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若手薬剤師はキャリアを考え、中堅以降は若手のキャリア形成について支援しよう

薬剤師は早い段階でキャリアについて考えよう

2020年10月31日、11月1日と日本病院薬剤師会関東ブロック第50回学術大会でWEBで開催されており、その中で薬剤師のキャリアなどについてのパネルディスカッションがありました。

演者2の大山先生とは、とある場で同じグループになりディスカッションしたことがあり、懐かしいなと思うのと同時に病院辞めちゃったんだ…という気持ちにもなりました。

本題に入りますが、この中で、薬剤師のキャリアパス形成はいつごろから行うのがいいのだろうか?という質問に対する各パネラーの回答です。

薬剤師のキャリアパス形成はいつごろ行うべきか?

パネラーA

パネラーA

新人ではなくなったときに考えるべきだと思います。下の子が入ってきたら、自分はどういう風に考えるのかという癖を身に着けておく

ゆっくりでいいから早い段階で考えるべきだと思います。
能力の追加は一朝一夕では身につかないので、早い段階で考えて、意識した行動をとらないと間に合わない、1年目2年目には難しいのでミドルマネージャーや会社としてサポートしてあげる必要性がある。

パネラーB

パネラーB

パネラーC

パネラーC

新人は忙しいから難しいと思います。考えなきゃいけないのは新人になる前(学生のころ)にどんな大人になるのか?そんなことを考えたうえで就職活動をしてほしいです。

一応、講演の中で言ってた内容のメモから起こしていますので、ニュアンス等が違う可能性はありますがご容赦ください。

とりあえず各パネラーで多少意見が異なりますが共通しているのは、

薬剤師のキャリアパスはなるべく早い段階で考える

薬剤師のキャリアパスはなるべく早い段階で考える必要があります。
わたしのブログを見に来ている方は新人以外のかたが圧倒的に多く、自分のキャリアパスを考えるというよりは若手のキャリアパス形成を支援してあげる必要があるかと思いますので、今回はキャリアについて基本的なことから解説していこうと思います。

るるーしゅ

るるーしゅ

若手のキャリア形成についてサポートしてあげて、もっとこの業界がいい方向に進むように協力してほしいです。

そもそもキャリアってなんだろう?

キャリア(career)はラテン語の carrus を語源と言われており、車輪の付いた乗り物のことで、これが発展していき馬車の通った道、歩んできた人生となり、「職歴」「経歴」「実績」「進路」などを意味するようになってきました。

薬剤師としてのキャリアと言われると、専門性と高めたりといった使われ方をイメージしますが、ドナルド・Eスーパーは、キャリアを「人生のある年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせ」と定義して以来、キャリアは職業領域だけではなく、仕事を含む自分の生き方や人間関係、社会的役割、つまり人生そのものという認識になっています。

キャリアを考えるってことは自分の生き方を考えることです

なぜ、薬剤師がキャリアパスについて考える必要があるか?

何故、薬剤師がキャリアパスについて考え、キャリア開発していく必要があるのでしょうか?

これはわたしのブログを読んでくれている方や、この薬剤師業界で働いている人はご存じかと思いますが、薬剤師免許だけの薬剤師は必要とされない時代がすぐそこまで迫ってきているからですね。

これからの薬剤師という職業は、業界や企業の多角化や機能分化に加え、仕事内容も非常に多様化をしてきており、進路の選択肢がどんどんと広がってきているという状況にある。しかし、このように多様な進路選択ができるようになってきたということは、反対に考えると職場を選ぶことが難しい時代になった」ともいえる。これまで薬剤師といえば国家資格を取得後、とりあえず就職し、組織が準備してくれた卒後教育に従ってさえいれば一定の薬剤師として成長できた。しかし、このような組織や仕事の変化に伴って、薬剤師も自分なりのキャリアビジョンをきちんと描き、その組織や仕事に応じて必要な能力を明確化し、薬学という専門知識をベースとしながらも、選択した組織や仕事に応じて求められるそれぞれの知識・スキル・マインドの開発もおこなっていく必要性がある。すなわち、これからの時代は単に薬剤師になりたいというだけでは「求められない人材」になってしまう可能性が高い。
「求められる人材」になっていくためには、薬剤師といえどもキャリアを開発していくという発想を持たなくてはならない。一般企業で働くビジネスマンと薬剤師とでは状況も背景も異なるかもしれないが、「自分のキャリアは自分で責任を持って開発しなければいけない」という意識改革が必要になってきたという点においては、今後は薬剤師といえでも例外ではない。

