薬が効いたとは一体どういうこと?
「○○をしたら、よくなった、だから○○は有効だ」こういった言説はよく耳にします。
いわゆる「さんた論法」と呼ばれています。健康食品などでは騙されないのですが、いざ薬になると薬の専門家でも騙されてしまうので注意しましょう。
るるーしゅ
今回はくすりが効いたとはどういうこと?というのについて考えます。 まぁ考えるというか、前提となる考えのひとつなのでしっかりと理解しておいてほしいです。
- 薬の薬理作用
- プラセボ(ノセボ)効果
- 自然経過
この三つが合わさったものである
るるーしゅ
薬の効果=薬の薬理作用ではない!! ここ、絶対間違えちゃダメ!!
勘違い事例①:風邪に抗菌薬
風邪に抗菌薬が効くとかいうやつですかね?
メガネ
るるーしゅ
そうだね、風邪に抗菌薬は効かないよね。 ただこの効かないとは、薬の薬理作用として風邪に抗菌薬は無効であるという意味だよね。
そうですね、ただプラセボ効果や自然経過でよくなっているのを患者は、抗菌薬のおかげでよくなったと捉えてしまうんですよね…
メガネ
るるーしゅ
そうそう、だから患者に抗菌薬は風邪に無効です!といった言葉だけでは「私の風邪には効くんです」といった信念対立になっちゃうかもしれないね… だからしっかりと患者のナラティブも聞いた上で、いい落としどころにしていければな~って感じだね。
勘違い事例②:ジェネリックは効かない
ジェネリックに対してもありそうですよね
メガネ
るるーしゅ
そーなんだよね、ジェネリックに変更した途端、悪化したとかいうと本当に医師や薬剤師が薬の薬理作用のせいにするんだよね
やっぱりノセボ効果ですかね?
メガネ
薬剤投与を継続していても被験者が「投与されていない」または「この薬は効かない」と思い込むことによって薬剤の効果がなくなるケースの
るるーしゅ
全部がノセボ効果ではなく本当にジェネリックの品質(薬理作用)の問題もあるんだろうけど、やっぱりノセボ効果であると考えたほうが妥当かなって思うことは多いよね
ジェネリックと同じ基準で、発売されている先発医薬品では問題がまず起きませんからね
メガネ
勘違い事例③:健康の秘訣はDr.Papper?
るるーしゅ
ちなみに今回の前提は、薬だけではなくその他にも言えるんだよね
いわゆる「さんた論法」ですね
メガネ
- やってみた
- よくなった
- 効果があった
と、判断することです
るるーしゅ
そう、本屋とかに行くと一般向けの健康本はこんなのばっかだよね~ さんた論法は、因果関係が不明なのに、因果関係であると判断してしまうんだよね
るるーしゅ
こういった話には、Dr.Papperの話が効果的かもしれない
Dr.Papperって、あのおいしくない飲み物ですよね?薬の味がする…
メガネ
るるーしゅ
いや、個人的にドクターペッパーは好きだけどな… アメリカに106歳まで生きたおばあちゃんがいたんだけど、そのおばあちゃんは何故自分が長生きかは、毎日ドクターペッパーを3本飲んでいるからだ!と言っていたらしい 106歳のお婆ちゃんが“不健康すぎる”長生きの秘訣を暴露!「1日3本ドクターペッパー」「飲むなと忠告した医者は皆死んだ」
いや、さすがにドクターペッパーは違うでしょ…
メガネ
るるーしゅ
そうだね、これはcausal(因果)ではなくcasual(偶然)だと思うよね。ただこれがそれっぽい理論がくっついてくると、人はcausal(因果)だと勘違いしてしまうから、やっぱり疑うことは重要だよ
(・・・カッコつけたくて英語用いてきやがった)
メガネ
今回は、薬が効くとは一体どういうことなのか?その前提について事例を用いて解説致しました。
是非ともこのことは、きちんと理解して患者さんが薬などを使用した後に起きた現象について、それは薬によるものか?それとも別か?と考えるくせをつけていただえれば幸いです。