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バクタの小型錠って需要あるの?と思ったので調べてみた

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バクタ配合錠の小型化?

2020年8月28日に塩野義製薬の子会社であるシオノギファーマが、バクタ配合錠の小型錠剤形追加の製造販売承認申請をしたとのニュースがありました。

私も小児科、耳鼻科の門前で勤務していた期間が長かったのでバクタ配合錠の錠剤の大きさ(11㎜)は知っていたので、小型化するのはいいじゃんと思ってたのですが、よく読んでみると…

1錠の直径を6mmに小型化し、その錠剤を4錠服用することで従来の1錠分に相当する製剤を開発

アダラートCR錠が小型化したのと同じ印象で受け取ってしまいましたが、バクタ配合錠の場合はそうではなくて小さい規格を製造するっていう意味のほうが近しいかと思います。

とここで、いったん4コマ挟みます。

小型化に需要があるのか?

私自身、SNSでバクタ配合錠が小型化するけど、4錠飲まなきゃいけない程度の知識で、「それって需要あるの?」と思ってしまいましたが、シオノギファーマのプレリリースを読むと色々記載がありました。(ちゃんと読まなきゃダメですね…)

バクタ®配合錠は1967年に塩野義製薬から発売され、2019年6月に当社へ製造販売承認の承継が行われました。適応症は、「肺炎や尿路感染症などの一般感染症」に加えて、2012年に学会要望に基づいた公知申請により「ニューモシスチス肺炎の治療および発症抑制」が追加となりました。

 バクタ®配合錠の直径は11mmと,小児や高齢者が服用するには若干大きく、免疫抑制剤や抗がん剤で治療中の小児患者さまでは、ニューモシスチス肺炎の発症抑制目的で投与する際に、服薬に抵抗を示される問題がありました。

 このような背景をふまえ、国立成育医療研究センターよりバクタ®配合錠の改良に関する相談があり、服薬コンプライアンスの向上を目的とした3者間での共同研究開発の結果、国立成育医療研究センターでは子どもが服用可能な製剤の大きさや苦みに関する検討、塩野義製薬CMC研究本部において製剤化、シオノギファーマにおいて製造方法の検討がなされ、1錠の直径を6mmに小型化し、その錠剤を4錠服用することで従来の1錠分に相当する製剤を開発し、製造販売承認申請に至りました

シオノギファーマ”合成抗菌剤「バクタ®配合錠」の小型錠剤形追加の製造販売承認申請のお知らせ””2020.8.28より

つまり、こういうことですね。

るるーしゅ

るるーしゅ

そう、すべては患者さんのため…なんだけど、このバクタを取り巻く過去の情報とかも知っておくといいと思うよ

バクタの服薬に関する研究論文など

紹介する文献は医中誌で「ST合剤」「服薬」で検索し、わたしがバクタの服薬に関係したものです。

ゼリー製剤にしてみた研究

梅田英子, 錦戸咲子, and 山本佳奈代. “子どもの苦痛を和らげる内服援助–ゼリー製剤への剤型工夫を試みて.” 小児看護 27.2 (2004): 225-228.

るるーしゅ

るるーしゅ

バクタの服薬について患児へアンケートし、ゼリー製剤にして服薬アドヒアランスを向上させたという内容。
患児がバクタが嫌いな理由は、形が大きい舌触りが悪い苦い見た目が嫌

見た目が嫌って、もう生理的に受け付けないレベルですよね…
それはそれでバクタがかわいそう

メガネ

メガネ

るるーしゅ

るるーしゅ

こういう回答を子どもがしてしまう背景ってのも少し考えてみるのもいいかもしれないね

中断によりニューモシスチス肺炎を発症した事例

平山 雅士ら、”ST合剤の中断によりニューモシスチス肺炎を発症したALLの2例”日本小児科学会雑誌 (0001-6543)113巻6号 Page1021(2009.06)

るるーしゅ

るるーしゅ

これはタイトルだけなんだけど、十分伝わる内容だよね

チームで、バクタ顆粒に立ち向かった研究

池田真弓, 廣田美穂, and 岡田寿里. “バクタ配合顆粒と食品を混ぜた時の苦味の程度に関する調査.” 信州大学医学部附属病院看護研究集録 41.1 (2013): 12-16.

るるーしゅ

るるーしゅ

バクタ顆粒が苦いため、どうすれば飲みやすくなるかを看護師、薬剤師、医師で色々試した研究。

はちみつ、ココア、練乳、チョコクリーム、練り梅、のりの佃煮、バニラアイスの順

カプセル充填機を用いた研究

田中裕章, 渡邊政博, and 元木貴大. “化学療法中の患児に対するアドヒアランス向上についての検討: 簡易型カプセル充填機を用いた ST 合剤カプセル化の有用性について.” 日本薬剤師会雑誌= Journal of the Japan Pharmaceutical Association 68.1 (2016): 41-43.

るるーしゅ

るるーしゅ

簡易型カプセル充填機により調剤の効率化やアドヒアランスの向上に寄与したという研究

薬剤師の方、是非これだけでも読んで

上記で色々紹介しましたので、医療者がバクタ配合錠および顆粒で色々苦労してたんだなということは伝わったかと思います。(それ以上に大変なのは、服薬しなければいけない患児であることは間違いありませんが)

そして医薬品に携わる薬剤師の方々は是非とも下記の文献にも目を通していただければ幸いです。

横幕真紀. “小児製剤への期待.” 薬剤学 75.1 (2015): 15-21.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpstj/75/1/75_15/_article/-char/ja

今回のバクタ配合錠の小型化も、薬局薬剤師からするとあまり身近ではないため、私のように「それ意味あるの?」と思ってしまうかもしれませんが、やっぱりこういうのって大切だなと思いました。

るるーしゅ

るるーしゅ

うまく言語化できなくて、本当にごめんなさい

こちらの名言は塩野義製薬ではなく、MSDのメルク社長のものですが、個人的に気に入っています。

今回のバクタ配合錠の小型化も利益のためではなく、人々のためであったんだろうなと凄く伝わってきます。きれいごとばかりではやっていけないのはわかっていますが、たまにはこういうのもいいのかなと思いました。

るるーしゅ

るるーしゅ

薬剤師歴15年目に突入しました!!
まだまだ勉強不足なので賢い皆さん色々教えてください。
あまり勉強していないよという方は一緒に学んでいきましょう!

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