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「かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたい」かかりつけ薬剤師制度で悩む薬剤師にエビデンスに基づいたアドバイス

今回の内容は動画でも解説しています。

かかりつけ薬剤師、やりたくないな~

4年目薬剤師

4年目薬剤師

入社時は、「かかりつけ薬剤師になって、たくさんの患者さんの助けになりたい」とキラキラしていた薬剤師であっても、3年経過すると「かかりつけ薬剤師なんてやりたくない、やめたい」と思っていることが多いのではないでしょうか。

(Before)かかりつけ薬剤師になって、たくさんの患者の健康をサポートしたい(After)かかりつけ薬剤師なんてやりたくない

今回は、かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと悩んでいる薬剤師の方にその悩みを解消するためのアドバイスをエビデンスに基づいて解説していきます。

かかりつけ薬剤師をやりたくない理由

かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたくなる原因となるのは、主に以下の5つです。

24時間対応が大変

かかりつけ薬剤師は、患者の薬に関する相談や問題が発生した際に、365日24時間対応することが求められます。これにより、プライベートや家族との時間が犠牲になることがあり、精神的および身体的な負担が大きくなることがあります。

鈴木友紀乃ら. (2018). ”プライベートに仕事が入り込むことによる影響 – 薬局薬剤師の24時間対応における負担感と育児状況”. 第51回日本薬剤師会学術大会(平成30年9月23日・24日), 演題番号: P-11-19.

上記のポスター発表(優秀賞)では、地域薬局のかかりつけ薬剤師が24時間対応することによる負担感に焦点を当て、未就学児の育児状況との関係を調査・検討しています。

保険薬局の薬剤師217名を対象に質問紙調査を行った結果、24時間対応において最も負担感が高かったのは「過ごし方」で、「内容」や「相手」と比較して有意に高かったことがわかりました。

また、未就学児がいる薬剤師では、自分や家族のための時間に負担感が高く、育児状況によって感じる負担が異なることが示唆されました。このことから、24時間対応によるプライベートの侵襲が薬剤師の負担感を引き起こし、特に育児状況によってその負担感が強く現れることがわかりました。

るるーしゅ

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私も24時間対応の携帯(かかりつけ患者100人ほど)を持っていた時期がありますが、やっぱり落ち着かないもんです。

ノルマによるプレッシャー

かかりつけ薬剤師指導料は調剤報酬の点数が高いことから、毎回、患者に声掛けをして、かかりつけ薬剤師の同意書を100件獲得するといったノルマが設定されている薬局もあります。

かかりつけ薬剤師指導料:76点
服薬管理指導料:59点(45点)

これにより、無理な営業活動や患者獲得に追われることがあり、精神的なストレスが大きくなることがあります。

るるーしゅ

るるーしゅ

ノルマがあることがいけないわけではなく、過剰なノルマがよくないと個人的には思っています

患者との関係性に疲れる

かかりつけ薬剤師は、患者と密接な関係を築くことが求められます。しかし、患者との相性が合わなかったり、患者の要望に対応しきれなかったりすると、人間関係のストレスが増えることがあります。

また、患者の病状に対する心配や患者の家族とのコミュニケーションも精神的な負担となることがあります。

労働条件についての不満

かかりつけ薬剤師の仕事は、24時間対応や患者との距離が近いことから、業務負担が大きいです。例えば、昼休み中にかかりつけ患者が薬局を訪れた際、休憩を中断して患者対応を行うことがよくあります。

しかし、薬局によっては、かかりつけ薬剤師が多くの患者に対応しても、給与にそれが反映されない場合があります。

かかりつけ薬剤師の同意を頑張る薬剤師と、頑張らない薬剤師、どちらも評価があまり変わらないというケースがあります。

これが、労働条件に対する不満の一因となります。

罪悪感に苛まれる

かかりつけ薬剤師をやりたくない理由として、罪悪感に苛まれるということがあります。

特に薬局に一人しか薬剤師がいない場合、かかりつけ薬剤師に同意してもらった場合(かかりつけ患者)とそれ以外の患者で、薬剤師が提供するサービスに差が見いだせないと思い、かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと考える薬剤師も少なくないのではないでしょうか。

かかりつけ薬剤師制度について改めて考えてみる

かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいという理由は働く自分目線で考えたものと、患者さん(社会)目線で考えたもの両方があります。

このかかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいという悩みへの対策を考える上で、まずは前提条件としてのかかりつけ薬剤師制度について考えてみましょう。

薬局薬剤師の半数はかかりつけ薬剤師制度に否定的?

