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薬局の基本料・施設基準の調べ方【2026年版】厚生局データと「ナビイ」で職場環境を見抜く

「隣の駅のあの薬局、在宅に強いって聞くけど本当かな?」
「転職エージェントは『落ち着いた職場』って言うけど、実際は激務なんじゃない?」

近隣の薬局や転職候補先の「中身」、気になりますよね。
外から店舗を眺めているだけでは分からないことも、実は公開されているデータを組み合わせることで、驚くほど具体的に見えてきます。

この記事では、プロ(経営者や意識高い系薬剤師)が使う「厚生局の施設基準データ」と、2024年から全国統一された「医療情報ネット(ナビイ)」の2つを使いこなし、薬局の「算定状況(経営の裏側)」と「機能・規模(表側)」を丸裸にする方法を解説します。

特別なコネは不要です。今日から使えるリサーチ術を身につけましょう。

2つのツールを使い分ける:「裏側」の厚生局、「表側」のナビイ

薬局の情報を調べるには、目的によって2つのツールを使い分けるのが正解です。

  1. 厚生局の施設基準(受理届):
    基本料や加算の算定状況がわかる。「どれくらい稼いでいるか」「どんな体制をとっているか」という経営・実務の裏側が見えます。
  2. 医療情報ネット(ナビイ):
    薬剤師数、処方箋枚数、対応サービスなどがわかる。薬局の基礎体力(規模・人員)と機能が見えます。

まずは、少しマニアックですが、薬剤師としての働き方に直結する「厚生局データ」の調べ方から解説します。

方法① 厚生局データで「基本料・算定」を調べる

「施設基準の届出受理状況(通称:受理届)」を見ることで、その薬局が国に「うちはこの体制で算定します」と届け出ている内容を確認できます。

調べ方の手順

私なら以下の手順でアクセスします。慣れれば1分で終わります。

  1. Googleで「〇〇厚生局 施設基準 届出受理状況」と検索(〇〇は地域名)。
  2. 検索結果から「保険医療機関・保険薬局の管轄事務所ごとの届出受理状況」のページを開く。
  3. 「薬局」のPDF(またはExcel)リストを選択。
  4. リスト内で知りたい「薬局名」または「住所」を検索(Ctrl+F)。
ポッポ先生

ポッポ先生

管轄ごとの直リンクをまとめておきました。自分の地域のページをブックマークしておくと便利ですよ。

北海道厚生局
・東北厚生局(青森〜福島)※「東北厚生局 受理届」で検索
関東信越厚生局(東京、神奈川、千葉、埼玉、北関東、新潟、山梨、長野)
東海北陸厚生局(東海3県、北陸3県)
近畿厚生局(大阪、京都、兵庫など近畿2府5県)
中国四国厚生局(中国5県)
四国厚生支局(四国4県)
九州厚生局(九州7県、沖縄)

あのPDF、文字が小さくて記号ばっかりで…見るだけで心が折れそうなんですけど。もっとスマホでサクッと見れるやつないんですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その気持ち、分かります(笑)。厚生局のデータはあくまで『行政文書』ですからね。
もっと直感的に、地図や条件で検索したいなら、次紹介する『ナビイ』の出番です。

方法② 「医療情報ネット(ナビイ)」で機能を調べる

2024年4月から運用が開始された「医療情報ネット(通称:ナビイ)」をご存知ですか?
以前は都道府県ごとにバラバラだった「薬局機能情報提供制度」の検索システムが、全国統一のサイトになりました。

ナビイで分かること(※ここが重要!)

ナビイでは施設基準(点数)そのものは見られませんが、働き方分析に欠かせない「定量データ」が確認できます。

  • 人員体制: 薬剤師(常勤・非常勤)や事務スタッフの人数。
  • 業務量: 年間の処方箋枚数(※前年実績など)。
  • 営業情報: 正確な開局時間、営業日。
  • 在宅対応の可否: 「在宅患者訪問薬剤管理指導」の実施有無。
  • 設備・環境: 無菌調剤室の有無、キッズスペース、駐車場など。

特に「処方箋枚数 ÷ 薬剤師数」を計算すれば、1人あたりの負担がざっくり見えてきます。「1日40枚制限」に対してギリギリなのか、余裕がある人員配置なのかを推測する強力な手がかりになります。

ナビイの活用シーン

  • 忙しさの予習: 面接を受ける前に「年間〇〇枚で薬剤師〇人か…1人あたり結構多いな」と当たりをつけておけます。
  • 患者紹介: 「日曜日に開いている近くの薬局」や「麻薬の取り扱いがある薬局」を地図上で探すのに最適です。

なるほど! 厚生局のリストを見る前に、ナビイで人数とか枚数を見ておくだけでも、かなり職場のイメージが湧きそうですね。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その通りです。ただし注意点として、ナビイの情報は『年1回の報告』がベースなので、最新の状況とはズレがあることもあります(昨年度の実績、など)。
『ナビイ』で基礎体力(人数・枚数)を確認し、『厚生局』で今の稼ぎ方(施設基準)を見る。この合わせ技が最強ですよ。

