新規抗うつ薬トリンテリックス(ボルチオキセチン)について調べてみた

薬剤情報

武田、ルンドベックが販売する新規の抗うつ薬トリンテリックス(ボルチオキセチン)について薬剤師視点で調べましたので共有いたします。

トリンテリックス(ボルチオキセチン)の特徴
  • 既存の抗うつ薬より色々な作用機序があるか、それが臨床的にどのような利点等あるのか不明

(コクランレビューで既存薬より優れているというデータはなし)

  • 海外で発売当初はブリンテリックス®(Brintellix)という名前で発売されていたが、アストラゼネガのブリリンタ®(Brilinta)成分名:チカグレロルと名前が紛らわしいことからトリンテリックスへ改名
  • 吐き気の副作用が20-30%あるため、注意

トリンテリックスの有効性について

プラセボとの比較

るるーしゅ
トリンテリックスの臨床的立ち位置については、2017年のコクランでいいと思う
トリンテリックスはプラセボと比較して治療反応(response)のRR 1.35(1.22~1.49)、寛解(remission)のRR 1.32(1.15~1.53)、Montgomery Asbergうつ病評価尺度の変化量は‐2.94(‐4.07~‐1.80)
るるーしゅ
全部エビデンスの質は低いみたいだけどね

既存薬との比較

トリンテリックスはSNRIsと比較して治療反応(response)のRR 0.91(0.82~1.00)、寛解(remission)のRR 0.89(0.77~1.03)、Montgomery Asbergうつ病評価尺度の変化量は1.52(0.50~2.53)

るるーしゅ
うーん、新規抗うつ薬だしメカニズムが色々といっても、それが臨床的にどのような意味をなすかは微妙っぽい

トリンテリックスの有害事象について

トリンテリックス
5mg/日
(n=1013)
トリンテリックス
10mg/日
(n=699)
トリンテリックス
15mg/日
(n=449)
トリンテリックス
20mg/日
(n=455)
プラセボ
(n=1621)
吐き気 21% 26% 32% 32% 9%
下痢 7% 7% 10% 7% 6%
口の渇き 7% 7% 6% 8% 6%
嘔吐 3% 5% 6% 6% 3%
鼓腸 1% 3% 2% 1% 1%
めまい 6% 6% 8% 9% 6%
悪夢 <1% <1% 2% 3% 1%
かゆみ 1% 2% 3% 3% 1%

海外の製品情報より作成(日本のデータではない)

参考資料
FDAのトリンテリックスの製品資料
Vortioxetine for depression in adults – Koesters, M – 2017 | Cochrane Library