本記事内容は、動画でも解説しております。
「転職…その一歩を踏み出すのはなかなか勇気がいるものですよね。自分のキャリアをより良くするためには必要な判断かもしれませんが、未知の世界へ飛び込むのは不安でいっぱいです。
特に、薬剤師という専門的な職種では、自分に合った求人を見つけるのは一筋縄ではいきません。
そんな時、誰もが頼りたくなるのが転職エージェント。
しかし、時には“頼りにしたはずのエージェントに失望した…”という声も聞こえてきます。
まるで、期待して飲んだはずの薬が、思わぬ副作用で体調を崩してしまったかのような感覚です。
でも、それは本当に転職エージェントのせいなのでしょうか?
それとも、私たちにも何か見落としていることがあるのでしょうか?」
まずは薬剤師に限らず、転職を考えて求人情報を探す方法を以下に示します。
- 企業のホームページをチェックする(直接応募)
- 求人サイトなどの求人媒体から情報を得る(転職サイト)
- SNSを通じて、求人情報を得る
- 求人情報を縁故、紹介を通じて知る(リファラル採用)
- 人材紹介会社へ登録する(転職エージェント)
- 突然、ヘッドハントの連絡が入る
各方法にメリット・デメリットがあるのですが、方法として一番メジャーなのが⑤人材紹介会社(転職エージェント)に登録するだと思います。
るるーしゅ
私の周りの薬剤師も転職エージェント経由での転職事例が多いです。
そんな一番メジャーな方法なのですが、利用した薬剤師の中には「転職エージェントに騙された」、「利用しないほうがよかった」とネガティブな声も耳にします。
騙されたりするなら、転職エージェントは登録しないほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、私の結論としては転職エージェントは利用したほうがいいです。
転職エージェントの仕組みを理解した上で正しく活用しましょう。
るるーしゅ
くすりは副作用があるから、飲まないほうがいいって言ってるのと同じレベルです。
本記事では、転職エージェントの仕組みを紹介しつつ、転職エージェントに騙されないための正しい付き合い方を解説します。
目次
各求人情報を探すための方法のメリット・デメリット
まずは冒頭で解説しなかった各求人情報を探すための方法のメリット・デメリットを簡単に解説します。
企業のホームページをチェックする(直接応募)
メリット
- 直接応募なので求人情報が正確で最新
- 企業の文化や雰囲気をより具体的に理解できる
デメリット
- 探すのが手間がかかる
- 自分で条件に合う求人情報を見つけ出す必要がある
- 公開求人にしか応募できない
求人サイトなどの求人媒体から情報を得る(転職サイト)
メリット
- 多くの求人情報が一覧で表示される
- 自分の希望条件に合わせて絞り込みができる
デメリット
- 情報が古い場合がある
- 公開求人にしか応募できない
SNSを通じて、求人情報を得る
メリット
- 友人や知人が働いている企業の求人情報が得られる
- ネットワーキングを活用して情報収集が可能
デメリット
- 情報が限られている
- 個人的なつながりがないとアクセスしにくい
求人情報を縁故、紹介を通じて知る(リファラル採用)
メリット
- 信頼できる情報源から求人情報が得られる
- 紹介者の評価が加味されるため選考が有利になる可能性がある
デメリット
- 紹介してもらうための人脈が必要
- ミスマッチがあっても紹介者に迷惑がかかるので退職しづらい
人材紹介会社へ登録する(転職エージェント)
メリット
- 求人情報が豊富で、非公開求人も紹介される
- エージェントがアドバイスやサポートを行ってくれる
デメリット
- エージェントの質によってはマッチしない求人情報が提案されることも
突然、ヘッドハントの連絡が入る
メリット
- ヘッドハンターが高い評価をしているため、選考が有利になる可能性がある
デメリット
- ヘッドハントされるタイミングが予測できない
- 提案される求人が自分の希望に合わない場合もある
- そうそうヘッドハントなんてされない
転職を考える際は、上記に挙げたひとつしか使ってはダメというルールはないので複数利用することが一般的だと思います。
その中でやっぱり転職エージェント経由での転職事例が一番多いです。非公開求人を取り扱っていることと、転職する際の色々な作業を担当してくれるので、仕事しながらの転職活動する際には有用です。
転職エージェントの仕組みについて
薬剤師が転職する際に、利用する機会が多い転職エージェントについて、どのような仕組みで成り立っているサービスなのか紹介します。
転職エージェントは人材紹介会社や転職バンクともい呼ばれたりもしていますが、正式には「有料職業紹介事業所」と呼ばれ、厚生労働大臣から認可を受けた斡旋を目的とした会社のことを言います。
有料職業紹介事業所と聞くと、利用するのにお金がかかるのでは?と思うかもしれませんが、実際には無料で以下の薬剤師の転職をサポートしてもらえます。
- キャリア相談
- 非公開を含めた求人紹介
- 履歴書、職務経歴書の添削
- 面接のアポイント取り
- 面接対策
- 給与(年収)の交渉
- 退職のフォロー
何故、このサービスが無料で提供されているか考えてみましょう。
ボランティアだから?国からお金をもらっているから?
