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【2023年度版】薬剤師が解説!薬剤師がすすめる花粉症の市販薬の選び方

日本気象協会の予測によると、東京では2月11日が飛散開始予測日ですので、そろそろ花粉症の治療薬が必要になってくると思います。

Q

花粉症治療薬はいつから使用し始めればいいですか?

A

花粉飛散開始予測日から服用、もしくは花粉飛散開始予測日前に症状が出たら服用

るるーしゅ

るるーしゅ

花粉症の症状は火事のようなもの。症状がひどくなってからでは効果が乏しいので、ぼや程度の段階でしっかりと抑えておくことが大切です。

今年の花粉量は多いの?少ないの?

2023年の花粉量は例年と比較すると多いと言われていますので、しっかりとした花粉症対策をしましょう。

ただ今年は新型コロナウイルスやインフルエンザの影響で、あまり病院にかかりたくない方向けの花粉症の市販薬の選び方を紹介します。

花粉症の治療薬は市販薬で十分である!!

みなさんの中に、花粉症の治療薬は病院でだしてもらう薬のほうが市販の薬より効き目が強い!と思ってたりしませんか?
実は、花粉症の症状を抑える作用としては病院で処方される薬と市販薬では大した差はありません。

まずはそのことを紹介いたします。

今回の内容は、花粉症の症状が軽度から中等度の健常人を対象としております。
症状が重度な方、未成年、妊娠・授乳中の方、また車を運転する方は必ず薬剤師、登録販売者に話を相談の上、判断するようにお願い申し上げます。

・・・るるーしゅさん、今回の内容、薬剤師、登録販売者にとっては常識と強調しておりますが…大丈夫ですか?

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

大丈夫大丈夫、現場の薬剤師、登録販売者は、これくらいしっかり答えられるからね。 さて、今回の内容のポイントについて解説していこう!!

花粉症治療の処方薬と市販薬のポイント

  • 処方薬と市販薬の飲み薬に違いはあるのか?
  • 処方薬と市販薬の点鼻薬に違いはあるのか?
  • 飲み薬と点鼻薬は一緒に使ったほうがいいのか?
  • 点鼻薬二種類使うのは効果的なの?

処方薬と市販薬の飲み薬に違いはあるのか?

それではまず飲み薬を比較していきます。
花粉症の治療薬の基本は、第二世代の抗ヒスタミン薬が中心ですのでそちらについて比較していきます。


まずは下記の表は、現在(2021年2月)における処方せん医薬品と市販化されているかの一覧です。

成分名処方箋医薬品名称一般用医薬品
ケトチフェンザジテン
アゼラスチンアゼプチン
エメダスチンアレサガテープ△(テープはなし)
エピナスチンアレジオン
エバスチンエバステル
セチリジンジルテック
ベポタスチンタリオン
フェキソフェナジンアレグラ
オロパタジンアレロック×
ロラタジンクラリチン
レボセチリジンザイザル×
デスロラタジンデザレックス×
ビラスチンビラノア×
ルパタジンルパフィン×

この中で、まだ市販化されていないのでオロパタジン(アレロック®)、デスロラタジン(デザレックス®)、ビラスチン(ビラノア®)、ルパタジン(ルパフィン®)、エメダスチン(アレサガテープ®)になります。

上記は5種類はまだ市販化されていませんが、市販されている同効薬と比較して、効果が優れているといえるほどのエビデンスはありません。

るるーしゅ

るるーしゅ

抗ヒスタミン薬の強さランキングなんてよく出回ってくるけど、エビデンスに基づいていない個人の感想レベルのものばっかです。

よく目にする抗ヒスタミン薬の強さランキング

2020年度版鼻アレルギー診療ガイドラインでも使い分けや優越を比較するような記載はありません。
またUpToDate、Dynamedという世界的に有名な二次資料のなかでも、第二世代抗ヒスタミン薬の中で有効性に違いは見られないといった表現で記載されています。

上記で示したように、治療の中心となる第二世代抗ヒスタミン薬間での大きく有効性に差はありません。そのため副作用の眠気について重視して選択します。

フェキソフェナジン(アレグラ)クラリチン(ロラタジン)が眠気の副作用がプラセボと同等と言われていて、眠気に注意する必要はまずありませんのでおすすめです。

処方薬と市販薬の点鼻薬に違いはあるのか?

つづいて、処方薬の点鼻ステロイドと市販の点鼻ステロイドで差はあるのかを考えていきます。

成分名処方箋医薬品名称一般用医薬品
ベクロメタゾン
プロピオン酸エステル
ベクロメタゾン
プロピオン酸エステル
フルニソリドなし
フルチカゾン
プロピオン酸エステル
フルナーゼ点鼻液
モメタゾンフラン
カルボン酸エステル水和物
ナゾネックス×
フルチカゾンフラン
カルボン酸エステル水和物
アラミスト×
ベクロメタゾン
プロピオン酸エステル
エリザス×

以上の6種類ありますが、有効性を比較したデータではどれも大きな差はでていません。Dynamedの記載は以下の通りです。

no corticosteroid product is clearly better than others
(他の製品より明らかに優れているステロイド製品はありません)

