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薬剤師が”辞めたくなる日”ランキング:これが来たら危険信号

「もう無理かも」と思った日って、だいたい”事件”が起きた日じゃなくて、小さい理不尽が積み重なってプツンと切れた日だったりします。

私のまわりの薬剤師仲間に「辞めたいと思った瞬間ある?」と聞くと、ほぼ全員が苦笑いしながら「ある」と言います。厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、薬剤師を含む「医療・福祉」分野の離職率は正職員で13.1%。実際に辞めた人がこの数字ですから、「辞めたい」と頭をよぎったことがある人はもっと多いはずです。

この記事では、薬剤師が「辞めたい」と感じやすい場面をランキング形式で整理し、その気持ちが「一時的な疲れ」なのか「本当の危険信号」なのかを見分けるチェックリストをお伝えします。転職するかどうかの結論を急ぐ前に、まず自分の状態を言語化するところから始めてみませんか。

まず言いたい——辞めたくなるのは”弱さ”じゃない

最初にはっきりさせておきたいことがあります。「辞めたい」と思うこと自体は、能力不足でも甘えでもありません。

薬剤師の仕事は、一つのミスが患者さんの健康や命に直結します。処方監査、調剤、服薬指導、在庫管理、保険請求——どれも正確さとスピードを同時に求められます。しかも少人数の閉鎖的な空間で、毎日同じメンバーと顔を合わせる。これ、冷静に考えるとかなり負荷の高い環境です。

ここ、心当たりありませんか。「辞めたいなんて自分が弱いだけ」と思い込んで、限界を超えてから動き出すパターン。友人の薬剤師にもそういう人が何人かいました。体調を崩してから退職届を出して、回復までに半年以上かかったケースもあります。

でも、辞めたいって思うたびに転職してたらキリがなくないですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その通りですね。だから”辞めたい”の中身を分解する必要があるんです。一時的な疲れなのか、構造的に解決しない問題なのか。ここを区別できると、無駄な転職も、手遅れの退職も防げます。

私ならまず、自分の「辞めたい」がどの種類なのかを確認します。感情と状況を分けて考えることで、判断がずいぶんラクになります。

薬剤師が辞めたくなる日ランキングTOP7——あるある付き

薬剤師の退職理由に関する複数の調査や転職サイトの情報を総合すると、「辞めたい」と感じやすい場面には明確なパターンがあります。以下は頻出度の高い順に並べたものです。

第1位:人間関係が”詰んだ”と感じた日

薬局勤務の薬剤師の退職理由として、人間関係は常に上位に入ります。ある調査では薬局薬剤師の離職理由のうち「職場の人間関係」が8.0%を占めており、病院の4.4%と比べて高い傾向がみられます(NTTデータ経営研究所「薬剤師確保のための調査・検討事業」報告書より)。

少人数の調剤室で一日中同じ人と過ごすわけですから、一人でも合わない人がいると逃げ場がありません。いまの状況だと、異動や配置換えが難しい小規模薬局ほどこの問題は深刻になりやすいです。

第2位:業務量が”物理的に無理”な日

人手不足で一人あたりの処方箋枚数が増え、昼休憩もまともに取れない日。薬歴も残業で書く。これが常態化している職場は少なくありません。

正直、”忙しいのは当たり前”って空気がありますよね…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

“忙しい”と”物理的に回らない”は別の話です。恒常的に人員が足りず、改善要望を出しても動かない場合は、構造の問題になります。個人の努力では解決しません。

第3位:調剤ミス(またはヒヤリハット)で心が折れた日

ミスが命に関わる仕事だからこそ、インシデントが起きたときの精神的ダメージは大きいです。職業性ストレスとインシデントの関連性を指摘する研究もあります(松谷ら, 薬局薬学, 2020)。自分を責めすぎて「もう怖くて調剤台に立てない」となるのは、弱さではなくストレス反応です。

第4位:給料明細を見て「これだけ?」と思った日

令和6年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収は約599万円。全産業平均より高い水準ではありますが、6年制大学の学費や奨学金返済を考えると、「割に合わない」と感じる人がいるのも無理はありません。特に病院薬剤師は平均年収がやや低め(約470万円程度とされる)で、業務の専門性や責任の重さとのギャップを感じやすいです。

第5位:「成長が止まった」と気づいた日

現場だとここで詰まりがちです。3〜5年目あたりで基本業務を一通りこなせるようになると、日々の仕事がルーティンに感じ始めます。教育体制が整っていない職場だと、学びの機会もなく、キャリアの停滞感が一気に押し寄せてきます。

第6位:ライフイベントと仕事が衝突した日

結婚、出産、育児、介護、配偶者の転勤——薬剤師の離職理由として「妊娠・出産・育児」は常に上位です。土日出勤やシフトの融通が利かない職場では、ライフイベントのたびに「続けられるか」を突きつけられます。

