皆さんの薬局ではマイナ受付はすすんでいますか?
今までは、患者さんがマイナ受付すると、点数が高くなるという仕様でしたが2022年10月からはマイナ受付したほうが安くなりますので、薬局でもマイナ受付する方が増えるのではないかと思います。
マイナ保険証を利用する場合・・・1点(6月に1回)
利用しない場合・・・3点(6月に1回)(R5.12.31までは4点)
当該保険薬局に処方箋を提出した患者に対し、薬剤情報、特定健診情報その他必要な情報を取得・活用して調剤を行うこと。
なにより令和5年の4月から、オンライン資格確認が原則義務付けですので、対応していない薬局は保険薬局として認めないということにもなってくるのかもしれませんね。
るるーしゅ
机上論では色々とこんなことできるかな~と考えていたのですが、実際の運用がわからなく、思い描いていたことが出来るのか分かりませんでした。
今回、実際に使用してみたので紹介します。
先に言うと、かなり有用ですので、うちの周りは高齢者ばっかで全然進んでいなくて…とならず、こういったことが出来て便利ですから、マイナンバーカード作ってくださいとアピールできるといいなと思っています。
目次
薬局で薬剤情報、特定検診情報が見れると…
まず薬局で、患者さんがマイナ受付を実施し、薬剤情報、健診情報の提供に同意してもらいます。
薬剤情報が見れると、こんなことができる
まず薬剤情報が閲覧できることにより、重複投薬や相互作用の確認が可能になる。
るるーしゅ
院内処方のデータも見れますし、おくすり手帳あるあるの薬局ごとに使い分けている、シールの貼り忘れなどで情報が不十分な場合にもマイナ受付からの取得なら大丈夫。
(今後、おくすり手帳をどのような位置づけにするかも検討が必要かもしれません)
医薬品の重複投薬はもちろんですが、ここまでしっかり分かるなら相互作用(PISCSやCR-IR法)やサプリメントとの相互作用なんかもチェックできますよね。
健診情報が見れると、こんなことができる
特定健診などの情報が見れると、検査値を踏まえた処方内容の確認や服薬指導が可能になります。
るるーしゅ
血清クレアチニン値の記載があります。
健診データは昨年のものですが、薬局で検査値がわからないから、腎機能評価できない!ではなくなります。
GFRについても記載がありますが、標準化eGFRなのか個別化eGFRなのか分からない
当たり前に腎機能を評価する時代が近づいている気がしますよね。これが標準になってくれば、昨年の健康診断の結果ではなく、直近の血液検査の結果も持ってきてくれるようになるかもしれません。
まだ出来ないこと
うちの会社の仕様かもしれませんが、マイナ受付で入手した薬剤情報や健康診断のデータですが、薬歴に自動で紐づけはされないです。
なので薬歴画面の併用薬に自分で手入力して、相互作用の機械的チェックということをしなきゃダメです。
(システムを活用した相互作用チェック否定する方いますが、機能として使えるものは使えたほうがいいですよね。もちろんシステムの限界をわかったうえでですが)
るるーしゅ
電子処方箋になると、解決されるんじゃないかなと期待しています
患者に信頼され、期待されるように
今回のマイナ受付、しっかりと活用できれば、患者さんにとってもメリットは大きいです。
ただ患者さんは、薬局ではどんなことをしてくれるのか?というのが、まだ十分ではありません。
今回のマイナ受付もきっかけのひとつとして、まずは「この薬局ではこんないいことをしてくれるんだ。」ということを伝えていくことも重要ではないかなと思います。
るるーしゅ
検査値をチェックする薬局の人から、こういう活動をしていたら門前以外の処方箋も、「ここの薬剤師になら任せられる」とわざわざ遠くまで持ってきてくれるようになりました。という話も聞いたことがあります。
今後、薬局も患者に選ばれた薬局が生き残っていくのが適切だと思います(何をもって選ばれるかは様々意見がありそうですが)
その中でも今回の相互作用のチェックや腎機能の評価は、どこの薬局でも出来て当たり前くらいになっていってほしいなと個人的に思っています。
数年前, コーヒー豆販売会社のFolgersのコーヒー豆は「mountain grown」だと消費者に宣伝して.数百万ドルのコーヒー豆を販売した。もちろん、宣伝したことは事実であった。しかし、マーケットで販売しているどこのメーカのコーヒー豆も品質は同じで「mountain grown」であった。 Folgersは、コーヒー豆の産地について、事実を言っただけであった。
この事実と品質が消費者の心をつかんで、mountainーglown Folgersが最も良いコーヒー豆であるとの信頼を勝ち得たのである。
薬剤師と薬学生のためのコミュニケーション実践ガイドより
上記の 「mountain grown」 ではないですが、薬局でもうちの薬局では、最適な薬物療法の提供のためにこのようなことを実施していますと、アピールすることもいいんじゃないかなと思っています。(個人的になにかエビデンスとして残せないかなと研究計画考えています)
るるーしゅ
こういうのもいいんじゃない?とかありましたら、色々と教えていただければ幸いです