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薬剤師国家試験当日に100%の力を発揮するためのアドバイス

いよいよ第111回薬剤師国家試験が迫ってきました。ここまで積み上げてきた知識量には個人差があるかもしれませんが、当日のパフォーマンス発揮度に関しては、直前の行動次第でコントロールが可能です。

不安から「あれもこれも」と詰め込みたくなる気持ち、痛いほどわかります。しかし、直前期に最も避けるべきは、コンディション不良による「取れるはずの問題の取りこぼし」です。

この記事では、精神論ではなく、生体リズムや薬物動態の視点から「前日〜当日の行動最適化」について解説します。今の実力を100%出し切るための、最後の調整マニュアルとして活用してください。

1. 前日の過ごし方:脳の「定着」と「回復」を優先する

試験前日、多くの受験生が「最後にあの範囲だけ確認したい」という衝動に駆られます。しかし、ここでの判断ミスが当日の脳機能に直結します。

「詰め込み」より「遮断」を選ぶ勇気

でも、少しでも知識を詰め込まないと不安で…寝ている間に忘れたらどうしようって怖くなります。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その不安は正常です。ただ、直前の詰め込みで増える1点よりも、睡眠不足で判断力が鈍って失う10点の方がリスクは大きいですよ。

私ならまず「21時以降のインプット遮断」から徹底します。

脳科学の一般論として、記憶は睡眠中に整理・定着します。特に睡眠不足は、前頭葉の機能を低下させ、論理的思考力や注意力を削ぐことが知られています。

直前期に「あ、ここ分かってない!」と気づくと、パニックによるコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌で、逆に記憶の想起が妨げられるリスクがあります。

前日の判断軸:やめることリスト
  • 新しい問題集や参考書を開く(不安の種を増やさない)
  • カフェインの摂取(15時以降はカットし、睡眠の質を確保)
  • スマホのブルーライト(メラトニン分泌を阻害しないよう、就寝1時間前はオフ)

ここ、迷いやすいところですが、前日は「勉強」ではなく「確認」に留めるのが安全です。

2. 当日の朝食:血糖値の乱高下(スパイク)を防ぐ

「脳のエネルギーはブドウ糖だから、甘いものをたくさん食べよう」というのは、薬剤師を目指す皆さんならリスクが高いと分かるはずです。

「反応性低血糖」を回避するメニュー選び

えっ、試験直前にチョコとかエナジードリンクって定番じゃないんですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

一時的には上がりますが、急激なインスリン分泌でその後にガクッと血糖値が下がります。試験中の眠気やだるさの原因になりかねません。

試験中に最も避けたいのは、血糖値の急上昇後に訪れる急降下(反応性低血糖)による集中力の欠如です。逆に言うと、GI値(グリセミック・インデックス)の低い食品で血糖値を緩やかに保つ戦略が有効です。

推奨される朝食の構成
  • 主食(低GI):全粒粉パン、オートミール、そば
    (狙い:緩やかな血糖上昇と持続的なエネルギー供給)
  • タンパク質:卵料理、納豆、豆腐
    (狙い:腹持ちを良くし、神経伝達物質の材料に)
  • 食物繊維:野菜スープ、温野菜
    (狙い:糖の吸収を穏やかにし、体温を上げる)

誤解されやすいので先に言うと、 普段食べ慣れていないものを無理に食べる必要はありません。例えばオートミールがお腹に合わない人が当日に挑戦するのは危険です。「いつもの食事の中で、糖質過多にならないもの」を選んでください。

3. カフェイン戦略:薬物動態を味方につける

眠気覚ましにコーヒーやエナジードリンクを多用する人がいますが、ここにも落とし穴があります。

Tmax(最高血中濃度到達時間)と利尿作用の計算

頭をシャキッとさせたいから、会場に着いたらとりあえずコーヒー飲んでます!

