新卒薬剤師の「とりあえず大手調剤チェーン、大手ドラッグストア」への就職ってありなの?なしなの?

この内容は動画でも解説しています。

薬学生の皆さん、就職活動は進んでいますか?

以前のブログ記事で、薬学生の就職が大手志向になっていることを紹介しました。

大手薬局チェーンや大手ドラッグストアへの就職を考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、その選択が自分のキャリアにどのような影響を与えるのか、しっかりと考えていますか?

私は上記記事の中で、「とりあえず大手チェーン」もアリと言っていますが、SNS等ではナシ派もいます。

今回は、薬学生の就職先として「とりあえず大手チェーン」はアリなのか、ナシなのかを考えていきます。

ちなみに大手チェーンの定義としては、300店舗以上の薬局、ドラッグストアをイメージしています。

この記事では、大手チェーンへの就職のメリットとデメリット、そしてその選択がキャリア形成にどのように影響するかを解説します。

大手チェーンの魅力と課題

大手チェーンの魅力

大手チェーンの魅力は多岐にわたります。充実した研修制度が一つの大きな魅力です。

新卒薬剤師にとって、専門知識や技術を学ぶための研修は非常に重要です。

また、大手チェーンは福利厚生が豊富で、社員の生活をサポートします。さらに、異動の柔軟性があり、ライフイベントに合わせて働く場所を変えることができます。

最近では病院研修の機会もあり、幅広い経験を積むことが可能です。

ポッポ先生

ポッポ先生

薬局内の人間関係があわない場合でも、転職せずに別の店舗で働くことができるってのは魅力的かも

薬剤師って変な人、結構いますからね…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

あと、大手チェーンは男性育休取得にのりだしているから、そういう点でもいい部分もあるかもしれない

ポッポ先生

ポッポ先生

ただもっと力入れている中小もあるので、無難という評価が妥当かもしれませんが

大手チェーン薬局の課題

一方で、大手チェーンは給与面で中小薬局に劣ることがあります。

組織が大きいため、個人の役割が制限されることもあるため、自由度が低いと感じることがあるかもしれません。

一般的なキャリア論から、とりあえず大手入社を考えると…

まずキャリア論から一般的に「とりあえず大手チェーンへ就職」のアリナシを考えたら、ナシです。

上記の記事でも紹介されているように、学生の頃に自分がなりたい将来の薬剤師像と理想の生活を考えた上で就職活動をおこなうことが理想だと思います。

なので、それを考えずに、とりあえず大手チェーンに入社しとけばいいかとなっているのは望ましい状況ではありません。

ポッポ先生

ポッポ先生

入社後、環境が合わなくてすぐ辞めてしまう新人にならないように

一方で「自分は将来こうなろうと思っている」というのがあって、それを達成するための方法が、大手薬局に就職だったら、それは「とりあえず大手」ではないで全然アリだと思います。

とはいえ現実的には、大手入社も仕方ないのでは?

一般的にはナシと言いつつ、お前、とりあえず大手チェーンはアリって過去記事で書いているじゃないかというツッコミ来ますよね。

ですので、一般的にはナシだけど、現実問題として「とりあえず大手チェーンに就職」はアリと思っている私の考えを紹介したいと思います。

  • 将来のなりたい薬剤師像なんて思い浮かばない
  • なりたい薬剤師像があっても、強みがない就職先がほとんど

順番に解説していきます。

将来のなりたい薬剤師像なんて思い浮かばない

就職活動するのは5年生や6年生のときだと思います。この時点で、将来こんな薬剤師になりたいから、その薬剤師になるためにはここで働いたほうがいい!なんて考えている人はごく少数だと思います。

なりたい薬剤師像があっても、強みがない就職先がほとんど

もうひとつの理由としては、多くの薬局やドラッグストアが差別化できていないというのがあると思います。

もしくは、自分たちの中では差別化できているつもりかもしれないが、そのことを学生が認識できていないのではない気がします。

最近の学生の就職動向を大学の先生に聞くと、同学年のインフルエンサーの影響を受けて同じ就職先を選ぶ学生が少なくないようです。

自分の人生なのに、他人がすすめたレールを走るんですかね…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

何も考えずに、仲のいい子が「一緒にここ行こう」って言ってからとかは入社してからキツイ場合あるよね

とりあえず大手チェーン=卒後研修なイメージなのでは?

「とりあえず大手チェーンに就職」としている人は、卒後研修みたいなイメージをもっている可能性もあるのではないかなと思います。

薬剤師過剰時代が迫りつつあるのか、大手チェーンは薬剤師が充足しつつあります。薬剤師不足が解消してくると、質を向上しようと思うのは当たり前ですよね。

そのため、各社、薬剤師教育に力を入れてきています。

現時点では、大手チェーン勤務の薬剤師と、中小や個人の薬剤師でくすり等の現場での知識等に差がある印象は持っていませんが、今後は薬剤師に求められる能力が上がっていくので差が出てくる可能性はあります。

上記の記事で紹介していますが、データ上では大手チェーンのほうが対人業務に関連する加算の算定率は高いです。算定ノウハウ=薬剤師に必要な知識かどうかは議論の余地があると思いますが自分たちの報酬部分に関わってくるので知っていたほうがいいと思います。

なのでこういった最低限の知識を入手するための、医師でいう初期研修制度みたいな認識で大手チェーンを選んでいる人もいるのではないかなと思います。

結論:とりあえず大手チェーン就職でもちゃんと考えたほうがいいよ

今回はとりあえず大手チェーンへ就職について、アリナシを考えてみました。

「将来のこととかよく分からないから、とりあえず大手チェーンに入社して、働きながら考えればいい」というのも望ましいとは言えないけど、今の薬剤師の業界を考えると仕方ないかなと思っています。

ただ、とりあえず大手チェーン就職したけど、その後自分のこれからの薬剤師キャリアを考えないでダラダラするのはやめましょうね。

以下の記事を参考に自分なりの薬剤師としての幸せを考えてみてください。

ちなみに「とりあえずで大手チェーンに入社して、3年たったからとりあえず転職するか」みたいな考えは危険ですので、注意してください。

コロロ

コロロ

前任者がブログを閉鎖すると聞き、直接ご連絡させていただいた上で、私が引き継ぐ運びとなりました。臨床現場での実践経験を背景に、エビデンスに基づいた薬学情報や最新の業界動向、実用的なスキルをこれまで以上に分かりやすくお伝えして参ります。

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。