2020年の日本薬学会140年会のポスター発表で、薬局薬剤師300名弱にかかりつけ薬剤師制度の是非についてアンケートを実施したところ、半数近くが否定的な意見だったと報告しています。

潜在的ニーズに対して算定割合が低い?

2022年6月に公開された調剤行為のデータを見てみると、かかりつけ薬剤師指導料の算定割合は2%弱です。

一方で、千葉県船橋市の単一薬局で実施した患者アンケートでは248人中101人(40.8%)がかかりつけ薬剤師制度を利用したいと回答しています。(費用があがる旨は説明済み)

石村淳, and 富崎まゆみ. “「かかりつけ薬剤師」 制度に関する患者意識調査.” 薬局薬学 14.1 (2022): 70-76.

単一の薬局の研究であるため、地域差等あるかもしれませんが、現状の2%というのは患者側の費用が高くなってもかかりつけ薬剤師が欲しいというニーズに応えられていない可能性があります。

かかりつけ薬剤師は患者ベネフィットがあるのか?

この記事では、かかりつけ薬剤師は、かかりつけでない薬剤師に比べて、服薬チェック、患者への情報提供、処方箋の問題点の特定を行う可能性が高いという研究結果を紹介しました。

かかりつけ薬剤師をやらない、やめる方法

かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと思う人はどうしたいですか?納得して今の状況のまま続けてみますか?それとも適切な量、方法に変更してもらいますか?やっぱりかかりつけ薬剤師はやりたくないですか?

かかりつけ薬剤師制度には一定の価値があることが理解できたでしょうか?

それでも、「かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたい」と考える方を無理に引き留めるつもりはありません。薬剤師として働くことが、必ずしもかかりつけ薬剤師を担当しなければならないわけではありません。

ただ、「かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたい」と悩んでいる方は、薬局や会社の方針と自分の考え方が合わないために悩んでいるのではないでしょうか。

上司や同僚、先輩に相談する

信頼できる上司や同僚、先輩に職場環境の改善や患者との接し方について相談してみましょう。彼らの経験やアドバイスが問題解決につながることがあります。

例として、24時間対応の携帯電話も上司を含め輪番体制になったり、もしくはコールセンターを契約してもらったりといった対応で無理のないかかりつけ薬剤師業務になる可能性があります。

マニュアルの見直しをする

職場で定められている業務マニュアルの見直しを行い、業務の効率化や改善ができる点を話し合いましょう。これにより過度な業務負担が減り、かかりつけ薬剤師をやめたいと思う気持ちが解消されることがあります。

勤務先を変更する

かかりつけ薬剤師業務の負担が大きい場合、別の薬局への勤務先変更を検討してみてください。

新しい勤務先では労働条件や職場環境が改善されることがありますが、変更前に新しい職場の状況を調査することが重要です。

るるーしゅ

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メンタル系の門前では、かかりつけ薬剤師業務の負担が大きいということはよく耳にします。

働き方を見直す

フルタイムでの勤務が難しい場合、パートタイムや契約社員、フリーランスといった働き方を検討してみてください。ただし、雇用形態によっては給与や福利厚生が変わることがあるため注意が必要です。

キャリアプランを考える

薬剤師としてのキャリアプランを見直し、これまでの経験を活かした新しいキャリアプランを立ててみましょう。直ちにかかりつけ薬剤師をやめるのではなく、今後どのような働き方が自分に合うか考えることが大切です。

るるーしゅ

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キャリアを考える際には転職エージェントを利用するのがオススメです。

\ 悪質な転職サイトは利用しないで /

薬剤師が転職する際に利用する人材紹介会社(転職エージェント)、どこも同じだと思っていませんか?

