本内容は動画でも解説しています。
新しい仕事を始めるのはわくわくしますが、圧倒されることもあります。入社後、3カ月や半年という短い期間で薬局が嫌になってしまい、辞めたくなる気持ちを抱える薬剤師も少なくありません。
辞めたいという気持ちと、入社後すぐに仕事を辞めることへの不安がせめぎ合い、大変な心境だと感じることでしょう。
入社後すぐに仕事を辞めることへの不安
- せっかく入社したのに…
- 家族を不安にしてしまうのでは?
- 短期間での転職が履歴書に悪い印象を与えるのでは?
- 新たな職場でまた同じ問題に直面するかも?
- この業界狭いので上司や同僚から悪い評判が広まったり?
- 自分が問題を解決できるかどうかの自信がない
- また転職活動や面接に対する不安
- 新たな環境への適応力を疑問視する
入社後すぐに辞めることへの不安に対して、大丈夫だよとは言い切れませんが、まず優先するべきことは、無理をせず、自分の心身の健康を第一に考えることです。
この記事では、入社後すぐに辞めたくなった薬剤師に対し、無理せず辞めても良い理由やその後の転職活動についてアドバイスをお伝えします。
目次
すぐに退職を考えたほうがいいことも
まず、これから紹介するような環境で働いていて、辞めたいなと思っているならそこまで悩んだりせず、さっさと退職していいと思う職場です。
会社が倒産するなど、経営状態が極端に悪化している場合
会社が倒産するなど、業績が極端に悪化している場合は、その先が見えないため、退職を検討する必要があります。M&Aなどにより、待遇や給与が大幅に変更してしまう可能性もあります。
意図的に虚偽の情報を伝えられ、実際と異なる業務や待遇を提供された場合
入社前に提示された待遇や業務内容が、実際には全く異なる場合、その会社で働き続けることは難しいでしょう。このような場合、上司や人事担当者と話し合いを行い、問題解決を試みることも必要ですが、解決しない場合は退職を検討することも一つの手段です。
上司や同僚からの嫌がらせやパワーハラスメントなど、人間関係が非常に悪い場合
上司や同僚からの嫌がらせやパワーハラスメントなど、人間関係が非常に悪い場合は、職場で働き続けることが困難になる場合があります。このような場合、退職を検討することも一つの選択肢となりますが、まずは相談できる上司や人事担当者に相談することが大切です。相談によって問題が解決されることもあります。
るるーしゅ
つらい職場で働いたほうがメンタル鍛えられるかも?と思うかもしれませんが研究としてはそのようなことはなく、逆にメンタルを病む機会が増えるかもしれません。
薬剤師が今の職場に不満を抱く7つの要因
短期間で転職する場合、面接時に転職理由を聞かれることがほぼ確実です。そのため、具体的かつ説得力のある転職理由を事前に用意しておくことが重要です。しかし、メンタルが病んでいる場合だと、辞めたい理由がコレとうまく言語化できないことも多いです。
そこで、薬剤師が今の職場に不満をもつ内容を紹介していきます。
- 仕事のストレス:過重な業務量と長時間労働が続く厳しい労働条件
事例:処方箋の調剤が終わらず、連日残業が続く薬局で働く薬剤師 - 職場の人間関係:上司や同僚とのコミュニケーションが難しく、ストレスがたまる状況
事例:意見を押し付ける上司や、陰口を言う同僚に囲まれた職場で働く薬剤師 - 薬剤師の役割への不満:専門知識を活かせない仕事が多く、スキルを発揮できないフラストレーション
事例:在庫管理やレジ業務が中心で、薬学の知識を活かす機会が少ない薬局で働く薬剤師 - 給与や待遇:期待に反して低い給与や福利厚生に対する不満
事例:他の薬剤師に比べて給与が低く、昇給も見込めない薬局で働く薬剤師 - 休日や休暇:休みが少なく、仕事とプライベートのバランスが取れない状況で疲れがたまる 事例:休日出勤が多く、家族と過ごす時間が減る薬局で働く薬剤師
- スキルアップの機会が限られる:研修や教育制度が不十分で、キャリアアップが難しい状況 事例:研修プログラムが不十分で、専門分野への進出が難しい薬局で働く薬剤師
- 職場の体制や組織:無駄なルーティンや上下関係が厳しい職場環境でストレスが溜まる
事例:トップダウンの組織で意見が通らず、古い業務方法が続く薬局で働く薬剤師
上記にあげた要因が複数重なって「辞めたい」という気持ちになることが多いのではないかと思います。
無理せず辞めてもいい理由
「他人事だと思って、辞めてもいいなんて気楽なことを言うな、お前らの世代とは違うんだよ」と思う新人薬剤師もいるかもしれません。
確かに私たちの4年生の世代は、引く手あまたの超売り手市場でしたが、現在は都市部の薬局では薬剤師の供給不足は解消されてきています。
そこで、よく考えてみてください。
今の自分に合わない(不満がある)環境で働き続けることと、ここで一回リセットして次の職場で働くこと、どちらが中長期的な視点で見たとき、正解だと思いますか?
