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個人情報漏洩の際は、報告が義務化
少し時間が経ってしまいましたが2022年4月から施行される個人情報保護法の中で、薬局でマジで注意しなきゃいけない点がありますので、薬局で勤務する方は絶対知っておいてください。
るるーしゅ
管理薬剤師はもちろんだけど、普通のスタッフもマジで知っておいてください。
では、ゼッタイ知っておいてほしい内容は何かというと、これです。
今までは努力義務だったものが、2022年4月からは義務化されたということです。
改正前 | 改正後 |
---|---|
個人情報保護委員会に報告及び本人通知 するよう努める(委員会告示) | 漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれが 大きい場合に、個人情報保護委員会への報告及び 本人への通知を義務化する(法第26条) |
小さい薬局では関係ない?
個人情報を漏えいさせるというと、先日のサンドラッグの個人情報流出のニュース(上記画像)が思い浮かんで、うちの薬局ではECサイトやってないから大丈夫と思うかもしれませんが、それは甘いです。
それは、要配慮個人情報を漏えいしたら報告の義務の対象になるからです。
要配慮個人情報とは?
個人情報保護法において「要配慮個人情報」とは、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして次の①から⑪までの記述等が含まれる個人情報をいう。
- 人種
- 信条
- 社会的身分
- 病歴
- 犯罪の経歴
- 犯罪により害を被った事実
- 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害があること
- 疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査の結果
- 健康診断等の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと
- 刑事事件に関する手続が行われたこと
- 少年法の保護事件に関する手続が行われたこと
るるーしゅ
薬局で主に関係するのは⑨ですね。
個人情報保護法FAQでも紹介されています。
Q
A
診療又は調剤に関する情報は、全て要配慮個人情報に該当しますか。
本人に対して医師等により行われた健康診断等の結果及びその結果に基づき医師等により行われた指導又は診療若しくは調剤が行われたことは、要配慮個人情報に該当します(施行令第2条第2号及び第3号)。
具体的には、病院、診療所、その他の医療を提供する施設における診療や調剤の過程において、患者の身体の状況、病状、治療状況等について、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者が知り得た情報全てを指し、診療記録や調剤録、薬剤服用歴、お薬手帳に記載された情報等が該当します。
また、病院等を受診したという事実及び薬局等で調剤を受けたという事実も該当します。
上記を具体的に記載すると、以下のものが該当します。
- 薬袋(患者氏名と薬品名が記載されている)→処方内容、薬局で調剤を受けたという事実
- 薬情(患者氏名と薬品名が記載されている)→処方内容、薬局で調剤を受けたという事実
- おくすり手帳のシール→処方内容、薬局で調剤を受けたという事実
- 領収書→薬局で調剤を受けたという事実
- 明細書→処方内容、薬局で調剤を受けたという事実
- おくすり手帳→処方内容、副作用歴、薬局で調剤を受けたという事実
るるーしゅ
漢方薬を箱のまま、その上に住所貼って患者さん宅に郵送とかも処方内容の漏えいと捉えられるのでやめましょうね…
要配慮個人情報は件数に関係なく、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知する必要があります。
わたし自身も同姓同名の人に誤ってくすり渡してしまったことがあります。おくすり手帳のシールを違う人のおくすり手帳に貼ってしまったこともあります。薬情が印刷されてないと思ったら、ひとつ前の薬情5枚くらいある人の中に紛れていたこともあります。
るるーしゅ
マジで注意しましょう。SNSにあげるとか論外
ちなみに漏えいしてしまった際の対応は、自分で調べるか、本記事を作成するのに参考にした保険薬局協会の資料を参考にしてみてください。
薬局で働くすべての人に
おくすり手帳のシール1枚渡し間違えたくらいで、大袈裟な…と思うかもしれませんがそういう時代じゃないんですよ。
とはいっても、ルールに対して現場が追い付いていない感をものすごく感じますが、本当に注意しましょうね。
るるーしゅ
わたしたち、薬局で働く人たちが取り扱う情報はとてもデリケートであることを、管理薬剤師だけではなく、スタッフ全員に共有しましょう。
さきほど紹介した日本保険薬局協会の資料に要配慮個人情報の漏えい等の発生防止のポイントの例が掲載されていました。
- 正しいリスク認識を持つ
- 正しい責任認識を持つ
- 正しい手順を身体で覚える
本内容は、知らなかったでは済まされませんので適切に対応しましょう