今回は薬物乱用防止教室について私なりに色々調べたりしたうえで「ダメ。ゼッタイ。」ではないものを作りましたので、よろしければご確認ください。
目次
「ダメ、ゼッタイ」だけではダメ?
るるーしゅさん、今度、学校で薬物乱用防止教室やるんですね
メガネ
るるーしゅ
そうなんだよ、ただ「ダメ、ゼッタイ」はあまり効果がないみたいんだよね
ええーっ?!そうなんですか。僕も受けたことありますが、薬物の怖さを知って絶対手を出さないと思いましたけどね
メガネ
るるーしゅ
そういう見かけ的な効果はあるんだと思うよ。ただメガネみたいなやつは、そもそも手を出さないんだよ。 そして「ダメ、ゼッタイ」のような薬物に対する害を重視した内容では、本当に手を出しそうな人には効果はないらしい
なるほど、そもそも薬物乱用防止の授業するしないに関わらず、やらない人はやらない。そしてやろうとする人は薬物乱用の授業を受けてもやってしまうというわけですね
メガネ
るるーしゅ
そういうこと、だから自分なりに作ってみたんだ
るるーしゅ作薬物乱用防止教室
るるーしゅ
はい、本日、薬物乱用防止の授業を担当するイケメン薬剤師のるるーしゅです。 正直あまりやりたくないんだけど、保健の先生が可愛いので受けました。あまり難しくワイワイやっていこうと思います。 よろしくおねがいしやーす
るるーしゅ
まず、この三つの言葉(乱用、依存、中毒)についてです。違いわかるかな?
薬物乱用:薬物を社会的許容から逸脱した目的や方法で自己使用すること
薬物依存:自己コントロールできずに、やめられない状態
薬物中毒:薬物が体の中にある状態(クスリがキマッた状態、ラリッた状態」
るるーしゅ
じゃあさ、薬物乱用してしまう人は薬物の害を知らないから薬物に手を出してしまうんだ。 だからしっかり薬物はこんなにも怖いんだ!としっかり理解すれば薬物に手を出さなくなると思う?
るるーしゅ
・・・これはね、実はあまり効果がないかもしれないと言われているんだ、ビックリだよね
薬物乱用の生涯経験と害知識との間で関連性がみられないことから、知識を高めるだけの予防教育では、実際の薬物乱用行動を予防できない可能性が示唆された。
飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査2018より
薬物乱用経験を持つ生徒の特徴として、「起床時間が一定していない」「朝食を食べない」「学校生活が楽しくない」「親しく遊べる友人、相談事のできる友人がいない」「孤食が多い」、「大人不在で過ごす時間が長い」「悩み事を親に相談しない」「遊び目的でのインターネット利用時間が長い」「喫煙率、飲酒率が高い」「薬物乱用の誘いを断る自信がない」といった共通項が認められた。
飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査2018より
るるーしゅ
つづいて質問ね。10代の子どもが乱用する薬物で多いのはなんだと思う?
Q
10代が乱用する薬物で多いのは?
- 覚せい剤
- 大麻危険
- ドラッグ
- 有機溶媒(シンナー)
- 睡眠薬・抗不安薬市販薬
るるーしゅ
正解は市販薬で、ここ数年でとても増えてきているんだ。 市販薬を大量に飲むと「高揚感が得られる」、「落ち込んだときに気分が楽になる」と思って手をだしてしまいやめられなくなってしまうんだ
るるーしゅ
みんなは薬物依存になってしまう人にこういう印象をもっていないかな?
- 意志が弱い人
- 誘惑に負けた人
- 不良
- 犯罪者
るるーしゅ
たださっきも話したように薬物乱用してしまう子どもに多かったのは、「起床時間が一定していない」「朝食を食べない」「学校生活が楽しくない」「親しく遊べる友人、相談事のできる友人がいない」「孤食が多い」、「大人不在で過ごす時間が長い」「悩み事を親に相談しない」「遊び目的でのインターネット利用時間が長い」「喫煙率、飲酒率が高い」「薬物乱用の誘いを断る自信がない」だったよね。その他にも「大人を信用していない」「自分を傷つけてしまう」といったこともあるんだ。 なんで自分を傷つけてしまったり、薬物乱用してしまうんだろう?
るるーしゅ
心の痛みは我慢できないから、それを少しでも紛らわせるために体を傷つけたり薬物に依存することで何とかつなぎとめられているといったケースもあるそうです。
るるーしゅ
もし周りに自分を傷つけていたり、薬物乱用しているお友達がいたら気にかけてください。 可能なら関りをもってもらいたいです、話しを聞いてあげて「そうなんだ、それは大変だったね」、「私でよければまた話を聞くよ」といった事実を受け止めるだけで構いません。 そおして信頼できる大人につないでください「先生に相談してみた?よかったら私と一緒に話してみようか?」という言い方も方法のひとつです
るるーしゅ
これは生まれてすぐ脳性麻痺により手足が不自由になった東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生の言葉です。 依存症は人には頼らずにアルコールや薬物という「物」でなんとか自分の苦境を乗り切ろうとしてしまいます。 つまり依存症は、「人に依存できない」病です。死んだおばあちゃんがよく言っていたことを思い出します。
栄おばあちゃんの名言
「大事なのは、昔のように人と人とが声を掛け合って、コミュニケーションを取ること。」「いちばんいけないのはおなかがすいていることと、独りでいることだから」
るるーしゅ
ご清聴ありがとうございました
- 子ども情報ステーション by ぷるすあるは
- 濫用等のおそれのある市販薬の 適正使用について – 厚生労働省
- 10代の薬物依存 40%余はせき止めなど市販薬の乱用 | NHKニュース
- 飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査2018 全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査
- 自立とは「依存先を増やすこと」
- 薬物依存症 (ちくま新書)
- 中高生のためのメンタル系サバイバルガイド
1 件のコメント
亡くなったおばあさまのお言葉刺さりました。
ダルクの方が違法薬物について、「なんで止められないかは説明できないけど、一度やったらなんで止められないかわかる」といっていたのを思い出しました。
いくら啓蒙活動しても、やる人はやってしまうし、中毒になる人はなってしまう。
清水健太郎や田代まさしが何度も逮捕されるのは、一般の方が薬物の怖さを知るという点では良い反面教師になっている気がします。
我々薬剤師も「いい子にしていないとおばけが出るぞ!」的な説明から脱却しないといけないと思っています。