≫【2024年度版】薬剤師向け転職サイトの賢い使い方

ADHDの新薬ビバンセカプセルについて調べてみました

2019年3月に承認された塩野義製薬の注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬ビバンセカプセル(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)について調べましたので共有いたします。

ここは最低限おさえてほしいビバンセカプセルの特徴

  • コンサータ同様の中枢神経刺激薬で1日1回でOK
  • 中枢神経刺激薬の特徴的な副作用、不眠、食欲不振、体重減少に注意
  • 薬物乱用防止のため、流通管理が厳しい

一般名みてもらえば薬剤師の方なら想像つくかと思いますが、覚醒剤原料に指定され、コンサータ(メチルフェニデート)と同様の中枢神経刺激薬になります。

基本的事項

商品名 ビバンセカプセル
一般名 リスデキサンフェタミンメシル酸塩
効能・効果 小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
用法・用量 通常,小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として 30mg を 1日 1 回朝経口投与する。症状により,1 日 70mg を超えない範囲で適宜増減するが,増量は 1 週間以上の間隔をあけて 1 日用量として20mg を超えない範囲で行うこと。
備考 国の定めた流通管理システムに従い、薬剤師、医師、医療機関、薬局、患者の登録を核とした適正な流通管理を実施する必要がある
るるーしゅ

るるーしゅ

まぁ日本では新薬扱いだけど、アメリカでは2007年に承認されているから、やっと日本に来たって感じだね

ビバンセの警告について

るるーしゅ

るるーしゅ

ビバンセなんだけど、警告がすこし変わっているんだよねー

添付文書上の警告とは?

当該医薬品を使用する際に、

  • 死に至る、または重篤な後遺障害が生じるような可能性がある場合
  • 生じた副作用によりきわめて重大な事故につながる可能性がある場合

などで、特に注意を喚起し、現場に適切な対応を求める必要があるものに設定されます。

  • ビバンセカプセルの投与は,注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断,治療に精通し,かつ薬物依存を含むリスク等についても十分に管理できる,処方登録システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において,登録患者に対してのみ行うこと。また,それら薬局においては,調剤前に当該医師・医療機関・患者が登録されていることを確認した上で調剤を行うこと
  • ビバンセカプセルの投与にあたっては,患者又は代諾者に対して,有効性,安全性,及び目的以外への使用他人へ譲渡しないこと文書によって説明し,文書で同意を取得すること
るるーしゅ

るるーしゅ

ビバンセカプセルが覚醒剤原料に指定されているから、 リタリンにならないように警戒しているんだろうね

本邦では覚せい剤、スマートドラッグ等の乱用が諸外国と比較しても多いとされており、過去にもメチルフェニデート即放性製剤の不適正使用が社会問題化した経緯がある。AD/HDは客観的な症状・指標に基づいた診断が困難な疾患であることを踏まえると、目的外使用のために本剤の不正入手が試みられる可能性は否定できない。したがって、本剤の不適正使用、目的外使用のリスクを低減するためには、少なくとも申請者が提案しているような流通管理体制を構築した上で、実際の処方状況、不正使用・不正流通の状況を確認し、必要に応じて追加の方策等も迅速に検討することが必須である。

ビバンセカプセルの審査報告書より引用

ビバンセの有効性はどれくらい?

国内の第Ⅲ相試験の概要

p:どんな患者に? DSM-5によりAD/HDと診断された6歳以上18歳未満の患者76例
I:介入は? ①ビバンセカプセル30mg/日
②ビバンセカプセル50mg/日
③ビバンセカプセル70mg/日
C:何と比較して? プラセボカプセル
O:結果は何で評価? m-ITT 集団における投与 4 週時の ADHD-RS-IV 合計スコアのベースライン

国内の第Ⅲ相試験の結果は?

投与群 測定値 ベースライン
からの
変化量
プラセボ群との比較
ベースライン 投与4週時 群間差[95%信頼区間] p値
プラセボ 37.95 ± 7.40 (19) 34.68 ± 10.73 (19) -2.78 ± 2.25    
ビバンセ30mg 38.05 ± 6.74 (19) 19.78 ± 9.74 (18) -16.38± 2.24 -13.61 [-19.80, -7.42] <0.0001
ビバンセ50mg 37.06 ± 6.94 (18) 17.41 ± 9.04 (17) -18.10 ± 2.35 -15.32 [-21.65, -9.00] <0.0001
ビバンセ70mg 37.15 ± 7.80 (20) 20.47 ± 13.15 (17) -16.47 ± 2.29 -13.69 [-19.98, -7.40] <0.0001

プラセボと比較して結構差がついていますね、ちゃんと効きそうですね

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

うん、そうだね。 ただ審査側からはこの結果では太鼓判はおせないらしい

えっなんでですか?