中山一郎. “士師業を目指す学生へのキャリア支援を考える.” 流通科学大学論集―人間・社会・自然編 29.2 (2017): 147-156.より引用

補足:何故、生き残れなくなってくるか?(簡単に)

今まではどこも人材不足で売り手市場でしたが、コロナをきっかけに売り手市場が崩れつつあります。地域にもよるかと思いますが大都市では、薬局であっても薬剤師免許があればどこでも就職できるという状況ではないと思います。

つまり下記の画像の薬剤師の売り手市場だから、という前提が崩れてしまっているため、スキルアップ、雇われ力を高める必要があるのです。

ちなみにキャリアパスとキャリアデザインという言葉は同じような意味合いの言葉として使っています、使い分けがあり、誤った使い方でしたら申し訳ございません。

何故、買い手市場にシフトしてきているか?

上記では新型コロナウイルス感染症の影響と記載しましたが、これは予想外の出来事です。とはいえ、薬剤師の需給予測から、薬剤師はあまることが言われております。

薬剤師の需給予測

こちらは予測で、薬剤師の業務も医師からタスクシフトされていくことから余らないのでは?という楽観的な予測もできますが・・・

日本って人口当たりの薬剤師の数がOECD加盟国のなかではトップなのです

世界的にみても薬剤師の数は多いのが日本です。そのため職能が拡大したとしてもICT化を踏まえて考えたときに楽観視はできないのかなと思います。

薬局の数も6万軒から3万軒へ・・・

また売り手市場から買い手市場へ移行の理由として、今後薬局の数が減少してくることが指摘されています。「薬局の数が半分の3万軒になる!」、このキーワードは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

現在6万軒ほどある薬局は多過ぎるのが実情であり、今後、社会保障制度を維持するには、薬局の数を3万軒程度にまで減らす必要があるとされています。
調剤薬局は調剤報酬改定でこの先真っ暗?現状と今後を解説! | M&A・事業承継ならM&A総合研究所

医薬分業という国策に乗って増殖した薬局が、3万店まで淘汰されるという声もささやかれ始めた。
コンビニより多い6万店にメス、調剤薬局3万店への大淘汰 | 薬局戦争 | ダイヤモンド・オンライン

日本調剤・三津原社長  薬局3万軒に削減されても「勝ち残ろうと考えている」 | 【PNB】PHARMACY NEWSBREAK-薬局・薬剤師のためのニュースメディア

また薬局・薬剤師のあり方を議論する中で、認定 NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長の山口さんが、このような発言をしています。

山口さん

山口さん

多職種連携の評価と、在宅を含めて薬剤師が薬局の外へ出ていく。そして、地域包括ケアシステムの中で貢献するということをきちんと位置づけて、それらに取り組まない薬局・薬剤師は、かかりつけ薬局・薬剤師ではありませんという方向性にしていくべきではないかと思います。

これは今後の薬局は機能分化していき、下記の4つに分類されるといわれています。

  1. 専門医療機関連携薬局
  2. 地域連携薬局
  3. 専門医療機関連携薬局+地域連携薬局
  4. それ以外の薬局

上記の山口さんの示している薬局が、地域連携薬局であると考えると、地域連携薬局は中学校区域に2~3軒程度あればいいだろうと考えられており、日本の中学校の数が約1万なので、必要な地域連携薬局の数は3万軒程度となります。

現状、在宅などを行っていない、処方箋枚数が平均以下の薬局は今後、生き残るが困難と言われています。

キャリアを考えるうえで必要なこと

なんか色々と書きましたが、キャリアについて考えるうえで必要なことがあります。

「自分の幸せ」が何かを考え抜くこと、そして考える際は、今の環境をベースにして考えるのではなく5年後、10年後の理想の状態で考える。

上記は、ファーマスタイルのなかでカケハシの中尾社長が言っていた内容で、私的に解釈するなら「自分を知ること」ですかね。

「頑張ってはいるんだけどなぜかもやもやする。満たされない。」
「本当の安定って何なんだっけ?将来が漠然と不安。」
「自分に自信がなく、強みが分からない。」
「仕事に夢中になりきれてない。自分は何がしたいんだろう。」
「家庭も仕事も両立したいが、自分に合った選択が分からない。」

