薬歴記載はAIで効率化!! 気になる方はこちらを!

古い薬局文化がしんどい:昭和ルールで消耗する人へ

「仕事そのものがイヤなわけじゃない。でも、この空気がしんどい」——そう感じたことはありませんか。

私は調剤薬局で働く30代の薬剤師です。薬剤師仲間と話していると、転職や退職の理由として「人間関係」が挙がる場面にしょっちゅう出くわします。でも、よく聞いてみると「人間関係」というより「職場の文化や空気が合わない」というケースがかなり多い。薬局薬剤師の退職理由として「職場の人間関係」は8.0%にのぼるという調査もあります(令和3年度 厚生労働省委託事業「薬剤師確保のための調査・検討事業」報告書)。ただ、この数字には表れない「空気の合わなさ」が、もっと広く・静かに薬剤師を消耗させているように感じています。

この記事では、古い職場文化のどこがしんどいのかを言語化し、現職でできる防御策と、「合う文化」の職場を見抜くチェックポイントをまとめました。転職を煽りたいわけではありません。ただ、合わない場所で頑張りすぎて自分をすり減らす前に、立ち止まって考える材料にしてもらえたらと思います。

しんどさの正体は「仕事」じゃなく「空気」

「仕事が忙しい」のと「職場の空気がきつい」のは、似ているようで全然違います。ここ、混同しやすいところです。

忙しさは一時的に負荷が上がっても、終わればリセットされます。でも空気——つまり職場に漂う暗黙のルールや価値観のズレ——は、いつまでも消えません。毎日の投薬、監査、疑義照会、その一つひとつの場面で「なんか違う」がずっと蓄積していく感覚、心当たりありませんか。

たとえば、有給を取ろうとしたときに「え、この時期に?」と言葉にはされないけど空気で圧をかけられる。疑義照会の方法について改善案を出したら「前からこうだから」で終わる。新しい取り組みを提案すると「まだ早い」と言われる。

私ならまず「自分がしんどいのは業務量なのか、空気なのか」を切り分けます。業務量なら配置や効率化で改善の余地がある。でも空気の問題は、仕組みでは解決しにくいんです。

でも、「空気が合わない」って主観ですよね? 自分がワガママなだけかも…って思っちゃうんですけど。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そう感じるのは自然なことですね。ただ、判断のポイントは「3か月以上、同じしんどさが続いているかどうか」です。一時的な摩擦と慢性的な価値観のズレは別物。3か月経っても同じなら、それはあなたの問題ではなく、構造の問題である可能性が高いです。

昭和ルールあるある——根性・長時間・感情論

「古い文化」といっても漠然としていますよね。ここでは、薬剤師の友人たちから聞く「昭和ルール」の典型パターンを整理してみます。いくつ当てはまるかチェックしてみてください。

パターン具体例隠れたメッセージ
根性主義「体調悪くても出勤が当然」「若いうちは苦労しろ」我慢=成長という価値観
長時間信仰早く帰ると「暇なの?」という視線。始業30分前出勤が暗黙の義務長く居る人=頑張ってる人
感情論による指導ミスへの対応が論理的な振り返りではなく叱責や無視正しさより上下関係が優先
変化の拒否「前からこうだから」「うちはこれでやってきた」改善提案=反抗と捉えられる
同調圧力飲み会・イベントの実質強制、休憩中も「チームの話題」に参加必須個人の時間・境界線が存在しない

どうですか? 3つ以上心当たりがあるなら、それはあなたの「我慢が足りない」のではなく、文化そのものが合っていない可能性があります。

誤解されやすいので先に言うと、これは「昭和世代が悪い」という話ではありません。個人の問題ではなく、組織として長年かけて固まった「当たり前」の問題です。逆に言うと、若い管理薬剤師でも古い文化を踏襲していることはあります。年代ではなく、構造を見る目が必要です。

正直、うちの薬局ほぼ全部当てはまるんですけど…。これって普通じゃないんですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

「よくある」と「健全である」は違いますね。薬局は少人数で閉鎖的な空間になりやすく、こうした文化が固定化しやすい構造的な特徴があります。産業カウンセラーの方々も、薬局の閉鎖性と人間関係の軋轢が結びつきやすいと指摘しています。「うちだけじゃない」は正しいですが、「だから仕方ない」とは限りません。