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

今回の評価項目は医師によるADHDの評価なんだよね。患者がADHDの症状で問題になるのは学校だよね? なら学校の先生に有効性を評価してもらわなきゃダメなんじゃないの?って突っ込まれているんだ。

改善したいのは医師の前ではなく学校での生活態度
るるーしゅ

るるーしゅ

というわけで、市販後に教師による評価の検討もするみたい

海外での臨床評価は?

るるーしゅさん、最初に海外では2007年に発売されているって言ってましたよね? ってことは海外ではこのビバンセの位置づけ決まっているんじゃないですか?

メガネ

メガネ

本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は,他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。

るるーしゅ

るるーしゅ

ビバンセカプセルの添付文書には、こんな感じで第二選択薬扱いだけど、海外では第一選択薬として使っているよ

他のADHDの薬との比較は?

ビバンセVSストラテラVSコンサータVSインチュニブ

ちなみに他のADHDの薬と比較したデータってないんですか?コンサータとストラテラ、インチュニブと有効性などを比較したデータです

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

比較したデータはあるよ。 小児および青年(6〜17歳)におけるADHDの単剤療法を評価した36件のランダム化比較試験のネットワークメタアナリシスの結果によるとビバンセが一番効果がよかったみたい(ADHD-RS-IV 合計スコア)

薬品名プラセボ比較のスコアの変化量
ビバンセ-14.98(-17.14~-12.80)
コンサータ-9.33(-11.63~-7.04)
インチュニブ-8.68(-10.63~-6.72)
ストラテラ-6.88(-11.63~-7.04)

PMID: 28258319

ビバンセの安全性はどれくらい?

効果は既存のADHD薬より、効果的かもしれないんですね。では安全性はどうなんですか?

メガネ

メガネ

一般的な副作用
皮膚発疹(3%)
内分泌体の成長の低下、体重の減少(9%)
消化器食欲不振(34%-39%)、吐き気(6%)、上腹部痛(12%)、嘔吐(9%)、口腔乾燥症(4%-5%)
神経系めまい(5%)、不眠症(13%-23%)
精神過敏症(10%)
重大な副作用
心血管胸痛、心筋梗塞、末梢血管疾患、レイノー病、突然死、頻脈、心室肥大
免疫アナフィラキシー
神経系脳血管障害、発作

ビバンセカプセルの薬剤師視点での評価

るるーしゅ

るるーしゅ

ビバンセ、なんかデータ見る限りだと、いい薬に見えるね

そうですね、ただ体重減少がすこし心配ですが・・・

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

うん、そこは薬剤師としてフォローしなきゃいけないよね。たしかビバンセカプセル、海外では過食症の適応ももってたりするからね

参考資料
ビバンセカプセルの添付文書
ビバンセカプセルの審査報告書

\ 薬剤師の転職相談満足度96.7% /

るるーしゅ

るるーしゅ

今の職場で働き続けていいのか悩んだら、まずはファルマスタッフの専門家に相談してみることが大切です。

転職サービスに登録したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。

まずは転職市場に自分を出してみて、どのくらいの会社からオファーがもらえるのかを確認してみるといいです。

そのうえで魅力的なオファーがあれば転職を考え、見つからなければ現職でのスキルアップに注力するという選択もあります。

自分がどうなりたいのか、どうなれるのかを常に考えながら、目の前の仕事を通じてキャリアを形成していくことが大切です。

まずは目の前の仕事においてできることと、自分自身の市場価値を確かめることから始めてみるのがよいと思います

るるーしゅ

るるーしゅ

私自身も不安があり、客観的な視点でプロに評価してもらい、選択肢が広がりました。(記事はコチラ

💊 ファルマスタッフ

公式 https://www.38-8931.com/

今、国は悪質な転職サイトの規制を強化しています。転職サイト利用の際は、ファルマスタッフのような優良認定を受けているところを利用しましょう。

るるーしゅ

るるーしゅ

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。本記事内容がお役に立ったのであればSNSでの拡散ランキング投票いただけると幸いです。

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
るるーしゅ

るるーしゅ

薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
今後の業界の変化に対応できるように、業界情報や専門的なスキル、そして薬剤師としての働き方などについて情報発信していきます。
初めてのかたへ

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA