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「転職すれば変わる」と思っていた私へ
「ここじゃない、もっと自分に合う職場があるはず」。そう思って転職したのに、3ヶ月、半年経つと、また同じモヤモヤが顔を出す。心当たりありませんか?
薬剤師の転職市場は売り手市場と言われて久しいです。求人数だけ見れば、選択肢は確かに多い。でも、「職場を変えれば不満が消える」と期待して動いた結果、また似たような悩みを抱えて転職サイトを開いている——これが「会社辞めたいループ」の正体です。
私自身、調剤薬局で10年以上働いてきましたが、何度か「辞めたい」の波がありました。人間関係、スキルの伸び悩み、ライフイベントとの両立……薬剤師特有の「狭い職場で固定メンバーと向き合う」環境だからこそ、逃げ場がないと感じる瞬間があります。
この記事では、転職で解決しないモヤモヤの構造と、「本音磨き」という技術を使って判断軸を言語化する方法をお伝えします。転職を否定するわけではありません。ただ、「転職で変えられること」と「変えられないこと」を分けておくと、次の一手がクリアになります。
なぜ職場を変えても不満が消えないのか

モヤモヤの「場所」と「構造」を分ける
でも、上司が変われば楽になりますよね? 人間関係が辛いのは、今の職場だからじゃないですか?

オカメインコ

ポッポ先生
その可能性はあります。ただ、上司が変わっても「自分がどう扱われたいか」が言語化できていないと、新しい職場でも同じ構造の不満が出やすいんです。
職場を変えれば消える不満と、自分が持ち歩いてしまう不満。この区別、つけられていますか?
たとえば、「処方箋を確認せず雑談ばかりの上司が嫌だ」という不満。これは一見、人間関係の問題に見えます。でも掘り下げると、「患者さんとの時間を大切にしたい」「業務効率を重視したい」という自分の価値観が見えてくる。この価値観に気づかないまま転職すると、別の形で同じ不満が再現されます。
薬剤師の退職理由の上位には「人間関係」「スキルアップの機会がない」「労働環境の悪さ」が並びます。でも、これらはすべて「表面の理由」です。現場だとここで詰まりがちですが、本当の問いは「その不満の裏にある、自分が大切にしたいものは何か」なんです。
「逃げ」と「攻め」の転職の違い
転職には2種類あります。「この職場を離れたい」という“逃げ”と、「こういう働き方をしたい」という“攻め”。どちらが良い悪いではありません。ただ、”逃げ”の転職だけを繰り返すと、ループにはまりやすい。
私ならまず、「何から逃げたいのか」を書き出すことから始めます。逃げたいものがクリアになれば、それは判断軸に変わるからです。
転職エージェントは「八百屋」であって「料理人」ではない

求人を並べてくれる人、献立を考えてくれる人
転職エージェントに相談すれば、自分に合う職場を見つけてくれるんじゃないですか?

オカメインコ

ポッポ先生
エージェントは「良い野菜(求人)」を揃えてくれますが、「あなたが何を食べたいか(何を大切にしたいか)」は教えてくれません。それを決めるのは自分の仕事です。
ここ、誤解されやすいので先に言うと、転職エージェントを否定しているわけではありません。むしろ、使い方次第でとても心強い存在になります。
ただ、「自分が何を求めているか」が曖昧なまま相談しても、条件面のマッチングにしかならない。年収、通勤時間、勤務形態——これらは大事です。でも、「なぜその条件が大事なのか」まで言語化できていると、エージェントも提案しやすくなります。
エージェント活用のタイミング
逆に言うと、「本音磨き」をした後でエージェントに相談すると、情報の受け取り方が変わります。「この求人は自分の価値観に合うか」という判断ができるようになるからです。
薬剤師専門の転職エージェントを選ぶなら、職場の雰囲気や人間関係まで把握しているところがおすすめです。
たとえばファルマスタッフは、担当者が実際に職場を訪問して「1日の処方箋枚数」「残業の有無」「職場の雰囲気」まで確認しています。日本調剤グループの教育ノウハウを活かした研修制度もあるので、スキルアップを判断軸にしている人との相性がいいですね。
ただし、これはあくまで「自分の本音がクリアになってから」の話です。まずは次のセクションで、本音を言語化する方法を見ていきましょう。
「退職成仏ノート」で感情を吐き出す