現在、国は医療の分野において紹介料目当てで頻繁な転職を促す悪質な人材紹介会社への対策を強化しています。

るるーしゅ

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悪質な人材紹介会社の利用は、ミスマッチする可能性が高いです。

このような悪質な人材紹介会社には絶対に相談してはダメです!!(悪質とは言っても国の許可を得ているという矛盾もありますが…)

薬剤師が、キャリア相談や転職時に、転職エージェントを利用する場合は、適正な有料職業紹介事業者の認定を受けている転職エージェントを利用しましょう。

薬剤師の分野で優良認定を受けているところは、ファルマスタッフ、その他数社とまだ少ないです。

悪質な人材紹介会社がどこか分かれば対策しやすいのですが、そのような情報はなかなか表に出てきません。なので我々としては、優良認定を受けているところを優先するのが望ましいでしょう。

かかりつけ薬剤師をやらない、やめる際の注意点

かかりつけ薬剤師をやらない、やめることで、ストレスや責任から解放されたり、自分のライフスタイルに合った働き方が選べるようになりますが、以下のことに注意しましょう。

会社からの評価が下がり、キャリア形成に影響を及ぼす

かかりつけ薬剤師をやめることで、会社からの評価が下がり、キャリアアップや昇給に影響を与える可能性があります。

かかりつけ薬剤師として多くの患者対応を行うことは、評価につながる実績となりますが、それがなくなると評価が下がる可能性があります。

るるーしゅ

るるーしゅ

会社からの評価を取るか、それともライフワークバランスを優先するかの選択になるとつらいですよね。

勤務先の変更、働き方を見直す、キャリアプランを考える、すべてに関係しますが、転職を検討するというのもひとつの手だと思います。

かかりつけ薬剤師指導料を算定するには、事前に施設基準の届け出が必要です。令和元年とすこし前のデータ(第59回診療報酬改定結果検証部会)になりますが、かかりつけ薬剤師指導料の施設基準を届けていた薬局は53.6%だったという報告があります。

つまり、かかりつけ薬剤師制度はまだやらなくてもいいと思っている薬局はまだまだ多いということです。

あなたが「うちの会社は、かかりつけ薬剤師をとるようにしているけど、わたしはやりたくない、どうしよう?」と頭を抱えて悩んでいるくらいなら、別の薬局に転職したほうがいいかもしれません。

るるーしゅ

るるーしゅ

会社の評価ポイントと自分の大切にしている価値観がずれている場合、働き続けるのは結構大変です。

最後に

今回は、かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと悩む薬剤師のために、理由と対応方法について説明しました。

個人的な意見として、対物から対人へとシフトしている現状を考慮し、ライフワークバランスを保ちながらかかりつけ薬剤師として働いてほしいと思います。

しかし、かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと悩む背景には、薬局側の問題(会社の方針や薬局内の問題、患者側の問題)があることがよくあります。

かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたいと悩んでいる方は、まず自分の理由を整理し、適切な対処方法を見つけるために、具体的な方法や注意点を参考に行動してみましょう。

るるーしゅ

るるーしゅ

まずは問題や自分の感情を客観視するために、紙をスマホに書き出してみましょう。

「かかりつけ薬剤師をやりたくない、やめたい」という理由で、この記事にたどり着いているあなたは、かなり負の感情に支配されているのではないでしょうか。

「薬局に行きたくない…」「辞めたい…」という気持ちで頭がいっぱいになり、落ち込んだり、寝る前に悩みが尽きず眠れないような辛い日々を過ごしていませんか?

精神的に余裕があるときは、様々な選択肢が見えているが、精神的に余裕がない時はこうするしかないと思いこんでしまいます。

精神的に余裕がある状態では様々な選択肢が見えてきますが、負の感情に支配されて余裕がなくなると、「もうこれしか道はない」と思い込んでしまい、適切な選択肢を選ぶことができなくなることもあります。

るるーしゅ

るるーしゅ

見えないものを選べません。

転職情報をチェックしておくことで、今すぐ転職する気がなくても情報に触れておくだけでも選択肢が増えます。
汐街 コナ”仕事がしんどくてヤバいと思ったら”を参考に作成

他の場所で働く選択肢を持っているだけでも、上司や同僚とのかかりつけ薬剤師制度への交渉や薬局内のかかりつけ薬剤師対応のマニュアルの見直しなどがスムーズに進むことがあります。