第7位:理不尽なクレーム対応で消耗した日

患者さん対応は薬剤師の仕事の一部ですが、処方元への不満を薬局にぶつけられたり、待ち時間に対する怒りを受け止めたりするのは、いわゆる「感情労働」です。WHO(ICD-11)でも、慢性的な職場ストレスによるバーンアウト(燃え尽き症候群)が定義されており、対人サービス職は特にリスクが高いとされています。

ランキングまとめ

順位辞めたくなる場面背景にある構造
1人間関係が詰んだ少人数・閉鎖的環境・異動困難
2業務量が物理的に無理慢性的人手不足・改善されない体制
3調剤ミスで心が折れた高プレッシャー・ストレス反応
4給料に納得できない6年制学費とのギャップ・昇給の天井
5成長が止まった感覚教育体制不備・ルーティン化
6ライフイベントとの衝突シフト融通なし・制度未整備
7理不尽クレームで消耗感情労働・バーンアウトリスク

どうですか? 複数当てはまる方もいるのではないでしょうか。

危険信号チェックリスト——当てはまる数で考える

「辞めたい」と感じること自体は普通のことです。ただし、次のような状態が3ヶ月以上続いている場合は、一時的な疲れではなく危険信号の可能性があります。

私ならまず、以下のリストを「はい/いいえ」で正直にチェックします。

【身体・メンタルのサイン】

  • 出勤前に体が重い、または吐き気がする日が週に2回以上ある
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、リフレッシュできない
  • 以前は楽しめていた趣味や人付き合いに興味がなくなった
  • 睡眠の質が明らかに落ちた(寝つけない、途中で起きる)

【仕事環境のサイン】

  • 上司や同僚との関係改善を試みたが、半年以上変化がない
  • 業務量の改善を申し出たが、対応されなかった
  • 3ヶ月以上、同じ悩みが解決していない
  • 「ここにいても何も変わらない」と感じることが増えた

【キャリアのサイン】

  • 1年後の自分が「今と同じ」としか想像できない
  • 勉強したいことがあるのに、時間も制度もない
  • 自分の仕事が誰かの役に立っている実感がない

それってつまり…半分以上当てはまったらヤバいってことですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

数だけで判断するのは乱暴ですが、目安として。身体・メンタルのサインが2つ以上あるなら、転職うんぬんの前に休養や専門家への相談を優先したほうが安全です。仕事環境のサインが3つ以上なら、”環境そのもの”に問題がある可能性が高いですね。

誤解されやすいので先に言うと、このチェックリストは医学的な診断ツールではありません。自分の状態を「なんとなく辛い」から「具体的にどこが辛いか」に変換するための道具として使ってみてください。身体症状が強い場合は、産業医や心療内科に相談するのが先です。

いま辞めない場合の”被害最小化”3手

「今すぐ辞められない」という状況は普通にあります。引き継ぎの問題、経済的な事情、次の職場が決まっていない不安。ここでは、辞めないまま被害を最小限にするための3つの手を紹介します。

手①:「変えられること」と「変えられないこと」を仕分ける

まず紙に二列で書き出します。左に「自分の工夫で変えられること」、右に「構造的に変えられないこと」。たとえば、薬歴の書き方を効率化するのは左側。人員配置を増やすのは右側です。

逆に言うと、右の列がパンパンで左の列がスカスカなら、それは「自分の努力が足りない」のではなく、環境側の問題が大きいということです。この仕分けだけで、罪悪感がかなり減ります。

手②:「小さなガス抜き」を仕組み化する

ストレスは溜まってから抜くより、溜まる前に抜くほうが効率がいいです。週に1回でも、薬剤師以外の人と話す時間をつくる。業界外の人と話すと「あ、自分の”当たり前”はそんなに当たり前じゃないんだ」と気づけることがあります。

でも、そんな時間ないから困ってるんですけど…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

わかります。だから”仕組み化”が大事なんです。毎週金曜の昼に15分だけ友人にLINEする、月1回だけ外部の勉強会に出る。完璧を目指さず、”予定に入れてしまう”のがコツですね。

手③:「期限付きの我慢」に切り替える

漠然と「もう少し頑張ろう」はしないほうが安全です。「3ヶ月後に状況を再評価する」「次の評価面談までに改善要望を出して、反応を見る」など、期限を決めます。期限が来たら、改善したかしていないかで判断する。

ただし、身体症状(不眠、食欲不振、出勤前の吐き気など)が出ている場合はこの限りではありません。身体のサインが出ているなら、期限を待たずに休むことを検討してください。

転職する/しないの前に「相場だけ見る」が最強な理由

ここ、迷いやすいところです。「転職を考える=応募する」ではありません。私がまわりの薬剤師に勧めているのは、「相場を知る」というワンステップだけ先に済ませておくことです。

なぜ相場を見るだけで判断がラクになるのか

いまの職場が「普通」なのか「異常」なのかは、比較対象がないと判断できません。年収、勤務時間、人員体制、休日数——これらの「業界の標準値」を知っておくだけで、現状の評価が格段にしやすくなります。

