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ワルファリンとアセトアミノフェンの相互作用
今回はワルファリン服用中の患者にアセトアミノフェンの使用による相互作用の影響を調べてみました。
まずワルファリンなんですが、リスクが高い薬なうえに相互作用起こす薬剤が多すぎなやつですよね。わたしもあまり調剤することがないので苦手な薬剤です。
添付文書
まずは添付文書からですね、併用注意の部分にのっています。
アセトアミノフェン
臨床症状・措置方法
本剤の作用を増強することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
機序不明
あまりよくわかりませんね、だから避けたいところですがワルファリンってアセトアミノフェンの代替となるNSAIDsでも同様に相互作用起こすので、「どうしたもんかな…」ってなりますよね
Dynamed
つづいてDynamedで相互作用を調べてみます。
引用している文献内容の概要は以下の通りです。36人の患者へのRCTです。
Parra, David, Nick P. Beckey, and Gary R. Stevens. “The effect of acetaminophen on the international normalized ratio in patients stabilized on warfarin therapy.” Pharmacotherapy: The Journal of Human Pharmacology and Drug Therapy 27.5 (2007): 675-683.
そしてもうひとつ文献を引用して、記載があります。
こちらの引用文献もこんな感じです。これはクロスオーバー試験みたいですね。
Mahé, Isabelle, et al. “Interaction between paracetamol and warfarin in patients: a double-blind, placebo-controlled, randomized study.” Haematologica 91.12 (2006): 1621-1627.
アセトアミノフェン4000㎎/日だと結構すぐにINRあがってしまうみたいですね
ちなみにどういう機序なんですか?
メガネ
るるーしゅ
Dynamed様によると
ワルファリン代謝の阻害または凝固因子形成の妨害
が考えられるメカニズムらしい
国内の文献
日本での症例報告もありましたので紹介します。
尾﨑正和, et al. “高用量アセトアミノフェンとワルファリンの併用により PT-INR の著明な延長をきたした 2 症例の検討.” 医療薬学 43.4 (2017): 223-229.
上記文献ではアセトアミノフェン2400㎎/日を使用していた期間ではあまり影響はでてないように見えます(症例報告ですが)
今回のデータからの考察
今回、SNSで元ネタがなんだかわからないですがワルファリンとアセトアミノフェンの併用について盛り上がっていましたので調べてみました。
まぁ多分、ワクチン後の副反応で発熱した方にどうするの?ってことですよね。服用する期間が短いし、1500㎎/日がいいとこなので安定している方にはそんなに気にしなくてもいいかな~というのが落としどころかなと思いました。
もちろん、ワクチン後の副反応にくすりを飲まなきゃいけないわけでもありませんから、そのあたりも情報共有して落としどころを決めてもらえるといいのではないかなと思いました。