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薬剤師の転職で損しない|有給・残業・みなし残業の落とし穴と求人票の読み方

転職活動で求人票を見比べていると、有給休暇の日数や残業時間の記載に目が行きますよね。「年間休日120日」「残業月10時間以内」「有給消化率80%」——並んでいる数字はどこも似たように見えます。

でも、いざ入職してみたら話が違った、というのは珍しい話ではありません。私がこの記事で伝えたいのは、求人票の”制度”と職場の”運用”にはギャップがあるということ。そして、そのギャップは事前に見抜けるポイントがあるということです。

この記事では、有給休暇・残業・みなし残業(固定残業代)の3つに絞って、薬剤師が転職時に見落としやすい落とし穴と、面接で使える具体的な質問テンプレートまでまとめました。「条件は悪くなかったはずなのに、なぜか働きづらい」を防ぐために、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事でわかること

  • 有給・残業・みなし残業、それぞれの「求人票に書かれない落とし穴」
  • 求人票で見るべき欄と、警戒すべき文言
  • 面接でそのまま使える質問テンプレート(有給/残業/人員体制)

「条件は同じに見える」のに差が出る理由

求人票に書かれた情報はあくまで制度上のスペックです。有給が「年間120日+有給20日」と書いてあっても、実際に取れるかどうかは別の話。ここ、心当たりありませんか?

差が出る最大の原因は「人員の余裕」と「職場の空気」の2つです。制度がどれだけ整っていても、薬剤師が常にギリギリの人数で回している職場では、有給申請のハードルは高くなります。逆に言うと、制度が平凡でも人員にゆとりがある職場のほうが、実質的な働きやすさは上ということもあるわけです。

でも、人員の余裕なんて求人票に書いてないですよね?どうやって見分けるんですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そこがポイントですね。求人票の”数字”だけでなく、”書き方”や”書いていないこと”に注目する必要があります。まずは有給・残業・みなし残業、それぞれの落とし穴を押さえていきましょう。

「同じ条件なのに差が出る」のは制度の問題ではなく運用の問題。これが前提です。ここを理解しておくと、求人票の見え方がだいぶ変わります。


有給休暇の落とし穴——付与日数より「取得率」と「空気」を見る

法律上のルールを確認する

まず前提を押さえます。労働基準法上、入社6ヶ月で10日の有給が付与され、勤続年数に応じて最大20日まで増えます。さらに、2019年4月からは年5日の取得が企業の義務になりました(厚生労働省「年次有給休暇の確実な取得」)。

つまり、年5日は法律上「取らせなければ違法」です。裏返すと、5日ギリギリしか取れていない職場は、義務の最低ラインでやっと回している状態と読めます。

薬剤師の現場で起こりやすい問題

薬剤師白書2020年度版のデータによると、薬剤師の有給取得率は「60〜80%未満」と「80〜100%」がそれぞれ約25%を占める一方、取得率を正確に把握できていない事業者も約7.6%存在しています。

ここで注意したいのが以下の4点です。

落とし穴具体的な中身
付与と取得のズレ「有給20日付与」でも取得が5日なら実質5日。付与日数ではなく取得実績を確認する
時季変更権の乱用「忙しいから別の日に」が繰り返され、結果的に取得が先延ばしになるパターン
暗黙の”空気”「有給を取ると言ったら『みんなが言い出したらどうなる』と返された」という声も報告されている
退職時の消化率マジック有給消化率が高い=退職者が一気に消化しているだけ、という可能性もある

「有給消化率80%」という数字だけ見ると良い職場に思えますが、退職者の一括消化が含まれていないか、日常的に取れているのかは別問題です。私ならまず「直近1年で、在籍中の薬剤師が実際に何日取得しているか」を確認します。

正直、面接でそこまで聞いて大丈夫ですか?印象悪くなりませんか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

聞き方次第ですね。「御社の有給取得を促進する取り組みがあれば教えてください」という形なら、制度への関心として受け取ってもらえます。具体的な質問テンプレートは最後のセクションでまとめますね。

ただし、小規模薬局(薬剤師1〜2名体制)の場合は事情が異なります。物理的に休めない構造なので、「有給が取りにくい=ブラック」と一概には言えません。その場合は、ヘルプ体制や近隣店舗との連携があるかどうかが判断のカギになります。