現職で摩耗しないコツ——言い方・距離感・境界線

「すぐ辞める」のが正解とは限りません。転職にはエネルギーが要りますし、疲弊した状態で動くと判断力が鈍って「今の職場よりマシならどこでもいい」と飛びついてしまうリスクもあります。

だから、まずは現職での消耗を減らす工夫を考えてみてください。ポイントは3つです。

① 言い方を変える——正論よりも「問いかけ」

「このやり方おかしくないですか?」は正論でも、古い文化の中では「反抗」に聞こえます。私ならまず「ここ、こうしたら患者さんの待ち時間減りそうなんですが、試してみてもいいですか?」という形にします。主語を「私」か「患者さん」にすると、文化の壁を迂回しやすいです。

② 距離感を意識する——巻き込まれすぎない

古い文化の薬局では、「みんな一緒」の圧が強いです。でも、業務上の協力と、プライベートな同調は別物です。昼休みに一人で過ごす、飲み会を毎回は断る。小さな境界線を一つずつ引いていくことで、消耗のスピードは確実に変わります。

③ 「記録」をつける——感情ではなく事実で判断する

「しんどい」がぼんやりしたまま何か月も過ぎると、感覚が麻痺します。いまの状況だと、「もうこういうものだ」と思い始めてしまう時期がいちばん危険です。週に一度でいいので「今週、何がしんどかったか」をメモしておく。3か月分たまったとき、客観的に読み返してみてください。パターンが見えます。

⚠ ただし——もし毎日出勤前に体調が悪くなる、涙が出る、眠れないといった状態が続いているなら、「現職で工夫する」段階ではありません。心身の健康が最優先です。産業医や厚生労働省の総合労働相談コーナー(全国の労働局・労働基準監督署に設置)への相談を検討してください。

距離を取ったら「協調性がない」って言われそうで怖いです…。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その不安はよくわかります。ポイントは「業務では全力で協力する」という姿勢を崩さないことですね。業務での信頼を積んでいれば、プライベートの線引きは徐々に受け入れられやすくなります。一気に変えるのではなく、小さく試すところからで十分です。

「文化が合う職場」の見抜き方——母体・評価・面接の空気

転職を視野に入れるなら、次こそ文化のミスマッチを避けたいですよね。求人票には「アットホームな職場です」と書いてあっても、それが本当にアットホームなのか、同調圧力の言い換えなのかは入ってみないとわからない——と思いがちですが、入社前にチェックできるポイントはあります。

チェック① 運営母体と規模を見る

個人薬局は社長の価値観がそのまま文化になります。良くも悪くもトップの人柄次第。中規模チェーンは店舗ごとに文化が異なることが多く、管理薬剤師のカラーが出やすいです。大手チェーンは制度やマニュアルが整っている反面、数字への圧が強い傾向があるとの声も聞きます。どれが「正解」ということではなく、自分が何を優先するかで選ぶ基準が変わります。

チェック② 年齢構成と離職率を確認する

ここ、迷いやすいところですが、見学時や面接時に確認できる情報です。中堅層(30代)が極端に少なく、若手とベテランに二極化している職場は、20代のうちに多くの人が辞めている可能性があります。離職率が高い=悪い職場とは限りませんが、理由は確認したいところです。

チェック③ 面接・見学時の「空気」を観察する

ある薬剤師の友人は、見学時に「事務さんと薬剤師の会話のトーン」を必ずチェックすると言っていました。上下関係が硬直している職場では、事務スタッフが薬剤師に対して極端に萎縮していたり、逆に薬剤師同士でも特定の人にだけ態度が違ったりする。短い見学時間でも、会話の様子は文化を映す鏡になります。

チェック④ 質問への答え方で判断する

「新しく入った方が最初に覚えることは何ですか?」「ミスがあった場合、どう対応されていますか?」——こうした質問に対して、具体的で仕組みの話が返ってくる職場と、「まあ、その場で教えますよ」と曖昧に返される職場では、教育文化がまったく違います。

見学前に聞くことリスト(友人薬剤師たちのおすすめ)

  • 「スタッフの平均勤続年数はどのくらいですか?」
  • 「直近1年で退職された方の人数は?」
  • 「新しく入った方に最初にお願いする業務は?」
  • 「ミスがあったときの対応フローはありますか?」
  • 「有給の消化率はどのくらいですか?」

