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これだけ押さえれば現場で迷わない!ジェネリック変更調剤の実務ルール【2024年最新版】

なぜいま、変更調剤のルールを整理する必要があるのか

処方箋を受け付けて、ジェネリックへの変更を検討するとき、「これって変更していいんだっけ?」と手が止まった経験、ありませんか?

2024年3月、医薬品の供給逼迫を受けて変更調剤のルールが大きく見直されました。従来は「薬剤料が上がる変更は原則NG」だったものが、一定の条件下で認められるようになったのです。さらに、基礎的医薬品の取り扱いや、令和6年3月の処方箋様式変更も加わり、「以前はこうだったはず」という記憶だけでは対応しきれない状況になっています。

この記事でわかること
  • 変更調剤の法的根拠と大前提の確認方法
  • 通常時の変更調剤10箇条(通知原文付き)
  • 2024年3月新設のやむを得ない場合の特例ルール
  • 基礎的医薬品の変更可否と使用率への影響
  • 実務での判断フローと薬剤料計算方法

この記事では、通知の原文を示しながら、現場で本当に使える判断基準を整理します。不確実な点は不確実と明記しますので、迷ったときの確認先としても活用してください。

📜 変更調剤の法的根拠

原則:薬剤師法による制限

まず、変更調剤の大前提となる法律を確認しましょう。

【薬剤師法第23条第2項】

薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。

原則として、処方箋通りに調剤しなければならず、変更する場合は処方医の同意(疑義照会)が必要です。

例外:後発医薬品への変更

ただし、後発医薬品への変更については、ルールに基づき疑義照会なく変更が可能とされています。

【処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(平成24年3月5日保医発0305第12号)】

第3 変更調剤を行う際の留意点について

1 保険医療機関において、処方せんに記載する医薬品について、後発医薬品への変更に差し支えがあると判断した場合には、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(昭和32年厚生省令第15号)第23条第2項第5号の規定により、処方せんの「変更不可」欄に「✓」又は「×」を記載し、かつ、「保険医署名」欄に署名又は記名・押印することとされていること。

ポッポ先生

ポッポ先生

つまり、「変更不可」欄に医師の署名等がなければ、薬剤師の判断で変更調剤が可能ということですね。

🐦 変更調剤の大前提:まずここを確認

処方箋様式の読み方(令和6年3月改定版)

変更調剤の可否を判断する前に、必ず確認すべき項目があります。

チェックポイント

  • 「変更不可(医療上必要)」欄:✓または×の記載があり、かつ保険医署名欄に署名があるか
  • 「患者希望」欄:✓または×の記載があるか
  • 処方箋様式における「後発医薬品」の定義を理解しているか

「変更不可」に✓がついてたら、どんなに在庫がなくても変更はダメですよね?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そのとおりです。医療上の必要性から医師が判断しているので、必ず疑義照会が必要になります。ただし、供給不安で代替品も含めて在庫がない場合は、その旨を説明した上での疑義照会になりますね。

「後発医薬品」の定義

ここで重要なのは、処方箋様式における「後発医薬品」は、診療報酬の加算対象となる後発品だけではないという点です。

【疑義解釈資料(平成30年5月25日)問1】

Q. 基礎的医薬品への変更調剤は行うことができるか。

A. 基礎的医薬品であって、それらが基礎的医薬品に指定される以前に変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができる。

処方箋様式の「後発医薬品」とは

  • 医薬品医療機器等法の承認で、新医薬品等と有効成分・分量・用法用量・効能効果が同一性を有するとして承認されたもの
  • 診療報酬の加算対象かどうかは関係ない
  • 基礎的医薬品として承認されたものも含む

長期収載品の取り扱い(2024年3月新設)

令和6年3月27日の通知で、長期収載品の処方に関する新しいルールが追加されました。

【長期収載品の処方等又は調剤について(保医発0327第11号 令和6年3月27日)】

③ 銘柄名処方された長期収載品であって、「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄のいずれにも「✓」又は「×」が記載されない場合には、保険薬局における調剤の段階で後発医薬品を調剤することができる一方で、患者が長期収載品を希望すれば選定療養の対象となること。

