがやっていますね。

重複投薬・相互作用等防止加算等

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)22722.551.96
調剤基本料2(26点)1438.635.123.8
調剤基本料3イ(21点)1921.823.315
調剤基本料3ロ(16点)4640.145.423.3
特別調剤基本料(9点)14

これは疑義照会の件数という指標になりそうですね。大手チェーン薬局のほうが出来ていますね。

かかりつけ薬剤師指導料等

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)22761.1288.10
調剤基本料2(26点)1413.116.64.3
調剤基本料3イ(21点)19140325.817
調剤基本料3ロ(16点)46244.6276.2152.4
特別調剤基本料(9点)10

つづいてかかりつけ薬剤師指導料ですが、これは大手チェーン薬局のほうがいいですよね。ただ基本料1の薬局の中央値0ってやばいですね。半数の薬局では年間1件も算定していないわけですから…

上記でも少し触れていますが、やりすぎはよくないですがやらなすぎもよくないですよ…ぬるい環境になれてしまうと今後、転職する際きついかもしれませんよ

外来服薬支援料

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)22715.30
調剤基本料2(26点)140.71.80
調剤基本料3イ(21点)190.20.40
調剤基本料3ロ(16点)463.77.60.5
特別調剤基本料(9点)10

これも大手チェーン薬局のほうが算定している

服用薬剤調整支援料

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)2270.10.80
調剤基本料2(26点)140.11.30
調剤基本料3イ(21点)1900.10
調剤基本料3ロ(16点)460.40.80
特別調剤基本料(9点)10

これは今、国が薬局薬剤師にやってほしいことですが大手チェーン薬局、個人ともに中央値は0…頑張りましょう。

上記の記事でも評価しましたが、すくないながら大手チェーン薬局のほうが算定していました。

単一建物診療患者が1人の場合の在宅薬剤管理の実績

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)2275.918.30
調剤基本料2(26点)1448.50
調剤基本料3イ(21点)194.37.80
調剤基本料3ロ(16点)469.811.65
特別調剤基本料(9点)10

服薬情報等提供料

基本料施設数(件)平均値標準偏差中央値
調剤基本料1(42点)2275.865.10
調剤基本料2(26点)142.17.20
調剤基本料3イ(21点)193.89.10
調剤基本料3ロ(16点)462648.16.5
特別調剤基本料(9点)10.3

いわゆるトレーシングレポートですね。こちらは最近、病院薬剤師の方からも内容のないトレーシングレポートというのが指摘されましたが、とはいえですよね。

というか百歩譲って先ほどのかかりつけ薬剤師の中央値が0なのは、一人薬剤師だからということもあり、言い訳できますが服薬情報等提供の中央値が0ってヤババですよ、マジで。

この数値って年間の件数ですからね、1カ月とかじゃないのよ…

薬剤師これから過剰になるんだよ、そして調剤報酬も調剤料などの基本料は減って、対人業務の加算に重きがおかれるのは決まっているの!!

るるーしゅ

るるーしゅ

ゆでガエルになりますよ・・・危機感をもって行動したほうがいいですよ

今の環境では、今後生き残れないと思ったら上記の記事も読んでみてください

今回の結果に東京都薬剤師会が焦っている?

今回の結果を見て、どのように感じましたか?

大手チェーン薬局のこと嫌いだけど、それ数字をもって示せないな~と思ったのではないでしょうか。また2020年度の医療経済実態調査の中で、20店舗以上薬局チェーンは利益率が8.4%から9.3%にアップしたと報じられていましたが、今回の内容を踏まえるとこういう見方もできますよね。

国が求める対人業務をしっかりと行って患者に認められた結果です

対人業務の算定率も低いのに、利益率があがっていたら「何やってるんだ?」となりますが、しっかりやるべきことをやって利益を出しているのに、儲かりすぎとして調剤報酬で下げようとするのはおかしいと反論できますよね。(細かく利益の中身、見られたらアレかもしれませんが笑)

さてそんなこんなで、個人薬局より大手チェーン薬局のほうがしっかりやっているのでは?というデータがでてしまい東京都薬剤師会はアンケート調査を実施しております。

すこし内容を抜粋致します。

現在、厚生労働省において令和 4 年度診療報酬改定に向けての議論が進行しております。このような中、調剤報酬の算定に関して、チェーン展開をしている薬局群に対し、個人経営等の薬局群が薬学管理料の算定率が低いとの調査結果が取り上げられました。また、薬学管理料の算定率が高い薬局は職能を発揮していて、算定率が低い薬局はその役割を果たしていないとの意見も挙げられております。
こうした審議会等の捉え方に対し当会では、算定要件を満たしているにも関わらずその算定に至らない理由を調査し、会員薬局の薬剤師の想いを関係方面に情報提供することといたしました。