なぜ書くことが必要なのか
正直、忙しくてノートを書く時間なんてないです……。

オカメインコ

ポッポ先生
5分でいいんです。通勤電車や休憩時間に、スマホのメモでも構いません。大事なのは「頭の中でぐるぐる回っているもの」を外に出すことです。
「退職成仏ノート」は、辞めたい気持ちを成仏させるためのツールです。書くべきは3つ:
| 書く項目 | 例(薬剤師の場合) |
|---|---|
| ①イヤだったこと | 「処方監査中に話しかけられて集中できなかった」 |
| ②そのとき感じたこと | 「自分の仕事を軽く見られている気がした」 |
| ③本当はどうしてほしかったか | 「集中したい時間を尊重してほしかった」 |
③が出てくると、これが「自分が大切にしていること」のヒントになります。
書くときのコツ
「上司がムカつく」で止めると成仏しません。「なぜムカついたのか」「本当はどうしてほしかったのか」まで掘り下げることが大事です。
薬剤師の現場だと、こんな「イヤだったこと」が出やすいです:
- 調剤ミスを責められたが、フォロー体制の問題を誰も指摘しない
- 患者さんと話す時間がないのに「服薬指導の質を上げろ」と言われる
- 有給を申請したら嫌な顔をされた
- 新しい業務を教えてもらえず、見て覚えろと言われた
これらを「本当はどうしてほしかったか」まで掘ると、自分の判断軸が見えてきます。
- 「ミスを責めるのではなく、仕組みで解決したい」
- 「患者対応に時間をかけたい」
- 「プライベートも大切にしたい」
- 「丁寧に教えてもらいたい」
——これが本音です。
「人間関係の仕分けノート」で義理を減らす

つながりと義理を分ける
職場の人間関係を書き出すって、なんだか生々しいですね……。

オカメインコ

ポッポ先生
抵抗があるかもしれませんが、「この人との関係は、自分にとってどんな意味があるか」を整理するだけです。切る・切らないの判断ではありません。
薬局という狭い空間で、固定メンバーと毎日顔を合わせる。女性が多い職場特有の派閥や、「お局」と呼ばれる存在。人間関係のストレスが退職理由のトップに来るのは、この環境ゆえです。
「人間関係の仕分けノート」では、職場の人を3つに分類します:
| 分類 | 定義 | 対応 |
|---|---|---|
| つながり | 一緒にいると元気が出る人、学びがある人 | 大切にする |
| 義理 | 「職場だから」という理由でつながっている人 | 距離を調整してOK |
| 有害 | 一緒にいるとエネルギーを奪われる人 | 物理的に距離を取る |
いまの状況だと、「義理」に振り回されすぎていませんか? 薬局の人間関係は密になりやすいので、「みんなと仲良くしなきゃ」という圧力を感じやすい。でも、すべての人と等距離でいる必要はないんです。
転職で人間関係がリセットされるか?
「転職すれば人間関係がリセットされる」と期待する人は多いです。でも、自分がどういう人と働きたいか、どういう距離感を望むかが曖昧だと、新しい職場でも同じパターンを繰り返します。
ただし、「有害」な人が明らかに存在する場合は、その場を離れることが正解のこともあります。
ここは境界条件です。パワハラやセクハラ、明らかな違法行為がある場合は、「本音磨き」の前に環境を変えることを優先してください。
「明日への手紙」で本音を伝わる言葉に変換する

本音を「判断軸」に言語化する
本音がわかっても、それを転職活動でどう伝えればいいんですか? 「患者との時間を大切にしたい」って言っても、面接で響くかどうか……。

オカメインコ

ポッポ先生
そのままでは響きにくいかもしれません。本音を「相手にとってのメリット」に変換する作業が必要です。それが「明日への手紙」です。
「退職成仏ノート」で出てきた本音を、判断軸として言語化し、さらに他者に伝わる形に翻訳する。これが「明日への手紙」です。
例を挙げます:
| 本音 | 判断軸 | 伝わる言葉 |
|---|---|---|
| 「患者との時間を大切にしたい」 | 対患者コミュニケーション重視 | 「服薬指導に時間をかけられる環境で、患者さんのアドヒアランス向上に貢献したい」 |
| 「スキルが伸びない環境が嫌だ」 | 成長機会重視 | 「専門性を高められる環境で、かかりつけ薬剤師として地域医療に貢献したい」 |
| 「プライベートも大切にしたい」 | ワークライフバランス重視 | 「長く働ける環境で、継続的に組織に貢献したい」 |
私ならまず、「自分が嫌だったこと」から始めて、「何を大切にしたいか」を言語化します。その後、「それを実現できる職場はどういう条件か」をリスト化する。この順番が大事です。
判断軸を持っていると何が変わるか
判断軸がクリアになると、求人情報の見方が変わります。「年収が高い」だけでなく、「なぜその年収になっているか」「残業は多いのか」「教育体制はどうか」といった、自分にとっての優先事項がチェックできるようになる。
転職エージェントとの会話も変わります。「こういう軸で探しています」と伝えられると、担当者もマッチする求人を探しやすい。
この段階になったら、ファルマスタッフのような職場環境まで把握しているエージェントに相談すると、軸に合った求人を紹介してもらいやすくなります。
対面でのヒアリングを大切にしているサービスなので、「自分が何を求めているか」を整理する機会にもなりますよ。
「本音磨き」の注意点と例外