ただし、見学は一面しか見えないことも事実です。可能であれば、転職エージェント経由でその職場の離職理由を聞いたり、知り合いの薬剤師ネットワークで評判を確認したりと、複数の情報源を持つことをおすすめします。

見学で本当に文化ってわかるものですか? 取り繕われそうな気もするんですが…。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

完全にはわかりません。でも「取り繕い方」にも文化は出ます。見学時にやたら良い面だけ強調して質問をはぐらかす職場と、課題も含めて正直に話してくれる職場は、そこだけでも空気が違いますね。複数の職場を同時に比較すると、差がより明確に見えてきます。

合わない文化で頑張るほど失うもの

最後に、これだけはお伝えしたいことがあります。

合わない文化の中で「頑張る」を続けると、失うものが3つあります。

1つ目は、自己肯定感。

「自分が合わせられないのは自分のせいだ」と感じ始めると、仕事の能力とは無関係に自信が削れていきます。薬剤師としてのスキルには何の問題もないのに、「自分はダメだ」と思い込んでしまう。これは環境が生んだ錯覚ですが、長く浸かるほど錯覚だと気づけなくなります。

2つ目は、成長の時間。

古い文化の中で生き延びるために使うエネルギーは、本来なら学び直しやスキルアップに向けられるはずのものです。同調圧力をかわす技術ばかり磨いても、薬剤師としての専門性は伸びません。

3つ目は、「動く力」そのもの。

これがいちばん怖い。消耗が進むと、転職活動をする気力すらなくなります。「どうせどこも同じだろう」という諦めが染みつく前に動けるかどうかが、その後のキャリアを大きく左右します。

いま、「しんどいけどまだ大丈夫」と思っている方。その「まだ大丈夫」が本当に大丈夫なのかどうか、週に一度だけ自分に問いかけてみてください。

「この職場で、1年後の自分はどうなっているか?」

想像してみて、ポジティブな絵が浮かばないなら——それは「まだ大丈夫」ではなく、「そろそろ準備を始めるタイミング」かもしれません。

でも、辞めたら「逃げた」って思われませんか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

「合わない場所から移動する」と「逃げる」は違います。合わない靴を無理に履き続けて足を壊すのと、自分に合う靴を探すのは同じ行為ではありませんよね。薬剤師は幸い、転職市場での選択肢が比較的多い職種です。その強みを使わない理由はないと思います。

まとめ:「文化が合わない」は、あなたの弱さじゃない

古い薬局文化がしんどいと感じること。それは、協調性がないからでも、我慢が足りないからでもありません。価値観が違う場所で消耗しているだけです。

この記事のポイント

  • しんどさの原因が「業務量」か「空気(文化)」かを切り分ける
  • 文化の問題は個人の努力では根本解決しにくい構造がある
  • 現職で消耗を減らす工夫(言い方・距離感・記録)をまず試す
  • ただし、心身に影響が出ているなら「工夫」の段階ではない
  • 転職時は求人票だけでなく、見学・面接での「空気」を複数比較する
  • 合わない場所で頑張り続けると、自己肯定感・成長・動く力を失う

次の一歩として、今日できること:「今週、何がしんどかったか」をスマホのメモに1行だけ書いてみてください。それを4週間続けるだけで、自分の判断材料ができます。

転職するにせよ、しないにせよ、判断軸が言語化できている人は強いです。「なんとなくしんどい」から「○○が合わないから△△を探す」に変わるだけで、次のアクションの精度がまるで変わります。


いまの職場で頑張り続けるのも選択肢です。

でも、比較対象がないまま耐えると「これが普通」と思い込みやすい。

まずは転職サービスで相場と条件を見て、自分の状況を客観視してみてください。応募しなくても大丈夫。判断材料を増やすだけで、気持ちはかなり軽くなります。

「文化」は入社しないと見えにくいからこそ、複数企業を同時に見ることが大事です。面接の受け答えや説明の丁寧さで”空気”を判断できると、失敗はぐっと減ります。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

\薬歴、半分の時間で終わらせませんか? /
「薬歴、溜まってる…」を終わりにする
AI薬歴ディープインパクト
無料で試してみる