腎機能を考慮することってトクベツなことですか?

薬局薬剤師の日常





るるーしゅ
なんかさ、薬剤師って腎機能を推定して投与量が問題ないかどうか確認するのってトクベツなことって思っているよね?
メガネ
うん、確かにそうですね…
るるーしゅ
第13回日本薬局学会の特別企画で「腎機能管理のスペシャリストを目指す」という講演があって、白鷺病院の古久保先生が冒頭にこう言ってたのが、とても印象に残っているんだ

腎臓のスペシャリストになってもらいたいわけではありません。
当然のように、腎臓考えるようになってほしい。

るるーしゅ
日本薬局学会だから対象者は、薬局薬剤師。
マンガでも示しているように薬局薬剤師の中で当たり前に腎機能を考慮して投与量を判断するのは当たり前にできていないからね。
そして「腎機能管理のスペシャリストを目指す」というタイトルの講演の冒頭にこのセリフ、マジでかっこよかった


薬局薬剤師は腎機能を評価して疑義照会をしていない?

2007年に東京都薬剤師会の研修に参加した薬局薬剤師50人のうち、腎機能低下患者の過量投与に関する疑義照会を経験したことがあったのは14名(28%)で病院薬剤師は72%と有意な差があった。

メガネ
2007年頃の薬剤師にはまだそんな能力はないんじゃないですか、所詮4年制ですよね…
つづいて2013年にGoogleFormを用いたアンケート調査でCKD患者の腎機能を評価し投与量の設計をしたことがあるかという問いに対し病院薬剤師は91.5%、薬局薬剤師は54.2%だったという結果でした。
メガネ
ほう、ただ2007年から2013年で6年間で28%→54%と26%伸びていますので、2019年の今は80%くらいの薬剤師が腎機能評価しているんじゃないですか?
るるーしゅ
いや、そんなに出来ていないだろ…

腎機能を評価して投与量を考慮することは特別なことですか?

熊本大学の近藤悠希先生は、2019年10月号(調剤と情報 増刊)の中で、薬剤師の腎機能を考慮した投与量の決定に対して、このような説明している。

現在、慢性腎臓病(CKD)の患者数は1330万人に達し、高齢者の3人に1人はCKDともいわれている。まさに「高齢者をみたら腎機能低下を疑え」といっても過言ではない。またCKD患者の数は12歳以下の小児の数(1260万人)よりも多い。
したがって、腎機能を考慮した医薬品投与量の決定は、小児用量の確認と同様に、薬剤師にとって必須のスキルであるといえる。

メガネ
確かに、小児の薬は体重聞いて投与量確認するの当たり前ですよね。
でもそれが高齢者になると…


どういった患者で腎機能を注意すればいいのか?

メガネ
でもるるーしゅさん、腎機能の評価って来局患者全員にやっていたら大変ですよ…
るるーしゅ
全員にやってたらキリがないのわかる。だから優先順位が高い人からできる範囲内で実施していこう。調剤と情報 2018年 01 月号の近藤悠希先生の記事によると…

腎機能を評価し投与量を確認する対象
腎機能低下時に注意が必要な薬剤が処方

腎機能低下が疑われる患者
メガネ
そうやって簡単そうに言っても騙されませんよ。
腎機能低下時に注意が必要な薬剤と言ってもたくさんあるんでしょ?
るるーしゅ
まぁ確かに、これは多いかもしれないね

腎機能低下時に注意が必要な薬剤リスト

商品名(先発品)一般名尿中排泄率副作用
バルトレックスバラシクロビル80%呂律障害、痙攣、精神神経障害
リリカプレカバリン90%傾眠、意識消失、心不全
ガスターファモチジン80%精神錯乱、汎血球減少
メトグルコメトホルミン85%乳酸アシドーシス
るるーしゅ
まだまだありそうだけど、とりあえずここまで

腎機能低下が疑われる患者

るるーしゅ
腎機能低下が疑われる患者としては、高齢者だね
メガネ
薬局に来る半数以上は高齢者なんじゃないですか?
るるーしゅ
まぁそうなんだけどさ、糖尿病の高齢者やCKD患者によく投与される薬剤がでている患者はしっかりね
CKDを推測できる薬剤
  • 球形吸着炭
  • 沈降炭酸カルシウム
  • 炭酸ランタン水和物
  • クエン酸第二鉄水和物
  • ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
  • ポリスチレンスルホン酸カルシウム
  • 炭酸水素ナトリウム
  • 腎機能を評価するうえで忘れてはいけないこと

    最後に腎機能を評価するうえで忘れてはいけないことをお伝えいたします。
    それは腎機能を評価し、投与量を考慮することは方法に過ぎないことです。腎機能を評価し投与量を決めることが目的にならないようにしましょう。

    メガネ
    んー、これってどういう意味ですか?
    るるーしゅ
    患者を見ないで、腎機能だけで投与量調節して、「俺、デキる」みたいになることだね
    参考資料
    • Kondo, Yuki, et al. “Awareness and current implementation of drug dosage adjustment by pharmacists in patients with chronic kidney disease in Japan: a web-based survey.” BMC health services research 14.1 (2014): 615.
    • 竹内裕紀, et al. “1. 透析患者の中毒性副作用の実態.” 日本透析医学会雑誌 43.1 (2010): 38-40.
    • 近藤 悠希「検査値がわからない!」ところから始める! 処方監査に必ず活かす! 実践! 腎機能チェック(第1回)薬局で腎機能と薬剤チェックに取り組むための第一歩 : これまでと処方監査の視点を変えてみよう調剤と情報 2018年1月