わたしは、1回リセットして次の職場で働くことのほうが中長期的に見たらプラスだと思います。
上記の記事で、薬剤師の転職の最適回数は2回と紹介しています。
薬剤師は買い手市場にシフトしつつあるとしていますが、まだ若手の薬剤師は大丈夫です。(年齢が若いというだけで市場価値があるということです)
るるーしゅ
入社後、1カ月以内で辞めてしまった新人薬剤師も知っているけど、いまは立派に働いているからね
入社後すぐに辞めてもいい理由
- 中長期的なキャリアを考えれば、早期の退職なんてたかがしれている
- メンタル病むと、長い期間、影響がでてしまうことも多い
- 年齢が若い薬剤師は市場価値が高い
次の職場で早期退職を防ぐための方法
すぐに辞めてもいいといいながら、このようなことを言うと矛盾していると思われるかもしれませんが、次の職場では早期退職しないように対策をしましょう。
キャリアビジョンをしっかりと考える
早期退職を避けるためには、キャリアビジョンを明確に持つことが重要です。将来の目標や自分がどのような薬剤師になりたいかを考えることで、適切な職場選びや自己成長につながります。
内的キャリアと外的キャリアの両方を考慮することで、バランスの取れたキャリアビジョンを描くことができます。
内的キャリア
内的キャリアは、自分自身の成長や達成感、働くことで得られる充実感や満足感を重視するキャリア観です。
外的キャリア
外的キャリアは、給与や地位、社会的評価など、他者から見たキャリアの評価や成功基準を重視するキャリア観です。
るるーしゅ
キャリアビジョンを考えるには、専門家によるキャリア相談も効果的です。
無料で相談にのってもらえるので、まずは登録してみてはいかがでしょうか?
オススメの転職サイト
- ファルマスタッフ
待遇や年収を優先的に考慮して、多数の薬局やDgsの求人から選びたいときは、ファルマスタッフがおすすめです。その強みは全国、都市部から地方まで対応している点にあります。
あなたの希望条件に一致する求人をコンサルタントが見つけてくれるので、薬剤師の方々が転職活動で良い条件を少しでも見つけるのに役立つでしょう。
入社前に十分な情報収集をする
入社前には、会社の業績や文化、福利厚生などを事前に調べておくことが大切です。また、実際に社員の方と話をすることで、会社の雰囲気や働き方についてより詳しく知ることができます。このように事前に情報収集をすることで、自分に合った職場を選ぶことができます。
るるーしゅ
ちゃんと調べずに入社した方のほうが離職する割合が高いことが示されているので、しっかりと調べましょう。
マイナス面をプラスに転じる
新しい職場で、自分が望まない仕事を任されることがあるかもしれません。しかし、その仕事には自分が身につけたいスキルや知識がある可能性があります。また、その仕事が会社にとって重要であることもあります。そういった観点から、その仕事に取り組むことで成長することができます。
るるーしゅ
私も薬剤師向いていないと思ってましたが、案外真面目に向き合ってみると、「悪くないかも?」と思うことも多いです。
目標を立てる
新しい職場で、自分が達成したい目標を立てることが大切です。その目標に向かって日々努力することで、自分の成長を実感することができます。また、自分が成長することで、会社にとっても貢献することができます。
るるーしゅ
目標を立てて、それを達成するための方法を考える。そして定期的にリフレクション(振り返り)を行うことが大切です。
プライベートと仕事のバランスをとる
新しい職場で頑張りすぎてしまうと、ストレスがたまり、体調を崩すこともあります。そのため、プライベートと仕事のバランスをとることが大切です。自分がリフレッシュできる時間を作ることで、仕事に取り組むモチベーションもアップします。
るるーしゅ
メンタルヘルスはとても大事です。
SNSの取り扱いも注意しましょう。SNSは情報源としては有用ですが、毒になる情報も多く出回っています。
ツイッターでも暴言を吐くアカウントは、フォローしていなくても流れてくると気分を害するのでミュート設定しましょう。