いま動くべきか、待つべきか
でも、体調崩しているのに「まず本音磨きを」って言われても、正直しんどいです……。

オカメインコ

ポッポ先生
それは正しい感覚です。「心身の安全」が最優先です。体調を崩しているなら、まず休む。本音磨きは、少し余裕ができてからで大丈夫です。
ここ、迷いやすいところです。「本音磨き」が有効なのは、ある程度の余裕があるとき。以下の場合は、先に環境を変えることを優先してください:
- 心身に明らかな不調が出ている(眠れない、食欲がない、涙が止まらない)
- パワハラ・セクハラがある
- 法令違反(労働基準法違反、薬機法違反など)がある
- 自分の判断が信用できないほど追い詰められている
薬剤師は資格があるので、一度離れても戻ってこられます。ブランクがあっても復職支援が充実している転職サービスもあります。「逃げること」を選択肢から外さないでください。
小さく検証する
逆に、「いまの職場でできる小さな変化」から始めるのも有効です。転職という大きな決断の前に、小さな検証を回す。
- 「患者との時間を大切にしたい」→ 服薬指導の時間を意識的に長く取ってみる
- 「スキルを伸ばしたい」→ 認定資格の勉強を1日15分から始めてみる
- 「人間関係を整理したい」→ 義理の飲み会を1回断ってみる
この小さな変化で得た感覚が、転職すべきかどうかの判断材料になります。
おすすめ薬剤師転職エージェント 2選
用途が違う2社を並べておくと、読者が「自分に合う方」を選びやすくなります。
ファルマスタッフ
待遇・年収を優先して、薬局/ドラッグストア中心に「選択肢を広く比較したい」人向け。 地域密着で“求人票にない情報”まで確認しながら提案してもらえます。
こんな人におすすめ
- 薬局・Dgsの求人を多数比較して、待遇アップの可能性を最大化したい
- 職場の雰囲気や方針など、求人票に出ない情報も踏まえて選びたい
強み(要点)
- 全国対応・地域密着で求人情報の解像度が高い
- 書類作成・面接調整・給与や休日の条件交渉まで手厚い
- 日本調剤グループの教育ノウハウを活かした支援の訴求あり
注意点(デメリット)
- 企業求人は相対的に弱め(企業志望が強い場合は併用が無難)
連絡頻度や希望条件は、最初に「ここまで」と決めて伝えるとストレスが減ります。
薬キャリAGENT
忙しくても効率よく進めたい/まず候補を短時間で作りたい人向け。 非公開求人や条件交渉、裏側情報の確認まで“スピード×実務代行”で進めやすいのが特徴です。
こんな人におすすめ
- 仕事が忙しく、転職活動の手間(調整・交渉)を減らして進めたい
- 求人票だけでは判断できない点(働きやすさ等)も確認してミスマッチを減らしたい
強み(公式が掲示している特徴)
- 最短即日で求人提案(最大10件/派遣は最大5件)
- 非公開求人多数+市場に出ていない募集の有無も個別確認
- 面接日程の調整や条件交渉を代行
- 求人票に出ない“裏側”情報まで調査
※上記は薬キャリAGENT公式の特徴説明に基づく表現です。
注意点(デメリット)
- 提案テンポが速いと感じる場合あり(連絡ペースは最初に指定がおすすめ)
- 企業一本志望なら、企業特化サービスの併用も検討
まとめ:転職の前に「本音磨き」をすすめる理由

薬剤師の転職市場は選択肢が多い。でも、選択肢が多いからこそ、「自分は何を大切にしたいか」が曖昧だと迷い続けます。
「会社辞めたいループ」を断ち切るには、以下の3ステップで本音を言語化してみてください:
- 退職成仏ノート:イヤだったこと→感情→本当の望みを書き出す
- 人間関係の仕分けノート:つながり/義理/有害を整理する
- 明日への手紙:本音を判断軸に変換し、伝わる言葉にする
この作業の後で転職を選んでも、同じ職場に留まっても、どちらでもいいんです。大事なのは「自分で選んだ」という感覚を持てること。
次の一歩として、今日から5分、スマホのメモに「最近イヤだったこと」を書いてみてください。それが本音磨きの第一歩になります。
転職を考える段階になったら、薬剤師専門のエージェントに相談するのも有効です。ファルマスタッフのように職場環境まで把握しているサービスを選ぶと、自分の判断軸に合う求人を見つけやすくなります。
この記事は、佐野創太『「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法』の考え方をもとに、薬剤師向けにアレンジしました。