ただし、保険薬局において、次の場合において、次のような判断をすることは差し支えないこと。なお、これらの場合において、患者に対して調剤する薬剤を変更すること等を説明の上、同意を得ること。

• 後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、当該保険薬局において後発医薬品の提供が困難であり、長期収載品を調剤せざるを得ない場合には、患者が希望して長期収載品を選択したことにはならないため、保険給付とすること。

• 保険薬局の薬剤師において、患者が服用しにくい剤形である、長期収載品と後発医薬品で効能・効果等の差異がある等、後発医薬品では適切な服用等が困難であり、長期収載品を服用すべきと判断した場合には、医療上必要がある場合に該当し、保険給付とすることも想定されること。

ポッポ先生

ポッポ先生

在庫がなくてやむを得ず長期収載品を出す場合や、薬剤師が専門的判断で長期収載品が適切と考えた場合は、患者説明と同意があれば保険給付にできます。ただし、記録は丁寧に残しましょう。

📋 変更調剤の10箇条【通常時のルール】

<共通ルール>

① 同一規格・同一剤形の後発医薬品への変更:○

基本中の基本です。

【平成18年疑義解釈(問144)】

Q. 後発医薬品への変更可能な処方せんにより、処方せんに記載された後発医薬品とは別銘柄の後発医薬品に変更して調剤を行うことは可能か。

A. 可能である。

薬剤料の条件:なし

2006年当時の疑義解釈では後発医薬品銘柄処方から別銘柄の後発医薬品への変更も可能と示されましたが、変更による薬剤料の違いについては特に記載されておらず、その後も同一規格・同一剤形への後発医薬品への変更については、薬剤料に関するルールは追加されていません。

つまり、変更後の薬剤料が高くなっても、患者の同意があれば変更できます。

例)後発品A(40円→4点)→ 後発品B(50円→5点)
患者同意あれば変更可能

② 後発医薬品以外への変更:×

先発品、漢方製剤、日局品など、後発品以外への変更は疑義照会が必要です。

【平成20年日薬Q&A】

Q. 後発医薬品へ変更可能な処方せんの場合であっても、漢方製剤については変更の対象外(すなわち、他の銘柄の漢方製剤へ変更するためには疑義照会が必要)と解釈するのか。

A. そのとおり。漢方製剤の場合は、先発・後発という概念はないことから、後発医薬品への変更可能という指示には該当しない。

「ジャヌビア→グラクティブ」みたいな先発品どうしの変更、成分同じだからいいんじゃないですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

気持ちはわかりますが、変更調剤のルールは「後発医薬品の使用促進」が目的なので、先発品どうしは対象外です。必ず疑義照会してください。

③ 一般名処方:後発品以外の調剤も○

一般名処方の場合、先発品・後発品・その他医薬品のどれを調剤しても問題ありません。

【平成24年疑義解釈(その1)】

Q. 処方せんの交付にあたり、後発医薬品のある医薬品を一般名処方で行った場合、保険医療機関では「該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなす」とされているが、保険薬局において当該処方せんを調剤する際にも、最も低い薬価の後発医薬品を調剤しなければならないのか。

A. 患者と相談の上、当該薬局で備蓄している後発医薬品の中から選択することで差し支えない。

<内服薬の別規格・別剤形変更>

ここから先は、変更前の薬剤料を超えない場合に限り変更が可能です。

④ 類似する別剤形への変更:○

【処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(保医発0305第12号)】

第3 変更調剤を行う際の留意点について

類似する別剤形の医薬品とは、内服薬であって、次の各号に掲げる分類の範囲内の他の医薬品をいうものであること。

ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤

イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る。)

ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る。)

