目次
自分のキャリアについて相談する薬剤師は少数?
薬剤師の免許は、返納または取り消されない限り持ち続けることができるが、免許を持っているだけで将来が安泰といえる時代はもはや終わったと言える。これからは、薬剤師としての職能を最大限に発揮してやりがいを得る者だけが生き残れる時代となるだろう。
亀井美和子ら”デキる薬剤師をつくる現場の教科書”じほう社の冒頭より引用
なんか冒頭から気が重くなる話題入れてきますね…
メガネ
るるーしゅ
うん、最近読んだ本と論文を踏まえて少しキャリアについて考察してみようかなと思って…
るるーしゅ
こうやって煽っているんだけど、やっぱりなかなか相談するまでにはいっていない印象なんだよね…
う~ん、薬剤師を取り巻く環境の変化が起きることはわかっているが、具体的にどうしたらいいかってのが分からないんですよね…
メガネ
るるーしゅ
それはもう人それぞれだからね。
どうやって働くか=どうやって生きるか?みたいなもんだから、そこに一律の答えはないよね、薬と同じ。
薬剤師はキャリアについて考えているのか?
薬剤師が自分のキャリアについてどれくらい考えたことがあるかって研究あるんですか?
メガネ
るるーしゅ
ううん、見つけられなかった。
とはいえ、2019年の薬学教育学会でのキャリアについてのシンポジウムでも、こんな感じだったから低いと思う
キャリアデザインとは、「自分の職業人生を自らの手で主体的に構想・設計すること」であり、必ずしも就職・転職活動とは関係なく、常日頃から将来のキャリアゴールを描き、そこに向けて自身のエンプロイアビリティを高めるための計画を立てることです。しかしながら、国家資格を有する専門家ゆえに、専門職能の向上には関心は高いものの、キャリアデザインの考え方や手法への関心は低く、大学教育の中でそれらが扱われることはほとんどありません。
2019年、日本薬学教育学会のシンポジウム 多様化の時代に求められるキャリアの考え方より
何故キャリアについて考えていないのか?
なんでキャリアについて考えないんですかね?
メガネ
るるーしゅ
薬剤師のキャリアデザインとキャリア教育の必要性という総説論文では、教育されていないことと売り手市場っていうのが原因じゃないかなと
確かにこの通りですね…
メガネ
るるーしゅ
もう書いて市場にシフトしているからね
これからの生き方」という本を読んで、感じたこと
こちら「転職の思考法」の作者である北野唯我さんの新作「これからの生き方。 自分はこのままでいいのか? 問い直すときに読む本」を読んでみて、色々考えさせられました。
この本、オススメですので是非とも私と同年代(30代)くらいの薬剤師には読んでほしいです。
人生にはどうしても自分の「これからの生き方を問い直すべきタイミング」が存在している
冒頭より引用
人がなぜ、キャリアに戦力を必要とするのか。それは「資本市場」は残念ながら、難しい世界でもあるからだ、と私は思っています。すべての人が、自由気ままに、やりたいことだけをやっていて、どりょくもせずに、たくさんお金を稼げる世界なら、キャリアに戦略なんていらないと思います。ですが、現実には厳しい側面もある。自分が大切にしたいものを守りながら生きていくには、ある程度の知恵は必要なものだと思います。そうでなければ、自分がいざというときに、大切な仲間や人を守れないからです。
P223より引用
るるーしゅ
薬剤師を取り巻く環境が大きく変わろうとしている今だからこそ、是非とも自分のキャリアについて考えるきっかけになれば幸いです
上記の記事でも、触れていますが周りにキャリアについて相談できる人がいなければ人材紹介会社を利用しましょう。
るるーしゅ
今のところで働き続けるのがいいのか、自信が持てなく、もし自分のキャリアを考えた際に別の職場でいい条件があれば転職も考えているっていうスタンスで相談するとよさそう。
ちなみにオススメは以下のところね(優良の外部認定取得しているので)
\ 悪質な転職サイトは利用しないで /
薬剤師が転職する際に利用する人材紹介会社(転職エージェント)、どこも同じだと思っていませんか?
現在、国は医療の分野において紹介料目当てで頻繁な転職を促す悪質な人材紹介会社への対策を強化しています。
るるーしゅ
悪質な人材紹介会社の利用は、ミスマッチする可能性が高いです。
このような悪質な人材紹介会社には絶対に相談してはダメです!!(悪質とは言っても国の許可を得ているという矛盾もありますが…)
薬剤師が、キャリア相談や転職時に、転職エージェントを利用する場合は、適正な有料職業紹介事業者の認定を受けている転職エージェントを利用しましょう。
薬剤師の分野で優良認定を受けているところは、ファルマスタッフ、その他数社とまだ少ないです。
悪質な人材紹介会社がどこか分かれば対策しやすいのですが、そのような情報はなかなか表に出てきません。なので我々としては、優良認定を受けているところを優先するのが望ましいでしょう。
オマケ:薬学生はキャリアについて考えているの?
るるーしゅ
最後に薬学生は自分のキャリアについて考えているのか?また誰かに相談しているのか?についての論文を紹介します。
前田徹, et al. “薬学部生のキャリアに対する意識調査.” 薬学教育 2 (2018).
キャリアプラン考えたことは? | 人数 |
---|---|
かなりある | 69人(12.7%) |
まあまあある | 241人(44.4%) |
あまりない | 180人(33.2%) |
ほとんどない | 36人(6.6%) |
興味がない | 16人(3.0%) |
キャリアプラン相談したことは? | 人数 |
---|---|
かなりした | 21人(3.9%) |
まあまあした | 71人(13.3%) |
少しした | 135人(25.3%) |
したことがない | 306人(57.4%) |
るるーしゅ
金城学院大学は女子大学だし、6年生を対象とした研究でもないから、このデータであれこれ言うのは難しいんだけど、個人的には今の薬剤師に同様の研究しても同じ結果になりそうな気がする。
最後に
今回は、私が最近買った書籍である「これからの生き方。 自分はこのままでいいのか? 問い直すときに読む本」について紹介したかったので、それに見合った内容を書いてみました。
とはいえ、薬剤師を取り巻く環境が新型コロナウイルス感染症の影響で、早い段階で淘汰が進み始めているなという印象を持っています。こういった環境も楽しみではあるのですが、出来れば自分と関わった人たち(このブログを読んでくれている人たち)は後悔しないように早い段階で戦略を練っていただければなと思います。
るるーしゅ
若手を育成する側の人は、目標を立てさせてそれを振り返りさせてあげるといいと思います。