上記のなかで当てはまるものがあり、悩んでいる時間が長い方は一度プロとご相談してみてはいかがでしょうか。

また自分たちが働く業界についても知ることが大切です。薬剤師という職業はやはり外部からの影響(診療報酬など)にされることは働いて、気づくことかと思います。

業界に関する知識も豊富でキャリアについての相談にも対応可能な人材紹介会社を頼るのもひとつの手だと思います。

\ 悪質な転職サイトは利用しないで /

薬剤師が転職する際に利用する人材紹介会社(転職エージェント)、どこも同じだと思っていませんか?

現在、国は医療の分野において紹介料目当てで頻繁な転職を促す悪質な人材紹介会社への対策を強化しています。

るるーしゅ

るるーしゅ

悪質な人材紹介会社の利用は、ミスマッチする可能性が高いです。

このような悪質な人材紹介会社には絶対に相談してはダメです!!(悪質とは言っても国の許可を得ているという矛盾もありますが…)

薬剤師が、キャリア相談や転職時に、転職エージェントを利用する場合は、適正な有料職業紹介事業者の認定を受けている転職エージェントを利用しましょう。

薬剤師の分野で優良認定を受けているところは、ファルマスタッフ、その他数社とまだ少ないです。

悪質な人材紹介会社がどこか分かれば対策しやすいのですが、そのような情報はなかなか表に出てきません。なので我々としては、優良認定を受けているところを優先するのが望ましいでしょう。

オマケ:わたしが妻の妹に言われたこと

今回は薬剤師のキャリアについて記載しましたが、私が妻の妹がわたしの家に遊びに来た時に言われたことを思い出します。

くすりの本ばっかりでビジネス書が全くない!!

妻の妹は、バリバリ働くキャリアウーマンだからと当時は思ってましたが、今考えると雇われ力について考えていない甘ちゃんだったんだなとすごく思います。

キャリアデザインとは、「自分の職業人生を自らの手で主体的に構想・設計すること」であり、必ずしも就職・転職活動とは関係なく、常日頃から将来のキャリアゴールを描き、そこに向けて自身のエンプロイアビリティを高めるための計画を立てることです。しかしながら、国家資格を有する専門家ゆえに、専門職能の向上には関心は高いものの、キャリアデザインの考え方や手法への関心は低く、大学教育の中でそれらが扱われることはほとんどありません。

2019年、日本薬学教育学会のシンポジウム
多様化の時代に求められるキャリアの考え方より

まさにこれですね…

今回のブログでもし、キャリアについて考えなきゃなと少しでも思っていただけたり、若手にもサポートしなきゃと思っていただければ幸いです。

具体的になにをしたらいいの?と思ったら…

るるーしゅ

るるーしゅ

キャリアについて考えるっていっても何しよう?と思った方は下記を参考にしてみてください。
早い段階でキャリアを考えることで日々の行動や視点が変わります。同じ体験をし、同じものを見ていても、得られるものには違いがでてきます。

そして、キャリアについて考える必要があるのはわかったけど、キャリアについて考えるってもう少し具体的に知りたいってかたは以下の記事を参考にしていただければ幸いです。

\ 薬剤師の転職相談満足度96.7% /

るるーしゅ

るるーしゅ

今の職場で働き続けていいのか悩んだら、まずはファルマスタッフの専門家に相談してみることが大切です。

転職サービスに登録したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。

まずは転職市場に自分を出してみて、どのくらいの会社からオファーがもらえるのかを確認してみるといいです。

そのうえで魅力的なオファーがあれば転職を考え、見つからなければ現職でのスキルアップに注力するという選択もあります。

自分がどうなりたいのか、どうなれるのかを常に考えながら、目の前の仕事を通じてキャリアを形成していくことが大切です。

まずは目の前の仕事においてできることと、自分自身の市場価値を確かめることから始めてみるのがよいと思います

るるーしゅ

るるーしゅ

私自身も不安があり、客観的な視点でプロに評価してもらい、選択肢が広がりました。(記事はコチラ

💊 ファルマスタッフ

公式 https://www.38-8931.com/

今、国は悪質な転職サイトの規制を強化しています。転職サイト利用の際は、ファルマスタッフのような優良認定を受けているところを利用しましょう。

るるーしゅ

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るるーしゅ

るるーしゅ

薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
今後の業界の変化に対応できるように、業界情報や専門的なスキル、そして薬剤師としての働き方などについて情報発信していきます。
初めてのかたへ