そんなことはありません、無料を謳うビジネスには必ず裏があります。
勿体ぶって書いてしまいましたが、答えは単純です。
転職エージェントは、求職者からお金をもらうのではなく、人材を紹介した企業(薬局等)から仲介料を得て、ビジネスを成立させています。
そしてその仲介料は、転職エージェントにより異なりますが、だいたい年収の3割程度です。(つまり年収500万円の薬剤師を紹介したら、仲介料は150万円です。)
さすがにそれくらいは知っていますよ
メガネ
転職エージェントのビジネスモデルについては知っている方も多いかもしれませんが、さらに知っておくこととして企業(薬局)から転職エージェントに支払われる仲介料は、ほとんどの場合、成果報酬です。
るるーしゅ
転職が成功して、はじめて転職エージェントに報酬が入るわけだね
これは裏をかえすと、転職エージェントが転職希望者のためにキャリア相談や求人を探していても、その段階では報酬は発生していないことになります。
このビジネスモデルから言えるのは、転職エージェントはなるべく転職希望者を早く転職させ、成果報酬により会社の利益を出すことが目的です。
もちろん、転職エージェントのなかには、「転職しないで今のところでキャリアを積み重ねていったほうがいいかもしれません」とか「今の給与や待遇はかなりいいので転職しないほうがいいです」といった的確なアドバイスをしてくれる人もいますが、一方で「とにかくブラックな薬局でもいいから転職させて成果報酬もらえればいい、転職希望者のキャリアなんて知ったこっちゃない」と考える人もいます。
ここまで書くと、「転職エージェントは利用しないほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、わたしの考えは冒頭にも記載しているとおり、しっかりと理解した上で活用しようです。
転職エージェントとの正しい付き合い方
転職エージェントのビジネスモデルについて解説しましたが、別に転職エージェントが不適切だとか一切思いません。
こういうビジネスモデルだから、転職者の100%味方として色々サポートしてくれるわけではないということを理解しましょう。転職エージェントに言われたことを100%鵜呑みにするのは危険だということを肝に銘じましょう。
だから、転職活動を主導権を、転職エージェントに渡してはいけません。転職活動の方向性は必ず自分自身でコントロールしないとダメです。
るるーしゅ
お任せはダメです。
転職エージェントの思惑として、「薬剤師としてのキャリアビジョンがもやもやしている人なので、キャリア面談をして、キャリアの方向性を決定させ、転職させたい」「仲介料をあげてもらうために、うまく狙えそうなら高い給与の会社に転職してほしい」「早期離職してペナルティを発生しないでほしい」など、こちら側の意向とも共有できる部分はありますので、有効活用しましょう。
ちなみにいい転職エージェントを見極めるポイントも紹介しておきます。
- 話していて不快ではないこと
- しつこく何度も連絡してこないこと
- 薬剤師の職種や業界について精通していること
- 案件ベースの「いい、悪い」ではなく薬剤師のキャリア形成という視点でのアドバイスをくれること
- 「他にいい案件がないか?」という質問にも粘り強く付き合ってくれること
- 入社するうえでの「懸念点はどこか」の質問にきちんと回答してくれること
また利用の際には、必ず建前ではなく本音で話しましょう。
本音を話さないままでは、なかなかいい転職には結び付きません。
自分は業界のことを知らないから、かかりつけ薬剤師制度をやりたくないと言ったら転職エージェントに馬鹿にされるんじゃないか?とか思って、建前で話すとか絶対にやめたほうがいいです。
こんなことをやってみたいをいうのがなければ、具体的にこういうことはやりたくないということを伝えて、自分の仕事に対する価値観を、転職エージェントと共有することが大切です。
薬剤師向けのオススメの転職エージェント
転職エージェントのビジネスモデルを説明して、転職エージェントをどのように活用するかを今まで説明しました、補足で+αの情報を伝えたいと思います。
転職エージェントのビジネスモデルから転職エージェントは転職者のキャリアを考えることよりも早く転職させることを目的に行動していると記載しましたが、なかには転職支援をしっかりと実施している転職エージェントも存在します。