同一グループ内でのみ変更可能です。

例)先発品カプセル(120円→12点)→ 後発品錠剤(100円→10点)
グループア内の変更で、薬剤料も下がるため変更可

ポッポ先生

ポッポ先生

ドライシロップ剤は調剤方法によってグループが変わります。溶解前(粉)の状態で調剤する場合はイのグループ、溶解後(液)の状態で調剤する場合はウのグループになります。

注意:経口ゼリー剤について

経口ゼリー剤は通知に明記されておらず、変更の際には疑義照会が必要と考えられます。

⑤ 含量規格が異なる後発品への変更:○

【処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(保医発0305第12号)】

第3 変更調剤を行う際の留意点について

含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤は、変更調剤後の薬剤料が変更前のものと比較して同額以下であるものに限り、対象となるものであること。

また、含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤は、規格又は剤形の違いにより効能・効果や用法・用量が異なる場合には対象外とするものであること。

例)先発品10mg×1錠(100円→10点)→ 後発品5mg×2錠(40円×2=80円→8点)
薬剤料が下がるため変更可

半錠化も認められています

【平成22年日薬Q&A】

Q. 処方せんに記載された医薬品を含量規格が異なる後発医薬品に変更して調剤する場合、患者の同意が得られ、かつ、薬剤料が同額以下であれば可能だが、たとえば1錠10mgが処方されているケースで、1錠20mgを半錠化したものに変更することも可能か。

A. 差し支えない。

例)先発品10mg×半錠(100円×0.5=50円→5点)
→ 後発品5mg×1錠(40円→4点)

⑥ 類似する別剤形 + 含量規格変更の組み合わせ:○

【平成22年日薬Q&A】

Q. 処方せんに記載された医薬品を後発医薬品に変更する場合、患者の同意が得られており、かつ、薬剤料が同額以下であれば、①含量規格が異なる後発医薬品または②類似する別剤形の後発医薬品に変更調剤することは可能だが、①と②はどちらか一方しか認められないのか。それとも、①と②をともに満たすケースも認められると理解してよいのか。

A. ①および②をともに満たすケースについても、変更調剤が認められる。

例)先発品カプセル10mg×1個(100円→10点)
→ 後発品錠剤5mg×2錠(40円×2=80円→8点)

⑦ 一般名処方で後発品を調剤する場合:○

ただし、比較対象は該当する先発品の薬剤料です。

【平成24年疑義解釈(その2)】

Q. 処方せんに含量規格や剤形に関する変更不可の指示がなく、変更調剤後の薬剤料が変更前と同額以下であれば「含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形の後発医薬品」に変更できるが、一般名処方に基づいて後発医薬品を調剤する際に、該当する先発医薬品が複数存在し、それぞれ薬価が異なる場合には、変更前の薬剤料についてどのように考えるべきか。

A. 一般名で記載された先発医薬品に該当していれば、いずれの先発医薬品の薬剤料と比較するものであっても差し支えない。ただし、患者が当該一般名に該当する先発医薬品を既に使用している場合は、当該医薬品の薬剤料と比較すること。

複数の先発品が存在し薬価が異なる場合:

  • 患者が既に使用している先発品があれば、その薬剤料と比較
  • それ以外は、該当する医薬品のうち最も高い薬価で計算(弊社見解)

