若者のほうが高齢者よりくすりを飲むのが苦手?
皆さんはお薬飲むの得意ですか?
若い方でも、けっこうカプセルが苦手~っていう方多いですよね。
今回は、そのあたりをすこし研究結果も交えて掘り下げていこうと思います。
確かに若い方、特に女性の方でカプセル苦手って方よく見かけますよね。
ただ、本当に高齢者より苦手意識あるんですか?
メガネ
るるーしゅ
以前、昭和大の倉田なおみ先生の講演の時に、「最近の高齢者はたくさん薬飲んでいるから、薬飲むのが若者よりうまい。だから服薬テストとかは高齢者じゃなく、若者で実験するようにしている」的なことを言ってたよ
へぇ~言われてみれば、高齢者がカプセル飲めないとかあまり言ってこないですね
メガネ
るるーしゅ
うんうん、ただ飲めていないかもしれないので注意しよう。
ちなみに若者のほうがカプセルに苦手感を持っているのでは?という文献がこれだね。
研究の概要
内用固形製剤の服用しやすさ, 摘みやすさに及ぼす製剤の大きさ・形状の影響 (第1報) : 高齢者と学生の比較
研究の内容紹介
自立可能な高齢者(60~89歳)と北陸大学薬学部生に、様々な大きさの錠剤やカプセルを見せて、飲みやすい?飲みにくい?掴みやすい?掴みにくい?等を聞いてみた。
そしたらカプセル剤だけは、高齢者より若者のほうが飲むのに苦手意識があった・・・
(ちなみに論文の趣旨ではないので仮説レベルです)
へ~なんか面白いですね
メガネ
るるーしゅ
実際飲ませたわけではないので、この結果だけで若者のほうが薬のむのを苦手!と結論付けることができないけど、まぁ若者だから多少大きいくすりでも飲めるでしょ?という先入観は捨てなきゃダメだよねってところが落としどころかな
そうですね、今度からトラネキサム酸カプセルやカルボシステインなどが処方されたときは少し意識してみるようにします。
メガネ
るるーしゅ
うんうん、ただ若者に限らず私たち薬剤師の仕事のひとつに、患者の薬物療法を個々の特性に応じて最適化するってのがあることを忘れないようにね
今回は、若者はカプセル剤に苦手意識があるかもしれないことを紹介致しました。
この情報が一般化できるかは不明ですが、患者個々に適した剤形を選択することも重要なお仕事です。
若者に限らず、先入観にとらわれないで患者さんに飲みづらくないか?掴みづらくないか?あと口腔崩壊錠の味がまずくないか?等を患者さんに確認することが大切ではないでしょうか?
今回の内容がすこしでも皆さまのお役に立てば幸いです。
大嶋 耐之, 堀 真也, 毎田 千恵子, 宮本 悦子, 内用固形製剤の服用しやすさ, 摘みやすさに及ぼす製剤の大きさ・形状の影響 (第1報) : 高齢者と学生の比較, 医療薬学, 2006, 32 巻,
8 号, p. 842-848