今回は、薬学生や新人薬剤師の方が患者さんと接するときに意識してほしい技法としてICEを紹介致します。
ICEとは、Ideas(解釈)、Concerns(心配)、Expectations(期待)の三つの頭文字をとったものです。
特に患者さんから何か質問された時は、このICEを意識しなければ、患者さんの本当に求める答えはわからないかもしれません。


目次
ICEについて解説
ICEを意識・・・ですか

メガネ

るるーしゅ
まぁ、このICEを知る前までは、かきかえだったんだけど、医者は患者をこう診ているっていう書籍でICEってのを知ってからはこっちのほうが使いやすい気がする
出たよ・・・外国かぶれ

メガネ

るるーしゅ
いや、違うよ、ニッポン大好きだよ、何故に使いづらかったか説明しよう
ICEの日本版のかきかえについて
か | 解釈 | 患者が病気や薬をどのように考えているか |
き | 期待 | 患者が薬に期待していることは? |
か | 感情 | 病気や薬を飲むこと等に対して、どのように感じているか? |
え | 影響 | 病気や薬を飲むことで、日常にどのような影響があるか? |
これがかきかえですか、いいじゃないですか

メガネ

るるーしゅ
うん、いいんだよ、かきかえも。 ただ私の職場的に軽疾患の患者が多いから、感情が使いづらい。 「花粉症と言われて、今、どんな気持ちですか?」とかなんか違うかな~って気がして・・・
るるーしゅさんの実力不足かもしれませんけどね・・・ ちなみにICEはどうなんですか?

メガネ
ICEについて
- あなたが(病気の)原因だと思っているものはなんですか?
- あなたは何がおこっていると思いますか?
- なにか手掛かりや、理論はありますか?
患者さんは、医師や薬剤師などは自分が話さなくても、プロだからわかるんだろうって思ってることありますよね。
またテレビなどでがんなどの初期症状などをしって、もしかして自分も?と思って来院されるケースや、職場で熱がないのにインフルエンザと診断された方がいて・・・なんていうのも、ありますよね。
そういった患者さんの解釈モデルを知ることは、説明する際などにとても役に立ちます。
- くすりを飲むことでなにか心配なことはありますか?
- 病気で心配なことは何ですか?
これも知りたいところですよね、車を運転することが多いから眠気のでる可能性があるくすりは嫌だ、とか近所の人が、コレステロールのくすりのんで足が痛くなったから、この薬をのむことの不安だったり、また接客業だから咳がでるのが辛い、来週、この子の兄がピアノの発表会だからうつったら困るとか・・・
- あなたはどんなことを期待して病院(薬局)にきたのですか?
- あなたはどのおくすりを出してほしいとかありますか?
医療に何を期待しているのか?ゾフルーザ®を出してほしいと思ってきている患者さんなら、そのゾフルーザがでていなかったとしても適切な説明をする必要がありますよね。
ICEについてのまとめ
こう書いてみると、いかがでしょうか?
患者さんが病院や薬局にくるときは、なんらかのICEをもっていると考えていいと思いませんか?
そしてICEを意識せずに、説明・指導するだけでは患者さんの本当に求めている情報を提供できているといえませんよね。
勿論、上記のような文言を使って聞き出せというわけではなく、非言語コミュニケーションなども使用し、患者さんのもつICEを意識することで日々の業務がまた違ったものになるかと思います。
そして、こういった患者さん個別の解釈モデルを聞きだし、対応することが対人業務でこれからの薬剤師に求められていることではないでしょうか。
本記事を記載するのに参考にした書籍です、面白いので是非読んでみてください。