また自分が羨ましく思える情報も注意しましょう。こういう情報は自分がうまくいっていないときに目にすると、嫉妬の感情や自分と比較して情けなく思ってしまうこともあります。
るるーしゅ
SNSでは誰をフォローするかも重要ですが、だれをミュートするかもとても重要です。
学生時代の友人と定期的に連絡を取る
新社会人なので、あなたの職場環境は普通なのか普通ではない(ブラック)なのか判断がつかないことがあります。
なるべく学生時代の同期の友人と定期的に連絡をとり、近況を報告し合うことで自分の状況を客観視できます。
るるーしゅ
もし友人がいないって方は、SNSなどで見つけるというのもアリかもしれません。
最後に
入社後すぐに辞めたくなった薬剤師は、無理をせず自分の心身の健康を第一に考えることが大切です。
若手薬剤師の需要が高いことを利用し、早期の転職で得られるメリットを理解し、適切な転職活動を行うことで、自分に合った職場を見つけることができます
しかし、退職する前には必ず上司や人事部に相談するようにしましょう。相談することで、改善策を見つけることができるかもしれません。退職理由が、自分自身の問題にある場合は、今後の自分の成長のためにも、その原因を解消することが大切です。
るるーしゅ
中長期的なキャリアを意識して考えましょう
と、ここまで背中を押しても、なかなかあと一歩を踏み出せない新人薬剤師が多いのも知っています。
その理由については、以下の転職の思考法で紹介されています。
「いいか。ひとつ問いたい。なぜ、初めての転職が多くの人にとって怖いと思う?」
「そりゃ、転職先が潰れたらどうしようとか、考えるからでしょうか」
「違う。いいか、転職というのは多くの人にとって『初めての意思決定』だからだ。だから、怖いんだ」
「初めての意思決定?」
「そうだ、多くの人は普段、じつは何も意思決定しないで生きている。君は自分で大学を選び、就職先も自分で選んできたと思っているかもしれない。しかし、それは、ただ単に、これまでレールの上を歩いてきただけで、自分で何も決めていない。電車に乗り、目的地に進んでいく。大学であれば世の中からいいといわれる大学を目指し、就職先も、世間的にいい会社を選んできただけ。だがな、意味のある意思決定というのは必ず、何かを捨てることを伴う。これまでの人生で、そんな決断をしたことがあるか?」
転職の思考法より
初めての意思決定だからというのは、本質をついているなと思います。
また転職の思考法では、以下のような名言も出ています。
選択が失敗かどうかは、あくまで事後的にしかわからない。失敗につながる唯一の条件は「覚悟を決めるべき時に覚悟を決められないこと」
転職の思考法より
辞めるにしろ、辞めないにしろ、覚悟を決めてみましょう。
その覚悟を決める上で情報が不足しているようなら、キャリア相談などを受けてみるというのもいいと思います。
\ 悪質な転職サイトは利用しないで /
薬剤師が転職する際に利用する人材紹介会社(転職エージェント)、どこも同じだと思っていませんか?
現在、国は医療の分野において紹介料目当てで頻繁な転職を促す悪質な人材紹介会社への対策を強化しています。
るるーしゅ
悪質な人材紹介会社の利用は、ミスマッチする可能性が高いです。
このような悪質な人材紹介会社には絶対に相談してはダメです!!(悪質とは言っても国の許可を得ているという矛盾もありますが…)
薬剤師が、キャリア相談や転職時に、転職エージェントを利用する場合は、適正な有料職業紹介事業者の認定を受けている転職エージェントを利用しましょう。
薬剤師の分野で優良認定を受けているところは、ファルマスタッフ、その他数社とまだ少ないです。
悪質な人材紹介会社がどこか分かれば対策しやすいのですが、そのような情報はなかなか表に出てきません。なので我々としては、優良認定を受けているところを優先するのが望ましいでしょう。
本記事の情報が、仕事を辞めたいという気持ちと辞めることへの不安に悩む新人や若手薬剤師の皆さんに寄り添い、心の重荷を軽減する一助となれば幸いです。
自分の心身の健康を大切にし、適切な選択をして、充実した薬剤師としてのキャリアを築いていきましょう。