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買い手市場なので薬剤師は転職してはダメ?
新型コロナウイルス感染症の影響により、薬剤師を取り巻く環境が大きく変化してきています。
新型コロナ流行前までは、くすりは医療機関の近くの薬局でもらうというのが一般的でしたが、最近では自分の住んでいる家の近くの薬局でもらうという方が増えてきました。
またリフィル処方箋の導入や処方の長期化、医薬品の供給問題、調剤報酬の改定、調剤の外部委託など、様々な要因も重なり、薬剤師の転職市場も大きく変化しています。
先が見えないような状況では、転職しないほうがいいのでは?と思う薬剤師も多いかもしれませんが、今後はこの買い手市場がニューノーマルとなる可能性が高いです。
大学時代の友人から、「転職を考えているんだけど…」っていう相談受けたんですが、このコロナ禍の転職ってどう思いますか?
転職か…今は薬剤師の転職市場も冷え込んでいるから以前と比べたら大変だと思うけどね
じゃあ転職しないほうがいいよとアドバイスしますね…
いや、あくまで以前の余裕で転職できた時より厳しいだけで、イコール転職しないほうがいいとするのは少し極端かな…
メガネの友人が何故、転職を考えているかの理由を知ることが大切だね
あと、どういう生き方をしたいのかも重要だね。
給料沢山ほしいのか、やりがいのある仕事をしたいのか等々ね
転職理由:今より年収をあげたい
なんか今より、もっと年収をあげたいとか言ってましたね
なるほど、年収をあげたいか…これは色々と考えなきゃだね
どういうことですか?
買い手市場にシフトしているから、今と同じ条件で年収をあげるというのは、なかなか難しいかなと思う
- 都市部から地方での働く
- 病院から薬局、ドラッグストアへ転職
- 薬局からドラッグストアへ転職
上記で示したような事例だと、転職して年収があがる可能性はあるんじゃないかなと思う。
なるほど、なかなか難しいですね
もちろん現状の会社では、正しく評価されていないため、同じ条件でも年収が高くなるというケースもあるからね。
そうなんですね、例えばどんなことがありますか?
例えば、小さい規模の薬局では専門薬剤師等の資格を持っていても給与に反映されないけど、大手チェーンだと給与に反映されるとこあるからね。
確かにそうですね。あと、大手チェーンより個人のほうが給料が高くなるとかはよく聞きますがどうですかね?
ん-、確かに個人のほうが高くなることもあるんだけどね。
う~ん…中長期的視点で見たときに、安定性というのも考慮しなきゃいけないと思うよ
中長期的に見ての安定性ってなんですか?
薬局も今後は淘汰されるからね。いい給料だったとしてもそれが何年も続くのか?という視点も持っておかなきゃね
転職理由:今いる職場に強い不満がある
今いる職場に強い不満があるとも言っていました
強い不満があるなら転職したほうがQOLが向上しそうだから転職活動してもいいんじゃないかなと思うよ
- 人間関係等で精神的に参ってしまっている
- 労働環境がブラック
- コンプライアンス違反
人間関係等で精神的に参るって、具体的にはどのようなことがあるのですか?
わたしが知っているのは陰湿ないじめ、あと大手チェーンのかかりつけをとれとれ等の過度の圧力だね。セクハラなんかもあったけど…
働く環境がブラックってどういうことですか?
サービス残業が多い、有給休暇が消化できない、勝手に使用されるなどといったことが多い場合かな
最後のコンプライアンス違反とていうのは?
過去に薬局業界を騒がせた違反行為をいまだにやっているところだね…
架空請求、薬歴未記載、処方箋付け替え、処方箋医薬品の零売などをやっているところは早くやめたほうがいいです
- 上司がむかつく
- 有給休暇を使いきれない
- 人間関係が良好ではない
上記に挙げた内容も転職の理由になるんだけど、隣の芝生は青く見えるといった感じで案外入ってみたら結局同じだった…ということも多いのであまりこだわりすぎないほうがいいと思う
転職理由:成長できる環境で働きたい
あと今より成長できる環境で働きたいと言ってました
それは応援したいね。
薬局が淘汰される時代っていったけど、薬剤師も淘汰されるからね。
ただ今より成長したい=転職ではなくて、今いる職場で成長できないかをしっかりと考えなきゃダメだと思う
そうなんですか?
薬剤師として成長するには、環境要因が大きいのは、私も多くの新人見ているから分かるけど、環境を理由にして成長できないことを正当化している人も見ているからね。
若手の薬剤師には自分のこれからを考えてほしい
今回は新型コロナ禍の薬剤師の転職について私の知りうる限りで解説しました。
今までは薬剤師免許を持っているだけで職に困らなかったため、転職も容易でした。
ただコロナ禍以降は経営状況の悪化もあり、薬剤師の需給バランスが崩れ、好待遇での転職は困難になっています。
これから先の薬剤師淘汰時代で活躍する薬剤師の皆さんは、これを機に自分のこれからの人生(キャリアビジョン)を考えてみてください。
自らのキャリアビジョンに関しては、できるだけ早く見つけておいたほうがより有利になります。就職先の選定はもちろん、日々の行動や視点が変わるためです。同じ体験をし、同じものを見ていても、得られるものには違いがあります。
~令和時代 薬剤師生き残りの処方箋より~
自分自身がこれまでに得たものを活かすためにも、ぜひそうした視点を早い段階からもつようにしてください
買い手市場だから、転職しないほうがいいと決めつけるのは危険です。今後はこの買い手市場が当たり前になるので、現状に満足していない場合は、早めに転職活動を行いましょう。
オススメの転職サイト
- ファルマスタッフ
待遇や年収を優先的に考慮して、多数の薬局やDgsの求人から選びたいときは、ファルマスタッフがおすすめです。その強みは全国、都市部から地方まで対応している点にあります。
あなたの希望条件に一致する求人をコンサルタントが見つけてくれるので、薬剤師の方々が転職活動で良い条件を少しでも見つけるのに役立つでしょう。
キャリア相談を含めた転職活動を考えている方はまずは上記のサイトに登録してみましょう。どちらの会社も転職ありきではなく、キャリアを踏まえたうえでの相談にのってくれます。
冬のボーナスが支給されたことと来年の4月をめどに新天地で働こうとする人が増えるため、転職活動をする方が増えてきます。(だいたい転職活動には2~3カ月かかると言われています。)
これから先の長い視点で働き方を考える、そして転職に利用できるものをなんでも利用するといったチャンスをつかみ取る力も忘れずにしましょう。