残業の落とし穴——「月10時間」の裏にあるもの

薬剤師の平均残業時間はどのくらいか

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の月あたり残業時間の平均は約10時間です。全職種平均と比べると少なめに見えますが、ここには注意が必要です。

まず、企業規模による差が大きい。10〜99人規模の薬局では平均4時間、1,000人以上の企業では平均15時間と、約4倍の開きがあります。

薬剤師特有の残業が発生する構造

現場だとここで詰まりがちですが、薬剤師の残業には他の職種にない特殊な原因があります。

① 門前薬局の「閉院待ち」問題

隣接する医療機関の診療が延びれば、薬局も閉められません。営業時間通りに終わるかどうかは医院次第という構造的な問題です。

② 薬歴記載の持ち越し

日中は患者対応に追われ、薬歴記載が閉局後にずれ込むケースは非常に多い。薬歴管理用のPCが共用だと、順番待ちでさらに時間がかかります。

③ サービス残業の温床

特に病院薬剤師では、病棟業務後の会議や勉強会が時間外に行われ、それが残業としてカウントされないケースがあります。休憩時間中の業務も、労働から解放されていなければ本来は労働時間です。

求人票に「残業月10時間」と書いてあっても、薬歴やサービス残業が含まれていないかもしれないってことですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そういうことです。だから”平均残業時間”だけでなく、”残業が発生する主な理由”と”勤怠の記録方法”を聞くのが大事です。タイムカード制なのか自己申告なのかで、数字の信頼性がまったく変わりますね。

いまの状況だと、求人票の残業時間をそのまま信じるのはリスクがあります。特に「残業ほぼなし」と書いてある求人は、本当にないのか、記録されていないだけなのかを見極める必要があります。


みなし残業(固定残業代)の読み方——「月給が高い」に潜む落とし穴

みなし残業の基本の仕組み

みなし残業(固定残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支払う制度です。誤解されやすいので先に言うと、「固定残業代を払っているから、いくら残業させてもOK」ではありません。設定時間を超えた分は、法律上、追加で支払う義務があります(労働基準法第37条)。

求人票で確認すべき3つの記載

厚生労働省のガイドラインでは、固定残業代を含む求人票には以下の3点をすべて明示するよう求めています。

必須記載項目確認ポイント
① 固定残業代を除いた基本給の額基本給が最低賃金を下回っていないか逆算する
② 固定残業代の金額と対応する時間数「何時間分で何円か」が明記されているか
③ 超過分の割増賃金を追加支給する旨この記載がなければ要注意

たとえば「月給30万円(固定残業代5万円/30時間分を含む)」と書いてあれば、基本給は25万円。ここから時給を逆算して最低賃金を下回っていないか確認できます。

注意すべきラインは「月45時間」

36協定で定められた時間外労働の上限は原則「月45時間」です。固定残業時間が45時間に近い、あるいは超えている場合は、長時間労働が常態化している可能性を示唆しています。裁判例でも、月45時間を超える固定残業設定は公序良俗違反として無効と判断されたケースがあります。

どうですか? 求人票の月給が周囲より高く見えたとき、その内訳を分解してみると景色が変わることがあります。

それってつまり、月給が高い求人ほど疑ったほうがいいってことですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

一概には言えませんが、”相場より明らかに高い”場合は固定残業代が上乗せされている可能性があります。基本給を抜き出して比較するクセをつけると、求人の見え方がかなり変わりますよ。

ただし、固定残業代は実際に残業しなくても全額支給される制度でもあります。効率よく働いて定時で帰れるなら、実質的な時給は上がります。制度そのものが悪いわけではなく、運用が適正かどうかが問題です。


求人票で見るべき欄・警戒すべき文言

ここまでの内容を踏まえて、求人票を見るときのチェックリストを整理します。

見るべき欄

私ならまずこの順番で確認します。

  1. 基本給の内訳——固定残業代が含まれていないか。含まれている場合、基本給と固定残業代が明確に分かれているか
  2. 年間休日数と有給取得実績——「年間休日120日」は制度。「有給取得率◯%」のほうが実態に近い
  3. 勤務時間と残業時間の記載方法——「残業あり」だけでは情報不足。月平均◯時間と書いてあるか
  4. 薬剤師の人員体制——常勤薬剤師◯名と書いてあるか。1日の処方箋枚数と薬剤師数の比率