謎の記号を解読する(2024年改定・2026年時点)

では、厚生局のリストに戻りましょう。ここに並ぶ「調基1」や「地支体」などの記号こそが、その薬局の労働環境を映す鏡です。
2026年1月現在(2024年度診療報酬改定ベース)の主要なポイントを解説します。

1. 調剤基本料(薬局の立地と集中率)

基本料を見れば、その薬局の「経営スタイル」と「処方箋の偏り」が分かります。

略号名称点数読み取れる特徴
調基1調剤基本料145点標準的。特定の病院に依存していない、または中小規模。最も自由度が高い。
調基2調剤基本料229点いわゆる「門前薬局」や「医療モール」。集中率が高く、枚数も多い傾向。
調基3イ調剤基本料3イ24点グループ薬局で、かつ集中率が高い店舗。
調基3ロ調剤基本料3ロ19点大手チェーンの門前。ここは数で稼ぐモデルなので、効率重視の現場になりがち。
調基3ハ調剤基本料3ハ35点同一グループだが、特定の医療機関への集中率は低い店舗。

※2024年度改定で、以前より点数が引き上げられています。

2. 体制加算(現場の忙しさと収益性)

「加算」は「収益」=「薬剤師への業務負荷」と読み替えてチェックします。

  • 地支体(地域支援体制加算):
    これがある場合、在宅実績、時間外対応などの要件を満たしています。
    特に「調基1以外(門前・大手)」で地支体を取っている場合は、厳しい実績要件(在宅年24回など)をクリアしているため、かなりアクティブ(忙しい)な店舗であると推測できます。
  • 後発調(後発医薬品調剤体制加算):
    後発調3(30点/90%以上)を取っている店舗は、ジェネリック変更への意識が極めて高いです。在庫管理や患者説明のプレッシャーは相応にあると考えてください。

うぅ…点数が高いのは経営的にはいいことだけど、働く側としては『楽ではない』ってことですね。覚悟がいりそう…。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その通り。でも逆に言えば、地支体や後発調3を取れている店舗は、経営基盤がしっかりしていて、薬剤師としてのスキルアップ環境が整っているとも言えます。
『楽な職場』を探すのか、『成長できる職場』を探すのか。この記号を見ることで、入社後のギャップを減らせるんですよ。

この情報をどう活かす?(転職・連携)

最後に、この2つのツールを組み合わせた実践的な活用法を紹介します。

1. 転職時の「ファクトチェック」に使う

求人票やエージェントの話を鵜呑みにせず、自分で裏取りをしましょう。

  • 「人数に対して処方箋が多くないか?」:
    ナビイで「処方箋枚数」と「薬剤師数」を確認。1日平均40枚を超えているような計算になる場合、事務員さんの人数や機械化(自動調剤機など)の状況もあわせて確認すべきポイントになります。
  • 「在宅に力を入れています」と言われたら:
    厚生局データで「地支体」や「在宅患調(在宅患者調剤加算)」の届出を確認。届出がなければ、まだ「これから頑張りたい」段階かもしれません。

2. 薬薬連携のパートナー探しに使う

自店で対応できないケースが発生した際、頼れる近隣薬局を探すのにも役立ちます。

  • 無菌調剤が必要な患者さん:
    ナビイで「無菌調剤室あり」を検索し、厚生局データで「無菌製剤処理料」の届出があるか確認。両方揃っていれば、稼働実績がある可能性が高いです。
  • 在庫がない薬の分譲:
    ナビイで近隣薬局をリストアップし、電話番号や位置関係を把握しておくと、いざという時にスムーズです。
ポッポ先生

ポッポ先生

『ナビイ』で基礎体力(規模)を確認して、『厚生局データ』で実態(算定)を深掘りする。この二刀流ができれば、あなたは地域の情報通になれます。
ただし、どちらのデータも更新のタイムラグはあるので、最終確認は必ず電話などで直接行ってくださいね。

まとめ:データを見る目は、自分を守る力になる

「調べ方がわからないから、とりあえず行ってみる」のと、「ある程度の仮説を持って行動する」のとでは、結果が大きく変わります。

この記事のポイント:

  1. ナビイ(医療情報ネット):
    処方箋枚数や薬剤師数などの「定量データ」が見れる。1人あたりの業務負荷を推測するのに便利。
  2. 厚生局データ(施設基準):
    経営の本気度や現場の忙しさを数値で確認できる。転職時のブラックボックス回避に必須。
  3. 2つを組み合わせる:
    「ナビイ」で規模感をつかみ、「厚生局」で中身を推測するのが最強のリサーチ術。

まずは手始めに、「いま自分が働いている薬局」をナビイと厚生局リストで検索してみてください。
「あ、うちはこういう風に公表されているんだ」と気づくことから、あなたのリサーチ力は磨かれます。

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