本内容は動画でも解説しています。
「毎日毎日、仕事疲れたな、そういえば以前より患者さんに親切な対応ができていないな…」
こんなことを自覚している薬剤師の方、いませんか?
もしかしたら、バーンアウト(燃え尽き症候群)のサインかもしれません。
薬剤師の多くは、バーンアウトと聞くと、やる気が全く出ない、燃え尽きた状態をイメージするかもしれません。
しかし、バーンアウトはそれだけではありません。
例えば、患者さんに親切な対応ができていないと自覚しているのに改善できない状況も、バーンアウトに該当することがあります。
このような状態が続くと、仕事が嫌になってしまい転職、もしくは薬剤師自体を辞めてしまうこともあります。
今回は仕事に疲れてバーンアウトしかけている薬剤師へのアドバイスを解説していきます。
目次
バーンアウトについて
それでは、まずバーンアウトの定義について簡単に紹介します。
「MBI(Maslach Burnout Inventory)」によると、バーンアウトになってしまうと、まず、①情緒的消耗感が出現し、続いて②脱人格化が起こり、さらに進むと③個人的達成感の低下が起こります
①情緒的消耗感
情緒的消耗感とは、「仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし消耗した状態」 と定義されている、バーンアウトの主症状です。
- 処方箋の確認や調剤作業に集中できない。
- 患者さんへの説明やアドバイスが適切でなくなる。
- 薬剤師としての役割や責任を果たす意欲が減退する。
るるーしゅ
親切な対応しなきゃと分かっていても余裕がなくて…っていうのがここに該当するかもしれないです
②脱人格化
脱人格化とは、 「相手に対する無情で非人間的な対応」 と定義されています。
- 患者さんや同僚に対する無関心や冷淡な態度。
- 職場の人間関係に対してストレスや不満を抱えるようになる。
- 患者さんやチームのために努力することが煩わしく感じる。
るるーしゅ
SNS等で炎上や暴言等吐いている薬剤師ももしかしたら、バーンアウトしているのかもしれないです。
③個人的達成感の低下
個人的達成感とは、 「職務に関わる有能感、達成感」 と定義されています。
- 調剤ミスが増えるなど、業務の質が低下する。
- 以前はできていた業務ができなくなる。
- 薬剤師としての自信喪失や、達成感が得られなくなる。
自分もしかしたら、バーンアウトしているかも?と思った方は、以下のウェブサイトでチェックしてみてはいかがでしょうか?
疲れた薬剤師が増えている?
さてバーンアウトの定義を解説したところで、仕事に疲れたバーンアウトしかけている薬剤師が最近増えているのではないか?と個人的に思うので、その理由について解説していきます。
こちらは薬剤師向けの業界紙であるファーマシーニュースブレイクの記事です。ざっくりと記事内容を解説すると、薬局に来局した患者にアンケートしたところ、ここ10年間で薬剤師の対応を親切と感じる患者の割合が半減したことが挙げられています。
この内容については正直、色々と思うところはあります。(昔が過剰サービスだけだったのかもしれない等)
ただ、わたしの肌感覚で疲弊して情緒的消耗感がでている薬剤師が多いのではないかな?と思うことがあります。
それは医薬品の供給問題です。
後発医薬品の供給問題で、日々入ってくる銘柄が異なるということもありますから、処方箋入力に時間がかかり(今、薬局に在庫している銘柄がなにか確認しなきゃいけない)、患者さんの待ち時間が増えてしまい、文句を言われてしまったなんてことは最近多いですよね。
そして、流通がほぼされていない医薬品の処方箋を受け取った際に、患者さんに不適切な対応をしてしまい自己嫌悪を陥ってしまう、でもそれがだんだんと何とも思わなくなってきて…とかありますよね。
バーンアウトの可能性のある場合はどうすれば?
バーンアウトの自己チェックをしてみて、バーンアウトの可能性がある場合の対応(治療)を簡単に説明します。
ずばり、仕事量を減らして、休息するようにしましょう。「疲れているな」と自覚したら、積極的に休養をとるようにしましょう。
長時間労働もリスクと言われていますので、なるべく残業をしないようにすることも必要です。
とは言っても、残業したくてしているケースは稀だと思いますので、上司などに相談して、忙しくない薬局に異動するなどの提案もしてもいいかもしれません。
るるーしゅ
会社がなんといおうと、自分の健康を優先しましょう
まとめ
今回は、日々の業務に疲れた薬剤師が、もしかしたらそれはバーンアウトのサインかもしれないということを解説しました。
「もしかしたら自分も…」という場合には、まずはバーンアウトの自己チェックしてみてはいかがでしょうか。
医薬品の供給問題はもちろんですが、薬剤師に求められているものが変化しつつあり、ストレスを強く感じてしまうことも多いと思います。
これを機会に無理のない薬剤師としての働き方を考えてみてはいかがでしょうか?