もし自分や仕事に余裕がなくなっていると感じているなら、まずは転職サイトに登録し、担当者と話すことで客観的に状況を見ることができます。また、転職情報に触れることで選択肢が増え、精神的な余裕が生まれるでしょう。

オススメの転職サイト

  • ファルマスタッフ

公式 https://www.38-8931.com/

待遇や年収を優先的に考慮して、多数の薬局やDgsの求人から選びたいときは、ファルマスタッフがおすすめです。その強みは全国、都市部から地方まで対応している点にあります。

あなたの希望条件に一致する求人をコンサルタントが見つけてくれるので、薬剤師の方々が転職活動で良い条件を少しでも見つけるのに役立つでしょう。

メリット
  • 薬局・Dgs求人に強い
  • 非公開の高待遇・高時給の求人が多い
デメリット
  • 企業の求人には弱い

かかりつけ薬剤師を辞めることには、ストレスや責任から解放されるメリットや、自分のライフスタイルに合った働き方を選べるようになるメリットがありますが、会社からの評価が下がりキャリア形成に影響を及ぼすデメリットも考慮しなければなりません。

そのため、慎重に情報収集を行い、自分の価値観やライフスタイルに照らし合わせて適切な判断を下すことが重要です。転職サイトやネットワークを活用し、自分に合った働き方や環境を見つけることができれば、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。

るるーしゅ

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転職したほうがいいのかな?と思ったら、まずは専門家にキャリア相談してみましょう。
おすすめとしては優良認定を受けているファルマスタッフがいいと思います。(転職サービスですが、無料でキャリア相談してもらえます)

\ 薬剤師の転職相談満足度96.7% /

るるーしゅ

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私自身も今のままでいいのか不安があったけど、キャリア相談してもらって視野が広がりました。(記事はコチラ

ファルマスタッフに登録したからといって、必ず転職しなければいけないわけではありません。

まずは登録して、転職市場の専門家と話してみるのがいい経験になり、視野が広がるはずです。

自分はこれからどのような生活を送っていきたいのか?

お金を優先するのか、やりがいを優先するのか、ライフワークバランスを優先するのか、など働き方は人それぞれです。

自分がどうなりたいのか、どうなれるのかを常に考えながら、目の前の仕事を通じてキャリアを形成していくことが大切です。

まずは目の前の仕事においてできることと、自分自身の市場価値を確かめることから始めてみるのがよいと思います。

ちなみにファルマスタッフなどの転職サービスの人たちは、転職させることで成果報酬を得る人たちですがキャリア相談だけでも問題ありません。

転職サービスの人たちは、キャリア相談などをすることで、今後、自分の転職サービスを利用してくれればいいやという長期的な視点で考えているところがほとんどだからです。

逆に短期的に転職をせかすような転職サービスのところは利用しないようにしましょう。

ファルマスタッフを利用する利点
  • キャリアカウンセリング
  • 自分で業界研究するより、質の高い情報を持っている
  • 専任担当者がつき転職をサポート
  • 未公開求人を持っている
  • 平日夜や週末も対応
  • 職務経歴書の書き方指導
  • 面接対策、企業との交渉代行など
るるーしゅ

るるーしゅ

これから先のどうなるかわからない業界だからこそ、情報量が多いキャリアに関する知識がある人に相談するのは、マイナスにはならないと思うんだよね。

無料で利用できるわけだし、使えるものはなんでも使ったほうがいいのではないかなと個人的には思いますよ

💊 ファルマスタッフ

公式 https://www.38-8931.com/

今、国は悪質な転職サイトの規制を強化しています。転職サイト利用の際は、ファルマスタッフのような優良認定を受けているところを利用しましょう。

るるーしゅ

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薬局薬剤師です。
若手の薬剤師教育や学会発表、論文投稿などに興味があります。
m3や雑誌への寄稿や、某大学非常勤講師歴もあります。
ファクトベースで物事を話さない(=感覚でものを言う)人は苦手です。
今後の業界の変化に対応できるように、業界情報や専門的なスキル、そして薬剤師としての働き方などについて情報発信していきます。
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