ただアンケート内容見ると、業務をしているけど算定しない理由はどれですか?という内容で、これが言い訳として通じるかは難しいなという印象です。

日常業務と考えているから算定しないだと、「じゃあ加算なくしますね」となりそうですし、負担金が生じることを心苦しく感じている患者にその都度報酬に関する同意を得ることを心苦しく感じているでもプロ意識が足りていないとなりそうですよね…

るるーしゅ

るるーしゅ

こういう回答自体、嫌いじゃないんですけど、今置かれている立場とかを考えると、ちょっと思考が浅いんじゃないの?と思ってしまいます

2022の調剤報酬でも点数が上がる下がるなどの議論を有利に進めるには、政治の力が重要ですよね。そのためには日ごろの実績とそれを示すデータというのがとても重要です。

薬剤師とはこうあるべきだやこういうことができるでは、動かないんですよ!!既にこういうことをやっていて実績があり、それを数字で示すことが重要なのです。

るるーしゅ

るるーしゅ

立てよ!薬局薬剤師!!

さいごに

今回はタイトルからすると、大手チェーン薬局をバッサリと切ってもらうのかと期待した方も多いかと思いますが残念ながらそのような内容ではございません。

東京都薬剤師会のアンケート調査の冒頭にもある通り、数字から国が求めていることをやっていないと評価されることもあるってことを理解してください

そして可能ならば、算定件数ではなくもっと有用な指標で薬剤師の活躍をエビデンスとして出していってほしいと思っています。日本は人口当たりの薬剤師の数が多いので、世界に誇れるような薬剤師業務ができると思っています。

ただ臨床研究を計画して~というのはなかなか難しいと思いますので、せめてデータ提供施設として協力依頼がありましたら前向きに考えていただきたく思います。
(アンケートとかめんどくさいだろうけど、協力してください)

あと、今回のデータから、対人業務を実施していない薬局があるってことが明白になりましたよね。服薬情報等提供料の中央値が0って正直びっくりですよ…

そういう薬局に勤務している方は、将来を考えて行動しましょう

できることと、使いこなすこと、極めることはそれぞれ違います。繰り返し練習して決まった動作が”できる”ようになったら、それがどんな体制や状況でも適材適所で出せるようになるのが”使いこなす”ことです。
さらに使いこなしている技を、他の誰より速く強く、常に最大限の力で出せるよう練り上げることが”極める”ことです。

鬼滅の刃22巻 途中の作者のコメントより

このできることと、使いこなすこと極めることはそれぞれ違うってことです。トレーシングレポートを書くことが出来ても、どんな状況でも書けるように使いこなすレベルまでいってほしいと思っています。

るるーしゅ

るるーしゅ

ぬるい環境で人間関係もいいと難しいと思いますが転職考えてみてもいいと思いますよ。

人間が変わる方法は3つしかない。

1番目は時間配分を考える。
2番目は住む場所を変える。
3番目は付き合う人を変える。

この3つの要素でしか人間は変わらない。

もっとも無意味なのは
「決意を新たにする」ことだ

大前研一洞察力の原点より

一度は耳にしたことのある言葉だと思います。大きい会社だと職場を変えることもできますのでそれでもいいと思いますが、小さいところだとやっぱり転職も考えてみてもいいのではないかと思います。
(2番目、3番目が変わります)

とはいえ、コロナ禍および薬剤師の買い手市場にシフトしているため転職はちょっと…というのも通常の感想だと思います。

今のままじゃなやばいかも?と思っているのなら、とりあえず自分のキャリアの棚卸しを実施してチャンスをつかむ準備をしておくのが大切だと思います。

オススメの転職エージェント
  • マイナビ薬剤師https://pharma.mynavi.jp/
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転職希望ではなくキャリア相談や自分の市場価値を知りたい場合などにも利用可能
(急いで転職させようとする転職エージェントは無能です)

また有料になりますが、下記のようなキャリア支援してくれるサービスもありますので金銭に余裕があれば利用してみてはいかがでしょうか?

るるーしゅ

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キャリアの棚卸しなどでは転職エージェントに相談するのもいいと思います。

参考資料

中央社会保険医療協議会 総会(第501回) 議事資料

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アラフォーの薬剤師です。
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