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

カフェインの利尿作用を忘れてはいけません。試験中にトイレに行きたくなったら、集中どころではありませんよ。

カフェインの血中濃度が最大になる(Tmax)のは摂取後30分〜1時間程度、半減期は個人差がありますが4〜6時間程度と言われています。

現場だとここで詰まりがちですが、 試験開始直前に大量に飲むと、試験中盤で尿意のピークと覚醒作用のピークが重なる可能性があります。

カフェイン摂取の判断軸

  • 普段飲まない人:当日も飲まないのが安全です(副作用のリスク回避)。
  • 普段飲む人:試験開始の60〜90分前に、コップ1杯程度に留める。
  • 代替案:カフェインレスの温かいお茶や白湯で、深部体温を維持する。

どうですか? 無意識にガブ飲みしていませんか?
カフェインは「眠気を飛ばす」のではなく「疲労感を感じさせるアデノシン受容体をブロックする」だけです。過剰摂取による交感神経の過緊張(ドキドキする、焦る)には注意が必要です。

4. メンタル制御:呼吸で自律神経に介入する

試験会場の独特の空気感に飲まれそうになった時、精神論で落ち着こうとしても難しいものです。生理学的にアプローチしましょう。

「全集中」ではなく「ボックス呼吸法」

深呼吸しようと思っても、緊張で息が浅くなっちゃって…。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

吸うことより、吐くことと止めることに意識を向けましょう。強制的に副交感神経を優位にします。

不安や緊張が高まると呼吸が浅く速くなり、過換気気味になることで余計に不安が増幅します。
米軍などでも採用される「ボックス呼吸法(4-4-4-4呼吸法)」は、リズムを一定にすることで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

実践手順

  1. 4秒かけて鼻から息を吸う
  2. 4秒息を止める
  3. 4秒かけて口から息を吐き切る
  4. 4秒息を止める
    ※これを数セット繰り返す

ここ、心当たりありませんか? 「緊張してはいけない」と思うほど緊張します。
適度な緊張(覚醒レベルの上昇)はパフォーマンス向上に必要です。「ドキドキしているのは、脳が戦闘モードに入った証拠だ」と再定義し、呼吸でコントロール可能な範囲に収めるイメージを持ってください。

5. 花粉症対策:インペアード・パフォーマンスの排除

2月の試験はスギ花粉の飛散開始時期と重なります。花粉症の方は「鼻水が止まらない」のも辛いですが、「薬で眠くなる・頭が回らない」状態はもっと深刻です。

「鈍脳」を防ぐ薬剤選択

鼻水が出ると集中できないので、強めの薬を飲んでおこうと思います。

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

ちょっと待って。その薬、第一世代抗ヒスタミン薬ではないですか? 眠気がなくても脳の処理能力が落ちている可能性がありますよ。

自覚的な眠気がなくても、集中力や判断力が低下する状態を「インペアード・パフォーマンス(能率低下)」と呼びます。
特に、クロルフェニラミンなどの第一世代抗ヒスタミン薬や、鎮静作用の強い成分は避けたほうが無難です。

私ならまず以下の点を確認します。

  • 第二世代抗ヒスタミン薬の選択:フェキソフェナジンやビラスチンなど、脳内移行性が低く、鎮静作用の少ないものを選択する。
  • 点鼻薬の併用:局所ステロイド点鼻薬などは全身作用が少ないため、リスクヘッジとして有効。
  • 服用タイミング:初めて飲む薬を当日に試すのはNG。事前に試して相性を確認しておく。

ただし、すでに医師から処方されている薬がある場合は、自己判断で中断せず、主治医や薬剤師に「試験があること」を伝えて相談してください。

まとめ:合格への「判断軸」を最終確認

ここまで、試験当日のパフォーマンスを支える具体的な行動について解説しました。

この記事の要点(Todoリスト)
  1. 睡眠:前夜の詰め込みは捨て、21時以降は脳のクールダウンに充てる。
  2. 食事:低GI食品(和食や全粒粉など)で、血糖値をフラットに保つ。
  3. カフェイン:摂取は計画的に。利尿作用と覚醒のタイミングを計算する。
  4. メンタル:緊張は「ボックス呼吸法」で管理し、適度な興奮状態を味方にする。
  5. 花粉症:インペアード・パフォーマンスの少ない薬剤を事前に選定する。

いまの状況だと「もし落ちたらどうしよう」という思考になりやすいです。しかし、不安は「準備不足」から来るものではなく、「結果への執着」から来ることが多いものです。

ここまでやってきた自分を信じるためには、神頼みではなく、こうした生理学的な「身体のマネジメント」を淡々とこなすことが一番の近道です。

皆さんが、本来の実力を余すことなく発揮できることを願っています。会場に行って、いつもの知識をマークシートに置いてくるだけです。いってらっしゃい。

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