今回は腎機能について勉強したので、内容をまとめたいと思います。
私としては、薬局薬剤師が当たり前に①医学論文が読めるようになってほしいし、②PISCSやCR-IR法などを用いて医薬品の相互作用も評価できるようになってほしいし、③腎機能も評価できるようになってほしいと思ってます。
ただ腎機能評価するのって、ピットフォールが沢山あって、なかなか難しいですよね(私自身、そう思っています)
というわけで何回かに分けて、腎機能を評価する上で「ここ分かりづらいんだよな」って感じたことをなるべくわかりやすくまとめようと思っています。
るるーしゅ
ちなみにそこまで深くやらないので、もっと知りたい方は自分で調べてみてください
目次
GFRとCCrって同じもの?
今回は、GFRとCCr(クレアチニンクリアランス)についてです。
添付文書には、CCrに応じた投与量が記載されているのに、患者さんの血清クレアチニン値からeGFRを計算して、添付文書のCCrに当てはめて投与量が不適切ではないか判断している事例ってありますよね。(eGFRのeはestimateで推算という意味です)
るるーしゅ
なんでCCrで書いてあるのに、eGFRで評価してるの?
CCrとeGFRは同じもの?
こうなりますよね。
ただCCrとGFRは同じものではなく、CCrのほうが20~30%高いようです。
なので実測CCr(1日の尿をとる方法)と推算CCr(Cockcroft & Gault式)をeGFRにするには以下の係数をかけます。
酵素法とJaffe(ヤッフェ)法
なんでCCrとGFRは異なるのに、実際の現場では血清クレアチニン値からeGFRを計算して、添付文書のCCrでの投与量を確認しているのか、そのカギは酵素法とJaffe法です。
酵素法、Jaffe法ともに、血清クレアチニン値の測定方法です。今は酵素法を使っていて、一昔前まではJaffe法を用いていたようです。
そして、この測定方法の違いにより、血清クレアチニン値が異なります。具体的には、一昔前のJaffe法のほうが0.2㎎/dLほど高く出るようです。
さて、ここで実測CCrとCG式での推算CCrの計算方法をざっくりと紹介します。
どちらも血清クレアチニンは、分母にあります。つまり一昔前のJaffe法(酵素法+0.2)で測定した血清クレアチニン値でCCrを計算すると、酵素法で出た血清クレアチニン値で計算したCCrより小さい値になりますよね。
この値が、ちょうどeGFRと近似するので、一昔前の医薬品の添付文書に記載されているCCrはeGFRとみなしていいよとなります。(もしくはCG式に、血清クレアチニン値+0.2を入れて、CCrを出して評価する)
るるーしゅ
分かりやすく書いているつもりだが、分からない人が読んで理解できるかの自信はない
一昔前っていつごろまで?
というわけで、Jaffe法で測定した血清クレアチニン値から計算されたクレアチニンクリアランスは、酵素法で計算したeGFRと近似するので、一昔前の医薬品の添付文書にCCrで記載されていても、eGFRで評価してOKです。
ただこれがいつ頃までは、Jaffe法でいつからが酵素法かはあまりよく分からないです。
月刊薬事2019年10月号によると、以下のようです。
商品名 | 一般名 | 血清Cr測定方法 | 販売開始年月日 |
---|---|---|---|
ガスター | ファモチジン | Jaffe法 | |
バルトレックス | バラシクロビル | Jaffe法 | 2000年 |
プラザキサ | ダビガトラン | Jaffe法 酵素法混在? | 2011年 |
タリージェ | ミロガバリン | 酵素法 | 2019年 |
最後に
今回は、私自身が「なんでだよ」とつまづいた部分を自分なりにまとめてみました。このほかにも腎機能を評価する上でのピットフォールがあり、なかなか難しい部分ではありますが、これからの薬剤師は当たり前に腎機能を評価できなきゃいけないと思っているので頑張って勉強していきます。