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第二世代抗ヒスタミン薬のなかで運転禁止の薬への対応

今回は第二世代抗ヒスタミン薬について、薬剤師として注意すべき運転への対応について解説します。

これはツイッターでバズってた青森のリンゴのやつをパクったんですが、反響があったため、ちゃんと理解しておかないとトラブルに発展するかもしれませんのでね

第二世代抗ヒスタミン薬の運転等への記載について

日本で発売されている抗ヒスタミン薬の添付文書上の記載については以下のパターンがあります。

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。(以下:運転禁止薬)

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。(以下:運転注意薬)

上記以外にも、運転等への言及がないパターンもあります。

日本での代表的な第二世代抗ヒスタミン薬の一覧を記載しました。

添付文書上に運転禁止の記載がある場合は×、運転注意の記載がある場合が、何も記載がない場合はで記載しています。

成分名名称回数(日)運転
ケトチフェンザジテン2回×
アゼラスチンアゼプチン2回×
エメダスチンアレサガテープ1回×
エピナスチンアレジオン1回
エバスチンエバステル1回
セチリジンジルテック1回×
ベポタスチンタリオン2回
フェキソフェナジンアレグラ2回
オロパタジンアレロック2回×
ロラタジンクラリチン1回
レボセチリジンザイザル1回×
デスロラタジンデザレックス1回
ビラスチンビラノア1回
ルパタジンルパフィン1回×

運転禁止薬、運転注意薬

刑事責任を負う場合もある

運転禁止薬や運転注意薬を使用して運転した場合、刑事責任を負う場合があります。

道路交通法66条では「疲労,病気,薬物の影響その他の事由により,正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」とされています。

この薬物は、危険ドラッグとかだけではなく、医療用医薬品も該当します。調剤と情報2019年5月号では実際に医薬品服用後に事故を起こした事例で刑事責任を負った事例が紹介されています。

民事の場合

運転禁止薬や運転注意薬については、平成25年5月29日に厚労省から通知がでていて、医師、薬剤師は患者に説明責任を果たさないといけません。

今般、平成25年3月22日付けで、総務省より厚生労働省に対し「医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」が行われ、医薬品の副作用による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止する観点から添付文書の使用上の注意に自動車運転等の禁止又は自動車運転等の際は注意が必要とする旨(以下「自動車運転等の禁止等」という。)の記載がある医薬品について下記の措置を講ずる必要があるとの所見が示されました。
つきましては、貴管下医療機関、薬局等に対し、添付文書の使用上の注意に自動車運転等の禁止等の記載がある医薬品を処方又は調剤する際は、医師又は薬剤師から患者に対し、必要な注意喚起が行われるよう、周知方お願いいたします。
なお、同勧告において、意識障害等の副作用がある医薬品について、自動車運転等の禁止等の記載を検討し、記載が必要なものについて速やかに各添付文書の改訂を指示するよう所見が示されました。
この所見に基づき、現在、添付文書の見直し作業を進めておりますが、添付文書の改訂が必要な場合、通知により示す予定ですので、ご留意頂きますようお願いいたします。

添付文書の使用上の注意に自動車運転等の禁止等の記載がある医薬品を処方又は調剤する際は、医師又は薬剤師からの患者に対する注意喚起の説明を徹底させること

実際に医師からの説明不足で、運転禁止薬を服用後に運転事故を起こし、医療機関が損害賠償を支払ったケースもあります。

(参考:判決 平成14年6月21日 神戸地方裁判所平成13年(ワ)第1202号損害賠償請求事件

現実の落としどころ等への注意

さて理屈については今まで説明しましたが、実際これを踏まえて落としどころをどうするのかを考えていきたいと思います。

服薬指導すればいいんでしょ?

薬剤師としての反応で多いのが、「運転はしないでください」と画一的に指導すればいいんでしょ?というやつです。

説明だけしとけば、薬剤師が責任とらされることないでしょ?ということですが、薬剤師法25条の2によると、

薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。

とあります。

これも確か2015年ごろに変わって、患者の背景も踏まえていないとダメだよという風に変わっています。

つまりタクシーの運転手などに運転禁止薬が処方されてて、「この薬飲んでいる間、運転しちゃダメですよ~」と指導するだけじゃ、適正な使用のために必要な情報を提供したとはいえないわけです。

運転禁止薬じゃなきゃ本当にダメですか?

つづいて、運転禁止薬を使用しないことによる原疾患の治療の悪化によるリスクを考慮しなくていいのか?というのも考える必要があります。

ただ第二世代抗ヒスタミン薬に関しては、そこまで運転禁止薬じゃなきゃダメというケースはかなり少ないのではないかと思います。

花粉症で、点鼻ステロイドを使用せずに運転禁止薬を、運転する人に処方するのは違うんじゃないかなと思います。

現実的な対応:運転と抗ヒスタミン薬

適切な服薬指導は、患者の生活状況や職業を考慮に入れる必要があります。例えば、タクシーの運転手に対しては、「この薬を服用している間は運転しないでください」という指導だけでは不十分で、代替の治療法や薬を提案することが重要です。

また、運転禁止薬を使用しないことによる原疾患の治療の悪化によるリスクも考慮する必要があります。

しかし、第二世代抗ヒスタミン薬に関しては、運転禁止薬を使用しなければならないケースは比較的少ないと考えられます。

例えば、花粉症の患者が運転する場合、点鼻ステロイドを使用せずに運転禁止薬を処方するのは適切ではないかもしれません。

以上のように、第二世代抗ヒスタミン薬と運転は複雑な問題を抱えています。

医療専門家は患者に対して適切な説明と指導を行い、患者自身も自分の状況を理解し、適切な判断を下すことが求められます。

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薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
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