えっ?規制改革で薬局業界、大きな変化起きそうなんですが…

市中肺炎に使う抗菌薬は?第107回薬剤師国家試験から考える

先日、第107回の薬剤師国家試験が行われたようで受験された方、お疲れ様でした。無事に受かっているといいですね。

今回は、この第107回薬剤師国家試験の問題でTwitterで話題になっていた問題があったので考えてみました。

68歳 女性 痰を伴う咳、発熱、悪寒、息苦しさ、倦怠感を訴え、かかりつけ医を受診した。

(身体所見)
体温38.5℃、経皮的動脈血酸素飽和度(SPO2)94%、心音異常なし、呼吸音 左肺前胸部に水泡音、胸部X線 肺浸潤影あり

(検査所見)
白血球数 16,000/μL、CRP4.8mg/dL

副作用歴 ペニシリン系抗生物質により発疹

以上の情報から、市中肺炎と診断された。

この患者に推奨される抗菌剤はどれか。2つ選べ。

  1. クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物配合錠
  2. レボフロキサシン水和物錠
  3. ホスホマイシンカルシウム水和物錠
  4. カナマイシン一硫酸塩カプセル
  5. アジスロマイシン水和物錠

問題とから考えると、

1は副作用歴があるので使用できない、3、4は肺炎に適応なしなので消去法で2と5が正解なんだと思います。シンプルな問題じゃんと思うかもしれませんが、何故感染症の専門の薬剤師の先生がモヤモヤしたのかを全然専門でもないイチ薬局薬剤師として考えていきます。

抗菌薬使用の思考として

抗菌薬を使用する際の注意点として病名に紐づけて抗菌薬を選ぶというのは、ダメって言いますよね。

  • どのような免疫状態の患者で
  • どの部位の
  • どのような微生物による

感染症なのか、だから

  • この抗菌薬を
  • この用量で
  • この期間

投与する、という治療が必要である。

矢野晴美,絶対わかる抗菌薬はじめの一歩より

こんな感じで考える必要がありますよね、今回は市中肺炎と診断がついていますので原因微生物が何か?というところが話題になったポイントではないかと思います。

市中肺炎の原因微生物の代表は肺炎球菌

市中肺炎の原因微生物としては、肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、モラキセラ・カタラーリス、レジオネラとかがありますが一番頻度が高いのが肺炎球菌によるものです。

そして日本では肺炎球菌はマクロライド系に耐性があるため、第一選択薬としては推奨しないらしいです。(JAID/JSC 感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症―2014年より)

ちなみに非定型肺炎ならマクロライド系が第一選択薬でいいのですが、問題文からそんなに非定型肺炎っぽくないんですよね。

市中肺炎における細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別

1.年齢 60 歳未満
2.基礎疾患がない,あるいは,軽微
3.頑固な咳がある
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない.あるいは,迅速診断法で原因菌が証明されない
6.末梢血白血球数が 10000/mm3 未満である

上記 6 項目を使用した場合
6 項目中 4 項目以上合致した場合 非定型肺炎疑い
6 項目中 3 項目以下の合致 細菌性肺炎疑い
この場合の非定型肺炎の感度は 77.9%,特異度は 93.0%

ペニシリンアレルギーもあやしい

上記より細菌性肺炎っぽいので、そうなると一番頻度が高い肺炎球菌からアジスロマイシンを推奨できるかというと怪しいですよね。

でもペニシリン系抗生物質により発疹の副作用歴あるから、クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物配合(オーグメンチン)は使いづらいですよね…

るるーしゅ

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この副作用歴も悩ましいですよね…

レボフロキサシンも安易な使用に注意

あとレボフロキサシンも日本は結核がある国なので、結核を否定しないでキノロン系使うのは注意ですという話もありますよね。

最後に

SNSで話題になっていたように、しっかり考えてみるとモヤモヤする問題でしたね(私の見解でモヤモヤしているのかは分かりませんが)

とりあえず実際の現場で、処方元の先生から「こういう感じなんだけど、どの抗菌薬使えばいいかな?」と相談受けた際に、「アジスロマイシンで」と回答するのは違うような気がしますよね。

るるーしゅ

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そろそろ岩田先生のプライマリケアの抗菌薬の本が発売されるから、それでまた勉強しなきゃな~と思います

るるーしゅ

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