目次
世界初?貼って効果を示す花粉症薬のアレサガテープの評価は?
今回は、2018年に承認された経皮吸収タイプの抗ヒスタミン薬アレサガテープについて既存薬と比較しながら解説をしていきます。
- 薬剤師目線で見たアレサガテープの評価
- 客観的なアレサガテープの有効性・安全性
貼るだけで効果がある花粉症薬ってなんかすごいですね~
メガネ
るるーしゅ
うんうん、気になるよね。
まずは基本情報出しておこうかな
販売名 | アレサガテープ4mg・8mg |
一般名 | エメダスチンフマル酸塩 |
薬効 | ヒスタミンH1受容体拮抗薬 |
効能・効果 | アレルギー性鼻炎 |
用法・用量 | 1回4mg 胸部、上腕部、背部又は腹部のいずれかに貼付 24時間毎に貼り替える 症状に応じて1回8mgに増量可能 |
薬価 | 4mg 67.5円 8mg 93.1円 |
基本情報見ただけじゃ、何にも分からないです
メガネ
るるーしゅ
まぁ抗ヒスタミン薬なのに適応がアレルギー性鼻炎しかないってところくらいかね。
その他の評価は別のデータを見ていこう
アレサガテープの有効性・安全性について
既存薬とプラセボと比較した有効性
るるーしゅ
アレサガテープは第Ⅲ相比較試験でザイザルと比較しているんだ、その内容について簡単に教えるね
1276人のスギ花粉症患者を4つの群にランダムに分けて、介入前後の鼻水、くしゃみ、はなづまりの症状スコアを比較した。結果は以下の通り
第Ⅲ相試験の結果より作成
- 症状スコアは0~4の5段階評価(4がひどい)の合計
- また全ての群でプラセボテープを貼っているんだ
- アトピー性皮膚炎など皮膚疾患がある方は除外
- 年齢は16~65歳(登録時)
このデータ見る限りですと、アレサガテープはプラセボよりは有効、既存薬のザイザルとは同等という評価ですかね?
メガネ
るるーしゅ
うん、その評価で問題ないと思うよ
安全性について
るるーしゅ
有効性についてはザイザルと同等、では安全性についてどうだろう?
ということで上記の試験の時の副作用のせるね
第Ⅲ相試験の結果より作成
あれっプラセボやザイザル群でも皮膚のかぶれ出ていますね…
メガネ
るるーしゅ
これは、ばれないようにプラセボテープどの群も使っているからだよ。
あと、貼り薬なのに眠気出るんですね
メガネ
るるーしゅ
うん、残念ながら・・・8mgのほうが頻度が多い傾向にあるから、用量依存なのかもしれないね
そうなると気になるのが、高齢者への投与だね
~年齢による血中濃度の比較~(承認審査資料より引用)
るるーしゅ
65歳以上のn数少ないけど、12週時の血中濃度みると、ちょっと怖いかな。
治験に参加する高齢者で起きているから、実際のリアルワールドでの65歳以上は注意しなきゃだよね
~体重による血中濃度の比較~(承認審査資料より引用)
るるーしゅ
こっちは体重と血中濃度の比較、50kg未満は眠気等、気にしたほうがいいかな
これ見ると、70kg以上は効果不十分じゃないかと思うのですが、どうでしょうか?
メガネ
るるーしゅ
有効性に関しては、あまり差はなかったみたいだから気にしなくていいんじゃないかな。
まぁ体重によるのかもしれないけど
アレサガテープと同効薬の一覧
値段に関しては、他薬と比較してずば抜けて高いというわけではないですね
メガネ
るるーしゅ
うだね、新薬だからといって他薬の先発品より高いってわけでもないね。
まぁ既存薬と有効性が同等ならジェネリックある医薬品のほうをオススメするけどね
アレサガテープの評価のまとめ
るるーしゅ
貼り薬という利便性が、このデメリットをどこまで享受できるかによるだろうけど、薬剤師的にあえてアレサガテープをオススメする患者像はあまりないのではないかなと
日本人、貼り薬好きそうですからね
メガネZ
今回は、アレサガテープについてベネフィットとリスクを中立的な立場で紹介しました。
アレサガテープがダメな薬というわけではございませんが、他薬と比較した場合、飲まずに貼り薬というメリットに対して支払うリスクが大きいのではないかなと個人的には思います。
現行の内服薬の中には、口腔内崩壊錠といって水なしでも飲める(口腔崩壊錠でも水で飲んだほうが安心なのですが)剤形のものも発売されておりますので是非、薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか?
- アレサガテープ承認審査資料
- Okubo, Kimihiro, et al. “Efficacy and safety of emedastine patch, a novel transdermal drug delivery system for allergic rhinitis: Phase III, multicenter, randomized, double-blinded, placebo-controlled, parallel-group comparative study in patients with seasonal allergic rhinitis.” Allergology International (2018).