<薬剤料に関わらず不可>

⑧ 類似しない別剤形への変更:×

錠剤 → 液剤、カプセル → 細粒剤(グループをまたぐ変更)は、薬剤料が下がっても疑義照会が必要です。

<内服剤以外>

⑨ 別剤形への変更:×

外用剤は別剤形への変更が認められていません。

【処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(保医発0305第12号)】

第3 変更調剤を行う際の留意点について

5 類似する別剤形の医薬品とは、内服薬であって、次の各号に掲げる分類の範囲内の他の医薬品をいうものであること。

つまり、類似する別剤形への変更は内服薬のみが対象です。

例)軟膏 → クリーム、テープ → パップ
すべて疑義照会が必要

販売名と剤形表示の不一致に注意

一部の製剤は同じ剤形でも販売名の剤形表示が異なる場合があります。薬価基準収載医薬品コード(上9桁)や一般名処方マスタで確認してください。

⑩ 含量規格が異なる後発品への変更:○

内服薬以外でも、含量規格の変更は認められています。

例)先発品5g×2本(50円×2=100円→10点)
→ 後発品10g×1本(100円→10点)
総量が同じであれば、1本あたりの量が異なっても変更可

⚡ やむを得ない場合の特例ルール【2024年3月新設】

令和6年3月15日の事務連絡により、医薬品の供給逼迫を踏まえた当面の措置として、従来の制限が一部緩和されました。

【現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて(令和6年3月15日事務連絡)】

昨今の医療用医薬品の供給状況や、それに伴う需給の逼迫を踏まえ、変更調剤における柔軟な対応を示す。

医薬品の入手が限定されること等により必要量が用意できないようなやむを得ない場合における当面の間の取扱いは下記の通り。

前提条件:患者さんから同意が得られていること

認められる変更

1. 後発医薬品の銘柄処方において、先発医薬品(含量規格が異なるもの、類似する別剤形のものを含む)への変更調剤は、【○】

2. 変更調剤後の薬剤料が変更前のものを超える場合であっても、

  • ① 「含量規格が異なる後発医薬品」または「類似する別剤形の後発医薬品」への変更調剤は、【○】
  • ② 類似する別剤形の後発医薬品への変更調剤がやむを得ずできない場合、次に掲げる分類間の別剤形(含量規格が異なる場合を含む)の医薬品への変更調剤は、【○】

    ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤
    イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤)

    (例:アに該当する錠剤をイに該当する散剤への変更調剤)

ただし、規格又は剤形の違いにより効能・効果や用法・用量が異なるものを除く。

これって、今まで絶対ダメだったやつがOKになったってことですよね?すごい変更じゃないですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そうですね。ただし「当面の間」の措置であることと、あくまで「やむを得ない場合」に限られます。患者説明と記録は特に丁寧に行いましょう。

🔍 基礎的医薬品の取り扱い

基礎的医薬品とは

保険医療上の必要性が高く、長期間使用され、有効性・安全性が確立しているが、薬価が下がりすぎると安定供給が困難になる恐れがある医薬品のことです。

主な品目例

  • クラリスロマイシン
  • セフカペンピボキシル
  • カロナール(細粒)
  • チラージンS
  • アモキシシリン
  • プロペト など

変更調剤の可否

【疑義解釈資料の送付について(その4)(平成30年5月25日)】

Q. 処方箋において変更不可とされていない処方薬については、後発医薬品への変更調剤は認められているが、基礎的医薬品への変更調剤は行うことができるか。

A. 基礎的医薬品であって、それらが基礎的医薬品に指定される以前に変更調剤が認められていたもの(「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」等)については、従来と同様に変更調剤を行うことができる。

なお、その際にも「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日付保医発0305第12号)に引き続き留意すること。

結論:基礎的医薬品に指定される前から変更可能であったものは、従来通り変更調剤が可能

ポッポ先生

ポッポ先生

厚生労働省のホームページに「基礎的リスト(後発医薬品と同様に変更調剤が認められる基礎的医薬品等の一覧)」が掲載されています。Excel版・PDF版で確認できますので、迷ったときはそちらを確認してください。

