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薬局内でオンライン診療を受けられる時代へ|2026年4月施行の改正医療法、薬剤師が押さえるべき境界線

「薬局でオンライン診療を受けて、そのまま調剤してもらえるようになるらしい」——こんな話を耳にして、気になっている方も多いのではないでしょうか。

2026年1月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)で、改正医療法に伴う療養担当規則等の見直しが諮問されました。結論から言えば、薬局内でのオンライン診療受診施設の設置は原則として禁止されます。ただし、へき地(無医地区・準無医地区)に限り、例外的に認められる方向です。

この記事では、改正の背景にある「医薬分業の原則」と「へき地医療への配慮」という2つの判断軸を整理しながら、調剤薬局で働く薬剤師として押さえておきたいポイントを解説します。


そもそも「オンライン診療受診施設」とは何か

まず用語の整理から始めます。今回の改正医療法で新たに定義された「オンライン診療受診施設」とは、患者がオンライン診療を受けるために訪れる専用の場所のことです。

具体的には、公民館、郵便局、駅ナカブース、職場、介護事業所などが想定されています。医療機関ではなく、あくまで「患者が診療を受ける場所を提供する施設」という位置づけです。

つまり、病院に行かなくても、近所の施設でオンライン診療を受けられるってことですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

その通りです。医療機関が遠い地域でも、近くの施設にモニターやネット環境があれば診療が受けられる。そういう仕組みですね。

ここ、少しわかりにくいところなので補足しておくと、オンライン診療受診施設はあくまで「場所の提供」をする施設であり、医療行為の責任は診療を行う医師・医療機関側にあります。施設の設置者は都道府県への届出が必要で、医療機関側は「オンライン診療基準」を遵守する義務を負います。


なぜ薬局内への設置が「原則禁止」なのか

では本題です。「薬局内にオンライン診療受診施設を置けば便利なのでは?」と思う方もいるかもしれません。実際、医療法上は設置場所に制限がなく、薬局内への設置も法的には可能でした。

しかし、中医協での議論を経て、薬担規則(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則)で明確に禁止する方向が了承されています。

その理由は、医薬分業の根幹に関わる3つの懸念があるからです。

懸念事項具体的な問題
独立性の喪失薬局と医療機関の一体的な構造・経営が禁止されているのに、薬局内で診療が行われると境界があいまいになる
特定薬局への誘導薬局内でオンライン診療を受けた患者は、そのまま同じ薬局で調剤を受ける可能性が高い
経済的利益による誘引薬局がオンライン診療受診施設を運営することで、患者を自店に誘導するインセンティブが生まれる

でも、患者さんからしたら便利じゃないですか? 一か所で済むほうがいいのでは…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

気持ちはわかります。ただ、医薬分業は「処方と調剤を分けることでチェック機能を働かせる」という趣旨があります。一体化すると、その機能が損なわれるリスクがあるんです。

私なら、この点はこう整理します。「便利さ」と「適正なチェック機能」のどちらを優先するかという話であり、今回の改正は後者を選んだということです。

日本薬剤師会の森昌平委員も中医協で、「敷地内薬局のような拡大解釈やルールの意図的なすり抜けが起こることがないようにすべき」と発言しています。過去に「敷地内薬局」の問題で議論が紛糾した経緯を考えると、慎重な姿勢は理解できます。


「へき地」だけは例外として認められる理由

原則禁止とはいえ、例外が設けられました。医療計画上のへき地(無医地区または準無医地区)にある薬局については、一体的な構造・経営の禁止が適用されず、薬局内へのオンライン診療受診施設の設置が認められます。

なぜ例外が必要なのか。それは「医療資源が少ない地域では、オンライン診療を活用できる場所自体が限られる」という現実があるからです。

無医地区とは、医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点としておおむね半径4km以内に50人以上が居住している地区を指します。こうした地域では、公民館や郵便局すら近くにないケースもあり、薬局がオンライン診療の受け皿になることで住民の医療アクセスを確保する意義があります。

正直、へき地って言われても、自分の薬局がそれに該当するかどうかよくわからないです…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

へき地の定義は各都道府県の医療計画で確認できます。不明な場合は、地方厚生局に問い合わせるのが確実ですね。

へき地でも注意が必要な点

  • 「経済上の利益の提供による誘引の禁止」は引き続き適用される
  • 設置時には厚生局への届出が必要
  • 個別に要件を確認したうえで運用が認められる

「へき地ならOK」と単純に考えないほうが安全です。


薬剤師として今から押さえておくべきこと

では、実際に調剤薬局で働く立場として、何を押さえておけばよいのでしょうか。

自店が「へき地」に該当するかの確認

まず、自分の薬局がへき地に所在するかどうかを確認しておきましょう。都道府県の医療計画に無医地区・準無医地区の一覧が記載されています。わからない場合は、地方厚生局への問い合わせが最も確実です。

薬担規則の改正内容のフォロー

今回の改正は2026年4月1日施行予定です。薬担規則の具体的な条文が公表されたら、どのような行為が禁止されるのか、どのような届出が必要なのかを確認しておく必要があります。

忙しくて、そこまで細かくフォローできる自信がないです…

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

全部を追う必要はありません。日本薬剤師会や各都道府県薬剤師会からの通知を確認する習慣をつけておけば、重要な変更は把握できますよ。

「敷地内薬局的な運用」への警戒

今回の中医協では、診療側・支払側の双方から「敷地内薬局のような抜け道にならないように」という懸念が示されました。

たとえば、「薬局の母体企業がオンライン診療受診施設を運営するケース」や、「薬局が自らは設置しないが、事業者に場所を貸すケース」なども論点として挙げられています。こうしたグレーゾーンは今後、運用面で整理されていく見込みですが、「法令上は問題なくても、趣旨に反していれば指摘される可能性がある」という点は意識しておいたほうがよいでしょう。


まとめ|「便利さ」と「適正なチェック」の境界線を理解する

今回の改正医療法に伴う対応をまとめると、以下のようになります。

  • オンライン診療受診施設という新しい施設類型が医療法に創設される
  • 薬局内への設置は原則禁止(薬担規則で明記)
  • ただし、へき地(無医地区・準無医地区)の薬局は例外として認められる
  • へき地でも「経済的利益による誘引の禁止」は適用され、厚生局への届出・個別確認が必要

「薬局でオンライン診療を受けてそのまま調剤」という流れは、一部の地域を除いて実現しない方向です。これは不便に感じる面もあるかもしれませんが、医薬分業の原則を守るための判断です。

次の一歩として、まずは自店が医療計画上のへき地に該当するかどうかを確認してみてください。

該当する場合は、今後の薬担規則の改正内容と届出要件を注視しておくことをおすすめします。詳細は、厚生労働省の中医協資料(令和8年1月14日「医療法等改正を踏まえた対応について(その2)」)で確認できます。


参考資料

  • 中央社会保険医療協議会 総会資料(令和8年1月14日)「医療法等改正を踏まえた対応について(その2)」
  • MixOnline「中医協 医療法改正で諮問 オンライン診療受診施設『保険薬局との構造・経営一体化禁止』薬担規則で明記へ」(2026年1月15日)
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