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薬剤師として働く動機は何なのか?
2022年調剤報酬改定の方向性や薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループの会議資料を見ていると、今後、薬剤師として働いていくのは楽な道ではなくなるだろうなと思っています。
というわけで今回、私が今読んでいるキャリアの本に影響を受けたので、是非ともあなたが薬剤師として働く動機の質について知りたいと思っています。
働く動機の質については大きく以下の3つに分類することができます。
生計を立てるためにやらねばならない仕事です。
生涯の長きにわたってやっていきたいと思える自分を開発してくれる仕事
魂の叫びとしてやらずにはいられない使命的な仕事
あなたが今、働いている仕事の動機の質は上記の3つで振り分けるとどうなりますか?
以下のグーグルフォームよりご回答いただけると幸いです。全部で8問で回答にかかる時間は数分です。
るるーしゅ
回答が集まり次第、記述統計データとしてブログで公開したいと思っています。
アンケート内容
2022年2月17日より、本ブログおよびTwitter経由で上記のグーグルフォームを用いて薬剤師として働く動機などのアンケートを実施しました。
- 職種(病薬・薬局・ドラッグ・その他)
- 年齢(20代・30代・40代・50代・60代以上)
- 性別
- あなたの仕事でライスワーク、ライフワーク、ソウルワークの割合は?
- 宝くじで10億円当たったら今の仕事を続けるか?
- (続ける場合)労働条件はそのままか?
- (続けない場合)別の仕事をするのか?
2022年2月2月19日時点で239件の回答が得られました。ただ4番のライスワーク、ライフワーク、ソウルワークの割合の合計が10割以上いってしまった方は除外しています。またその際にその他の職種の方が数名しかいなかったので除外して、病院薬剤師(n=35)、薬局薬剤師(n=109)、ドラッグストア薬剤師(n=21)の165名にて評価します。
職種ごとのライスワーク、ライフワーク、ソウルワークの割合について
大分n数に偏りがありますが、各職種ごとに今の仕事に占めるライスワーク、ライフワーク、ソウルワークの割合の平均値を記載します。
各職種ごとのライスワークの割合
まずはライスワークの割合を各職種ごとに平均値を出してみました。
- 病院薬剤師・・・5.25
- 薬局薬剤師・・・6.30
- ドラッグストア薬剤師・・・5.81
つづいてライスワークの割合が8割以上と回答した方の割合です。仕事へのモチベーションの8割以上は生活のためですと回答した人たちがどれくらいいるかってことです。
- 病院薬剤師・・・6/35=17.1%
- 薬局薬剤師・・・37/109=33.9%
- ドラッグストア薬剤師・・・3/21=14.3%
るるーしゅ
これは私の中では意外な結果でした…
薬剤師の給料って、ドラッグストア薬剤師>薬局薬剤師>病院薬剤師となることが多いので、ドラッグストア薬剤師のほうがライスワークですって回答する人多いのでは?と思ってました。
また病院薬剤師の方でもモチベーションの8割以上生活のために病院薬剤師として働いていますっていう人が17%もいるっていうのがビックリです。(この方たちの給与はわかりませんが、生活のためなら薬局やドラッグのほうが給与いいのでは?と思ったり…)
宝くじで10億円当たったら今の仕事を続けるか?
つづいて宝くじで10億円当たったら仕事を続けるか?についてです。薬剤師の仕事は世の中の役に立っていると思いますし、勉強にもなるので経済的自立を達成しても続ける人は多いのではないかな~と勝手に思っていますがどうでしょうかね。
- 病院薬剤師・・・24/35=68.6%
- 薬局薬剤師・・・69/109=63.3%
- ドラッグストア薬剤師・・・14/21=66.7%
上記のライスワークの流れからしたら、やっぱり薬局薬剤師が低いですが、どの職種でも同じような回答ですね。ただ興味深かったのは、働くとしても労働条件は楽にするか?という質問に対し、薬局薬剤師やドラッグストア薬剤師は8割程度が今より楽な労働条件で働くと回答していましたが、病院薬剤師は半数程度が今のままで働くと回答していました。
るるーしゅ
病院薬剤師の人はパワフルですね
今の仕事を続けないと回答した人たちは?
今の仕事を続けないと回答した方は、もしかしたら別の職種(病院→ドラッグ)など自分がやりたい仕事につくのでは?と思ってのでそれについても質問しています。
病院薬剤師(n=11)
仕事をしない :5/11
薬剤師免許を活用した別の仕事を続ける :3/11
薬剤師免許を活用しない別の仕事を続ける: 3/11
薬局薬剤師(n=40)
仕事をしない :19/40
薬剤師免許を活用した別の仕事を続ける :7/40
薬剤師免許を活用しない別の仕事を続ける: 14/40
ドラッグストア薬剤師(n=7)
仕事をしない :2/7
薬剤師免許を活用した別の仕事を続ける :1/7
薬剤師免許を活用しない別の仕事を続ける: 4/7
このデータを見た上での所感
今回の結果ですが、すこし想像していた結果とは違くて、面白いな~と思っています。またなにより私自身が薬局薬剤師なので、アンケートを実施しても偏りが生じるのかな~と思います。(薬局薬剤師は幅広いレベルの人が回答するが、病薬やドラッグストア薬剤師はレベルの高い層のみなど)
あと、やはりしっかりとキャリアの教育を実施しなきゃダメでしょうね。3人のレンガ積みやら石工師の話はどこかで聞いたことあると思います。
6年間高い授業料払って苦労してとった資格での仕事がライスワークで終わるのは勿体ないかなと思います。とか偉そうなことを言ってても私自身も20代の頃は「この仕事にやりがいを全然感じないけど、私は愛想と要領がいいから何とか続けている」みたいな人間でした。
わたしはブログを始めたのがきっかけで色々と交流や知識が深まったことにより、働くうえでのやりがいがでてきたと思っています(グロウス・パッションとかいうらしい)
るるーしゅ
これから薬剤師過剰時代になってくるので、薬剤師として働く動機がライスワーク以外のものもあったほうがいいと思います。そのためにはまずは自分の意識を変えることが大切かなと思います。
組織でこのようなキャリア教育を実施すると、「わたし、何でここで働いているんだろう?」という気づきから退職してしまうことがケースが出てくると思います。
これ自身は自律という観点からは望ましいのですが、組織で研修を担当する側からすると、自分たちの実施した研修で退職することが自分のキャリアにとって重要だと気づかせてしまうのは出来ないですよね…
今回のブログがきっかけで自分のキャリア、つまりどのような働き方をしたいかなど考えるきっかけになれば幸いです。今後は健やかに働き続けることを意識したキャリア戦略が必要なのではないかなと思います。
るるーしゅ
上記の記事もよかったら参考にしていただければ幸いです。