警戒すべき文言

文言なぜ警戒するか
「月給◯万円(一律手当含む)」手当の内訳が不明。固定残業代が隠れている可能性
「残業ほぼなし」「ほぼ」の定義が曖昧。記録されていないだけの可能性
「アットホームな職場」制度より人間関係に依存した運営を示唆することがある
「やる気のある方歓迎」業務量の多さを前向きな表現で包んでいる可能性
常に募集が出ている離職率が高く、根本的な問題が解決されていない可能性

誤解のないように言っておくと、これらの文言があるからといって必ずしも問題のある職場とは限りません。ただ、「具体的な数字が書かれていない部分」にこそ、確認すべき情報が隠れているというのが私の判断軸です。

でも、求人票だけで全部わかるわけないですよね?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その通りです。求人票はあくまで”ふるい”。本当の情報は面接で取りにいく必要があります。次のセクションで、そのまま使える質問テンプレートを用意しました。


面接で聞くべき質問テンプレート——有給・残業・人員体制

面接は「選ばれる場」であると同時に「選ぶ場」でもあります。以下の質問は、角が立ちにくい聞き方に整えてあるので、そのまま使えます。

有給に関する質問

  • 「薬剤師の方の有給取得を促進する取り組みはありますか?」
  • 「直近1年で、薬剤師の方は平均何日くらい有給を取得されていますか?」
  • 「連休を取得しやすい時期はありますか? また、繁忙期はいつ頃でしょうか?」

残業に関する質問

  • 「薬歴記載は営業時間内に完了できる体制ですか? それとも閉局後に行うことが多いですか?」
  • 「勤怠管理はどのような方法で行われていますか?(タイムカード/PC打刻/自己申告)」
  • 「繁忙期の残業時間は月どのくらいになりますか?」

人員体制に関する質問

  • 「現在、この店舗の常勤薬剤師は何名体制ですか?」
  • 「1日の平均処方箋枚数はどのくらいですか?」
  • 「急な欠勤が出た場合のヘルプ体制はどうなっていますか?」

ここ、迷いやすいところですが、すべてを一度に聞く必要はありません。一次面接では1〜2問にとどめ、条件面談や二次面接で残りを確認するのが現実的です。

転職エージェントを利用している場合は、事前にエージェント経由で確認してもらうのも手です。面接の場では聞きにくい残業の実態や有給取得率などは、第三者を通したほうがスムーズに情報が出てくることがあります。

質問ばかりして「条件ばかり気にする人」と思われませんか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

聞き方を工夫すれば大丈夫です。たとえば「長く働きたいので、実際の働き方をイメージしたくて質問させてください」と前置きするだけで、印象はだいぶ変わります。むしろ、制度の確認をしっかりする人は”定着しそう”と評価されることもありますよ。


まとめ:求人票の条件は「運用」まで確認してはじめて比較できる

この記事のポイントを振り返ります。

  • 有給は「付与日数」ではなく「取得実績」と「職場の空気」で判断する
  • 残業は「月◯時間」の数字だけでなく、薬歴記載のタイミングや勤怠管理の方法まで確認する
  • みなし残業は基本給と固定残業代を分解し、時間数と金額が明示されているかをチェックする
  • 求人票は”ふるい”。本当の情報は面接と第三者(エージェント等)で取りにいく

条件面だけで転職先を決めるのはリスクがあります。でも、条件の”読み方”を知っておけば、地雷を踏む確率はかなり下がります。

次の一歩として、いま気になっている求人票があれば、この記事のチェックリストと照らし合わせてみてください。基本給の内訳を分解する、有給の取得実績を聞く——この2つだけでも、見える景色が変わるはずです。

複数社を横並びにして比較し、面接では同じ質問をぶつけるのが最短ルートです。1社の情報だけでは「これが普通なのか」がわかりません。転職エージェントを活用して、求人票に載っていない実態を事前に確認してもらうのもおすすめです。

なお、労働条件に関する法律の詳細は、厚生労働省の「年次有給休暇取得促進特設サイト」や「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」(厚生労働省リーフレット)で確認できます。不安な点があれば、最寄りの労働基準監督署への相談も選択肢に入れてください。

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