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2 件のコメント

  1. 薬学生時代からブログを拝見しております。現在4年目で結婚を機に大手薬局がほぼ皆無の地方に引っ越し、零細薬局に勤めています。
    現在の薬局は「後発加算や在宅は患者や医療機関とのトラブルの元になるから算定・実施せず代わりに薬価差益を出すように」「検査値関連は医師の仕事であり薬剤師が口を出すことではない、検査値付き処方箋でも検査値関連で疑義照会しないように(アルサルミンが透析患者に処方され疑義照会を行おうとしたところ疑義の必要なしと注意された経験があります)」と薬剤師免許持ちの経営者から指導されており現在求められている薬局および薬剤師の在り方とは真逆で近い将来淘汰されるのでないかと危機感を覚えています。
    近隣の病院は往診も行っており在宅業務を行える人員の余裕もありますが経営者が在宅業務に関して後ろ向きで他グループの薬局に患者をごっそり取られています。
    処方箋通り薬を揃えテンプレ通りの服薬指導を行うだけで残薬調節や併用禁忌以外で疑義照会をすることはほとんどなく完全にぬるま湯状態です。服薬指導でうっかり下手なことを言うと処方医及び経営者から怒られるため患者様から何か聞かれても処方医に確認してくださいとしかお伝えできないのが本当に歯痒いです。
    このままでは今後生き残れる薬剤師になれないと感じており文献や処方解析等で自己学習をしていますがDo処方ばかりで限界があります。
    店舗異動をお願いしましたが玉突き異動で他のスタッフに迷惑がかかるため無理だと断られました。
    リクルーターに相談した所全国有数の薬剤師が多い地域でコロナも相まって求人もほとんどなく転職も容易ではありません、現在募集がかかっているところは今以上にレベルが低い所とハッキリ言われました。家族がいるため大手のナショナル社員になるのも不可能です。
    このままでは自己学習で知識を付けてもうまく活かせない単なる頭でっかちになりそうです。何かアドバイスを頂けたら幸いです。

    • >匿名さん

      コメントありがとうございます。
      久々のコメントで嬉しい上に、学生時代から見ていてくれているということで
      めちゃくちゃ嬉しいです。

      今いる環境についてですが、確かに4年目の薬剤師がこのまま居ていい職場とはいいづらいですね(汗)

      まず職場探しについてですが、面倒かもしれませんが複数の人材紹介会社に登録して担当者といい関係を築いておくことが有用です。
      これは、担当者が求人情報を手に入れたときに「〇〇さん、こういう職場探していたな」とすぐに思い浮かべてもらうためにですね。
      (失敗しない転職系の本で読みました)

      あとは薬剤師の交友関係を広げておくってのもいいと思います。
      SNS等のゆるいつながりで、職場がみつかるってこともありますし、私も自分の会社に某独身の薬剤師を入れようと思ったことあります。
      (失敗に終わりましたが…)

      知識面に関しては、アウトプットしなきゃなかなか蓄積しないものですので、ブログ等でもアウトプットする習慣はあってもいいかもしれません。
      わたしも昔は、匿名さんと同じような職場でしたがブログ始めてアウトプットしてたら、イイカンジに運がまわってきましたからね。
      その他でもブログ等でアウトプットしてたら、イイカンジになったって人、何人かいますし。
      知識面に関しては、リアルで活用できないと頭でっかちになるのは仕方ないですが、そこはもう頭でっかちで何が悪いの?という逆ギレでいいんじゃないですかね

      まとめです。

      ①転職活動は継続的に行うべし
      ②交友関係を深めるために勉強会や学会など積極的に参加
      ③仕事でアウトプットできないのであれば別の場所でアウトプットする習慣を

      う~ん、あまり参考にならないアドバイスかもしれませんが、ご了承ください。

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