後発品使用率・カットオフ値への影響

ここが最も間違いやすいポイントです。

後発品使用率の計算式

後発品の数量 / (後発品のある先発品 + 後発品) × 100

パターンA:後発品のある先発品(区分2)→ 基礎的医薬品
→ 基礎的医薬品は計算から除外されるため、分母が減り、使用率はアップ

パターンB:計算除外の先発品(フロモックス等)→ 基礎的医薬品
→ 元々分母に入っていないものから、計算除外の基礎的医薬品へ変わるだけなので、使用率は変わらない

パターンC:基礎的医薬品 → 基礎的医薬品
→ どちらも計算対象外のため、使用率は変わらない

つまり、「どの区分からどの区分へ変更するか」を意識することが重要です。

⚙️ 実務での判断フローと注意点

薬剤料の計算方法

薬剤料を正確に計算できないと、別規格・別剤形への変更可否が判断できません。

【令和6年厚生労働省告示第57号】

20 使用薬剤料

1 使用薬剤の薬価が薬剤調製料の所定単位につき15円以下の場合 1点

2 使用薬剤の薬価が薬剤調製料の所定単位につき15円を超える場合の加算 10円又はその端数を増すごとに1点

注 使用薬剤の薬価は、別に厚生労働大臣が定める。

【保医発0305第4号(令和6年3月5日)】

区分01 薬剤調製料

(1) 内服薬

イ 内服薬(内服用滴剤以外のもの)についての薬剤調製料及び薬剤料の算定はそれぞれ「1剤」及び「1剤1日分」を所定単位とし、内服用滴剤についての薬剤調製料及び薬剤料は「1調剤」を所定単位として算定するが、この場合の「1剤」とは、薬剤調製料の算定の上で適切なものとして認められる単位をいうものであり、次の点に留意する。

(イ) 1回の処方において、2種類以上の薬剤を調剤する場合には、それぞれの内服薬を個別の薬包等に調剤しても、服用時点が同一であるものについては、1剤として算定する。

(ロ) 服用時点が同一である薬剤については、投与日数にかかわらず1剤として算定する。

(ハ) (イ)及び(ロ)における「服用時点が同一である」とは、2種類以上の薬剤について服用日1日を通じて服用時点(例えば「朝食後、夕食後服用」、「1日3回食後服用」、「就寝前服用」、「6時間ごと服用」等)が同一であることをいう。また、食事を目安とする服用時点については、食前、食後及び食間の3区分とすることとし、服用時点が「食直前」、「食前30分」等であっても、薬剤調製料の算定にあっては、「食前」とみなし、1剤として扱う。

計算例

【単剤処方の場合】
Rp. A錠5mg 1回2錠 1日1回朝食後(薬価:23.40円/錠)

23.40円 × 2錠 = 46.80円
→ (46.80円 – 15円) / 10 = 3.18 → 切り上げて4点
→ 1点 + 4点 = 5点(1剤1日薬剤料)


【併用薬がある場合】
Rp. B錠10mg 1日3回毎食後(1回1錠)(薬価:9.90円/錠)
Cカプセル5mg 1日3回毎食後(1回2カプセル)(薬価:15.60円/カプセル)

服用時点・服用回数が同じなので、1日薬価を合算してから薬剤料を算出:
9.90円×3錠 + 15.60円×6カプセル = 123.30円
→ (123.30円 – 15円) / 10 = 10.83 → 切り上げて11点
→ 1点 + 11点 = 12点(1剤1日薬剤料)

併用薬があると、単剤では変更OKでも変更できなくなることがあるんですよね?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そのとおりです。薬剤料は1剤1日分で計算するので、服用時点が同じ薬剤は合算してから点数を出します。単剤だと10点→10点でも、併用薬と合わせると10点→12点になって変更不可、というケースは実際にあります。

効能効果の違いに注意

先発品と後発品で効能効果が異なる場合があります。

【平成20年日薬Q&A(その2)】

Q. 後発医薬品への変更が可能な処方せんにおいて、先発医薬品と後発医薬品で効能・効果などに違いがある医薬品が含まれていた場合は、どのように取り扱うべきか。

A. 処方せんに記載されている先発医薬品を後発医薬品に変更して調剤することに差し支えがある場合は、処方医により、処方せんの処方欄(当該医薬品の近傍)もしくは備考欄に変更不可の旨が記載されることになっているが、後発医薬品への変更が可能な処方せんであっても、処方せんに記載されている先発医薬品の用法・用量または併用薬などから後発医薬品が有しない効能・効果に係る使用が推測されるなど、後発医薬品への変更にあたり疑義が生じた場合には、処方医に対して照会する必要がある。