Dynamed,Allergic Rhinitisより(2021.2.3アクセス)

ただステロイドという安全性を懸念するのであれば、UpToDatenには以下の記載があります。

Glucocorticoid nasal sprays may be divided into first- and second-generation preparations. Second-generation agents are preferred because they are equally efficacious but theoretically carry a lower risk of systemic effects because of markedly lower total bioavailability (oral and nasal) compared with first-generation agents

グルココルチコイド点鼻スプレーは、第一世代と第二世代の製剤に分けられます。第二世代の薬剤が好まれるのは、第一世代の薬剤と比較して総バイオアベイラビリティ(経口および経鼻)が著しく低いため、同等の効果があるが、理論的には全身への影響のリスクが低いからである。

UpToDate,Pharmacotherapy of allergic rhinitis(2021.2.3アクセス)

ベクロメタゾンとフルニソリドは第一世代、その他は第二世代です。(エリザスはすいません、わかりません)またアラミスト®、ナゾネックス®、エリザス®といった処方薬の点鼻薬は1日1回という利便性があります。

るるーしゅ

るるーしゅ

ベクロメタゾン、フルニソリドのバイオアベイラビリティも大きく気にすることではありませんが、フルナーゼ市販化されましたのでフルナーゼがオススメです。

成分1日の回数使用期間上限基礎疾患の制限
ベクロメタゾン4回3カ月高血圧
糖尿病
緑内障
喘息
フルニソリド2回1カ月高血圧
緑内障
フルチカゾン
プロピオン酸エステル
2回3カ月
るるーしゅ

るるーしゅ

疾患禁忌はまだあるんですが、あまり該当しないと思いますので一部省いています。
比較すると、フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ®)の使い勝手がいいですね

飲み薬と点鼻薬は一緒に使ったほうがいいのか?

これはかなり難しい問題です。
日本では飲み薬の抗ヒスタミン薬を最初に使用することが多く、そしてその後、点鼻ステロイドを使うという流れです。
ただこの内服抗ヒスタミン薬と点鼻ステロイドの併用は、点鼻ステロイド単独より優れているというエビデンスは乏しいため、アメリカのガイドラインでは推奨されていません。

Recommendation 1
For initial treatment of seasonal allergic rhinitis in persons aged 12 years or older, routinely prescribe monotherapy with an intranasal corticosteroid rather than an intranasal corticosteroid in combination with an oral antihistamine. (Strong recommendation)

もしや日本では有効というエビデンスがあるとか?

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

う~ん、なさそう。経験的な部分なのか、それともガイドライン作成者と製薬企業の関係がズブズブだからなのか

一般的な併用に関しては経口抗ヒスタミン薬と華噴霧用ステロイド薬がある。この併用では経口抗ヒスタミン薬単独より鼻症状への効果はあるが、鼻噴霧用ステロイド薬単独とは有意差が認められないことがメタ解析でも示されている
2020年度版鼻アレルギー診療ガイドラインより

るるーしゅ

るるーしゅ

こう解説しているのに、何故アメリカのガイドラインのようにしないのか、本当に意味ワカメちゃん

内服抗ヒスタミン薬と点鼻ステロイドの併用は点鼻ステロイド単独より、効果的ではない可能性があります。現場でも「点鼻だけで十分~」って方、けっこういます。

点鼻薬二種類使うのは効果的なの?

日本では、点鼻ステロイドの点鼻の血管収縮薬を使用することはあっても、点鼻ステロイドと点鼻抗ヒスタミン薬を併用することはまずありません。
今回のマンガの中でひどい場合にはありかもよとオススメしているのはどうなのでしょうか?
実は弱い推奨ではありますが、海外では勧められています。

Recommendation 3
For treatment of moderate to severe seasonal allergic rhinitis in persons aged 12 years or older, the clinician may recommend the combination of an intranasal corticosteroid and an intranasal antihistamine for initial treatment. (Weak recommendation)

これは知らない薬剤師も多そうな・・・

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

この文献によると、単独使用により、併用のほうが症状改善した人が多かったみたいだね

市販されている点鼻抗ヒスタミン薬はザジテン®のみなので、眠気に注意しなければいけませんが、点鼻ステロイドだけで症状が落ち着かない方にはアリな選択かもしれません。

まとめ

今回は、花粉症の治療薬は処方される薬剤と、市販されている薬剤とで有効性に大した差はないこと、また一般的にオススメできる薬剤を紹介しました。

ただ花粉症の治療薬は、自分で選ぶのではなく 現場の薬剤師、登録販売者に相談して選んでもらうようにしましょう。
私が紹介する情報は、あくまでも架空の一般の人のため、患者個別に選択しているわけではないからです。

るるーしゅ

るるーしゅ

上記記事も参考にしてみてください

参考資料

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るるーしゅ

るるーしゅ

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るるーしゅ

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るるーしゅ

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るるーしゅ

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薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
今後の業界の変化に対応できるように、業界情報や専門的なスキル、そして薬剤師としての働き方などについて情報発信していきます。
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