たとえば、令和6年賃金構造基本統計調査で薬剤師の平均年収は約599万円と出ています。自分の年収がこれより大幅に低い場合、それは「自分が頑張っていないから」なのか「職場の給与水準が低いから」なのか、判断材料になります。

具体的にどうやるか

転職サイトやエージェントに登録して、求人情報を見るだけ。応募しなくても大丈夫です。見るポイントは3つあります。

  • 年収レンジ:同じ経験年数・業態で、自分の年収がどの位置にあるか
  • 勤務条件:週休二日、残業時間の目安、シフトの柔軟さ
  • 人員体制:薬剤師何名体制か、処方箋枚数の目安

登録したら電話がいっぱい来そうで怖いんですが…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

最初の面談で”今すぐの転職は考えていない、情報収集だけしたい”と伝えれば、しつこい連絡は減りますよ。それでも合わなければ、放置しても問題ありません。退会もいつでもできます。

ここで注意点を一つ。転職サイトの情報はあくまで「求人票ベース」です。実際の職場環境は入ってみないとわからない部分があります。求人票だけで判断せず、面接や職場見学の機会を活用してください。

おすすめ薬剤師転職エージェント 2選

用途が違う2社を並べておくと、読者が「自分に合う方」を選びやすくなります。

ファルマスタッフ

待遇・年収を優先して、薬局/ドラッグストア中心に「選択肢を広く比較したい」人向け。 地域密着で“求人票にない情報”まで確認しながら提案してもらえます。

地域密着 薬局・Dgsに強い 条件交渉サポート 安心材料:外部認定

こんな人におすすめ

  • 薬局・Dgsの求人を多数比較して、待遇アップの可能性を最大化したい
  • 職場の雰囲気や方針など、求人票に出ない情報も踏まえて選びたい

強み(要点)

  • 全国対応・地域密着で求人情報の解像度が高い
  • 書類作成・面接調整・給与や休日の条件交渉まで手厚い
  • 日本調剤グループの教育ノウハウを活かした支援の訴求あり

注意点(デメリット)

  • 企業求人は相対的に弱め(企業志望が強い場合は併用が無難)

連絡頻度や希望条件は、最初に「ここまで」と決めて伝えるとストレスが減ります。

薬キャリAGENT

忙しくても効率よく進めたい/まず候補を短時間で作りたい人向け。 非公開求人や条件交渉、裏側情報の確認まで“スピード×実務代行”で進めやすいのが特徴です。

最短即日 非公開求人 交渉・調整代行 裏側情報の調査

こんな人におすすめ

  • 仕事が忙しく、転職活動の手間(調整・交渉)を減らして進めたい
  • 求人票だけでは判断できない点(働きやすさ等)も確認してミスマッチを減らしたい

強み(公式が掲示している特徴)

  • 最短即日で求人提案(最大10件/派遣は最大5件)
  • 非公開求人多数+市場に出ていない募集の有無も個別確認
  • 面接日程の調整や条件交渉を代行
  • 求人票に出ない“裏側”情報まで調査

※上記は薬キャリAGENT公式の特徴説明に基づく表現です。

注意点(デメリット)

  • 提案テンポが速いと感じる場合あり(連絡ペースは最初に指定がおすすめ)
  • 企業一本志望なら、企業特化サービスの併用も検討

まとめ:今日できる最小行動

この記事でお伝えしたかったのは、3つです。

  1. 「辞めたい」は弱さではなく、環境が限界を超えたサインかもしれない。まずは感情を否定せず、「何が辛いのか」を言語化するところから始めてみてください。
  2. 危険信号の見極めには、身体のサインを最優先する。出勤前の吐き気や不眠が続いているなら、転職活動よりも先に休養や専門家への相談を。チェックリストで自分の状態を客観視するだけでも、次の一歩が見えやすくなります。
  3. 「相場を知る」だけで判断はラクになる。今すぐ応募しなくて大丈夫です。転職サイトで年収相場・勤務条件・人員体制を一度見ておくと、「今の職場が普通かどうか」がわかります。

今日できる最小行動を一つだけ挙げるなら、チェックリストを紙に書き出して、正直にチェックすること。5分でできます。

それだけで「なんとなく辛い」が「ここが辛い」に変わります。そこからどうするかは、そのあと考えれば十分です。


いまの職場で頑張り続けるのも選択肢です。

でも、比較対象がないまま耐えると「これが普通」と思い込みやすくなります。まずは転職サービスで相場と条件を見て、自分の状況を客観視してみてください。

応募しなくても大丈夫。判断材料を増やすだけで、気持ちはかなり軽くなります。


【参考情報・確認先】

  • 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
  • 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」
  • NTTデータ経営研究所「令和3年度 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書」
  • WHO ICD-11(バーンアウトの定義)
  • 身体症状が続く場合は、産業医または心療内科への相談を推奨します
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