その指標としては、職業紹介優良事業者という第三者認定を取得しているところです。転職エージェントは沢山あるのですが、この職業紹介優良事業者を取得しているのはごく一部の転職エージェントです。
るるーしゅ
ファルマスタッフが取得しているので、とりあえず登録するならファルマスタッフ登録しときましょう。
オススメの転職サイト
- ファルマスタッフ
待遇や年収を優先的に考慮して、多数の薬局やDgsの求人から選びたいときは、ファルマスタッフがおすすめです。その強みは全国、都市部から地方まで対応している点にあります。
あなたの希望条件に一致する求人をコンサルタントが見つけてくれるので、薬剤師の方々が転職活動で良い条件を少しでも見つけるのに役立つでしょう。
ただ職業紹介優良事業者だからといって、お任せはダメです。
薬局で例えるなら、この薬局は、専門医療機関連携薬局取得しているから、していないところよりは程度問題とし外来がん治療に精通にしているだろうという感じです。
るるーしゅ
こちらも参考にしてみてください
転職エージェント利用のQ&A
A1: 転職エージェントはビジネスであり、その目的はあなたが新しい職場に就職することで成果報酬を得ることです。
しかし、それはエージェントがあなたの利益を無視することを意味するものではありません。
良いエージェントはあなたのキャリア目標を理解し、それに合った職場を見つけるために努力します。
A2: 転職エージェントのアドバイスや提案を100%鵜呑みにしないことです。
エージェントはあなたのキャリアの専門家ではありません。あなた自身が自分のキャリアを最もよく理解しています。
エージェントの意見は参考の一つとして考え、最終的な決定は自分自身で行うことが重要です。
- 話していて不快ではないこと
- しつこく何度も連絡してこないこと
- 薬剤師の職種や業界について精通していること
- 案件ベースの「いい、悪い」ではなく薬剤師のキャリア形成という視点でのアドバイスをくれること
- 「他にいい案件がないか?」という質問にも粘り強く付き合ってくれること
- 入社するうえでの「懸念点はどこか」の質問にきちんと回答してくれること
まとめ
今回は、薬剤師向けの転職エージェントとの付き合い方を解説しました。
転職エージェントのビジネスモデルを考えると、転職者を第一に考えていないので騙される可能性があるから利用しないほうがいいと思ってしまいますが、それは勿体ないです。
転職エージェントが持っている情報を有効活用することで、自分のキャリアビジョンを明確にすることができますし、よりよい転職に向かうことができます。
わたしのリアル友人や妻は、転職エージェントに登録してキャリア相談を受けた結果、転職しないほうがいいというアドバイスをもらっています。(転職ありきじゃないところもあります)
るるーしゅ
ちなみに私の転職エージェント利用体験談はこちらの記事で紹介しています。
\ 悪質な転職サイトは利用しないで /
薬剤師が転職する際に利用する人材紹介会社(転職エージェント)、どこも同じだと思っていませんか?
現在、国は医療の分野において紹介料目当てで頻繁な転職を促す悪質な人材紹介会社への対策を強化しています。
るるーしゅ
悪質な人材紹介会社の利用は、ミスマッチする可能性が高いです。
このような悪質な人材紹介会社には絶対に相談してはダメです!!(悪質とは言っても国の許可を得ているという矛盾もありますが…)
薬剤師が、キャリア相談や転職時に、転職エージェントを利用する場合は、適正な有料職業紹介事業者の認定を受けている転職エージェントを利用しましょう。
薬剤師の分野で優良認定を受けているところは、ファルマスタッフ、その他数社とまだ少ないです。
悪質な人材紹介会社がどこか分かれば対策しやすいのですが、そのような情報はなかなか表に出てきません。なので我々としては、優良認定を受けているところを優先するのが望ましいでしょう。
薬剤師を取り巻く環境が変化していることと、時間と共にキャリアの選択肢は狭まってくると言われています。
転職するにしてもしないにして、うまく転職エージェントと付き合って、自分らしい薬剤師の働き方を選択してもらえれば幸いです。
本記事を読んで、転職エージェントを使わないほうがいいと思っている人の意識が変われば幸いです。
るるーしゅ
私の記事だけでは…って人は有名人の動画コンテンツも見てみましょう。(私の書いてある内容と相違はありません)