確認方法

  1. 処方の用法用量・併用薬から推測される効能を確認
  2. 後発品が有しない効能が推測される場合は疑義照会
  3. 日本ジェネリック製薬協会のホームページに「効能効果等に違いがある後発品リスト」が掲載されています(https://www.jga.gr.jp)

記録と情報提供

【診療報酬請求書等の記載要領等について】

第5 処方箋の記載上の注意事項

10 その他

薬剤師は、調剤したときは、その処方箋に以下の事項を記載すること。

(4) その他次の事項を「備考」欄又は「処方」欄に記入すること。

処方箋を交付した医師又は歯科医師の同意を得て処方箋に記載された医薬品を変更して調剤した場合には、その変更内容

イ 医師又は歯科医師に照会を行った場合は、その回答の内容

【処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について(保医発0305第12号)】

第3 変更調剤を行う際の留意点について

7 保険薬局において、銘柄名処方に係る処方薬について後発医薬品(含量規格が異なるもの及び類似する別剤形のものを含む。)への変更調剤を行ったとき又は一般名処方に係る処方薬について調剤を行ったときは、調剤した薬剤の銘柄(含量規格が異なる後発医薬品を調剤した場合にあっては含量規格を、類似する別剤形の後発医薬品を調剤した場合にあっては剤形を含む。)等について、当該調剤に係る処方せんを発行した保険医療機関に情報提供すること。ただし、当該保険医療機関との間で、調剤した薬剤の銘柄等に係る情報提供の要否、方法、頻度等に関してあらかじめ合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等により情報提供を行うことで差し支えない。

変更調剤を行った場合

  • 調剤済み処方箋の備考欄または処方欄に変更内容を記載
  • 調剤録に記録
  • 処方医療機関へ情報提供(ただし、医療機関との間で合意がある場合は、その方法で可)

💡 プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)

一部の医療機関では、事前の合意に基づいて変更調剤の対象範囲を拡大しています。

【医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について(医政発0430第1号 平成22年4月30日)】

2. 各医療スタッフが実施することができる業務の具体例

(1) 薬剤師

1) 薬剤師を積極的に活用することが可能な業務

以下に掲げる業務については、現行制度の下において薬剤師が実施することができることから、薬剤師を積極的に活用することが望まれる。

薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。

PBPMに基づく場合、以下のような変更も可能になることがあります:

  • 先発品↔同一成分の別銘柄先発品への変更
  • 類似する別剤形以外への剤形変更
  • 患者の同意があれば変更前後の薬剤料を問わない、等

ただし、医療機関と薬局の間で事前の合意書締結が必要です。

まとめ:迷ったときの3ステップ

判断フロー

STEP1:処方箋を確認
→ 変更不可欄、患者希望欄、署名の有無

STEP2:変更の種類を判断
→ 同一規格・剤形 / 別規格 / 別剤形 / 内服 / 外用

STEP3:薬剤料を計算
→ 別規格・別剤形変更の場合のみ(やむを得ない場合の特例を除く)

それでも判断に迷ったら

  1. 厚生労働省の通知を確認(保医発0305第12号など)
  2. 都道府県薬剤師会のQ&Aを参照
  3. 最終的には処方医への疑義照会
ポッポ先生

ポッポ先生

不確実な点を無理に判断せず、確認することが患者安全につながります。通知の原文を確認できる環境を整えておくことも大切ですね。


📚 確認先(一次情報)

主要通知

  • 「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(保医発0305第12号、平成24年3月5日)
  • 「現下の医療用医薬品の供給状況における変更調剤の取扱いについて」(事務連絡、令和6年3月15日)
  • 「長期収載品の処方等又は調剤について」(保医発0327第11号、令和6年3月27日)
  • 「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(医政発0430第1号、平成22年4月30日)

疑義解釈・Q&A

  • 疑義解釈資料の送付について(平成24年3月30日、平成24年4月20日、平成30年5月25日)
  • 日本薬剤師会Q&A(平成20年度、平成22年度)
  • 日本医師会Q&A

参考資料

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