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【2026年度調剤報酬改定】在宅薬学の4つの変更点を薬剤師が徹底解説|施設基準・新設加算の判断軸

はじめに:在宅改定、今回は「体制」より「実績」が問われる

2026年度の調剤報酬改定、在宅関連の短冊案が出そろいました。私が最初に感じたのは「設備を持っているか」より「実際にどれだけやっているか」へ、評価軸が明確にシフトしたということです。

在宅薬学総合体制加算2の施設基準が大きく変わり、同時訪問や複数名訪問といった新しい加算も登場しています。SNS上では「在宅ガッツリ薬局には激アツ」という声がある一方、「施設在宅中心のうちは厳しい」という反応も目立ちます。

この記事では、2026年度改定の在宅関連4項目について、施設基準の変更点と現場での判断軸を整理します。「うちの薬局はどうすればいいのか」を考える材料にしていただければと思います。


1. 訪問薬剤管理医師同時指導料(新設):医師との同時訪問が点数化

何が変わるのか

医師と薬剤師が在宅患者を「同時に訪問」することに対して、新たに点数がつきます。算定は6ヶ月に1回。ポリファーマシー対策・残薬対策を推進する観点が、短冊に明記されています。

同時訪問って、実際どのくらい調整できるものなんでしょうか…。医師のスケジュールに合わせるの、正直ハードル高くないですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

現実的には、すべての患者さんで毎回同時訪問するわけではないですね。ただ、6ヶ月に1回という頻度設定は、「定期的な情報共有の機会を作ってほしい」というメッセージと読めます。まずは連携しやすい医師・患者から試すのが現実的です。

施設基準のポイント

対象患者は「在宅時医学総合管理料を算定している患者」で、施設入居者は除外されています。ここ、迷いやすいところです。個人宅への訪問が前提になっている点は押さえておいてください。

私ならまず確認すること

  • 現在訪問している患者さんのうち「訪問診療医との連絡が取りやすいケース」をリストアップ
  • いきなり全患者で同時訪問を目指さない(現場が回らなくなる可能性)

2. 在宅薬学総合体制加算:加算2の施設基準が大幅に変わる

廃止される要件・追加される要件

今回の改定で最もインパクトが大きいのが、加算2の施設基準の組み替えです。

【廃止される要件】

  • 無菌製剤処理設備(無菌室・クリーンベンチ・安全キャビネット)の保有

【追加・変更される要件】

  • 常勤換算で薬剤師3名以上
  • 開局時間中は2名以上が常駐
  • 単一建物診療患者1人の訪問薬剤管理指導の算定回数・割合の要件
  • 麻薬管理指導加算等の算定回数10回以上/年、または無菌製剤処理加算1回以上/年、または小児在宅関連の加算6回以上/年

設備がなくても加算2が取れるようになる…ってことは、ハードルが下がるんですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

設備要件は廃止されますが、代わりに「実績」と「人員」の要件が入ります。無菌調剤室を持っていても、実績がなければ届出できなくなる。逆に言うと、連携先の設備を活用して無菌製剤処理加算を算定しているケースも評価対象になり得ますね。

「施設在宅メイン」の薬局は要注意

SNS上では「施設在宅を全く評価しない方向なのか」「恨みでもあるのか」という声も出ています。心当たりありませんか?

短冊を見ると、加算2では「単一建物診療患者が1人の場合」とそれ以外で点数が分かれる設計になっています。施設在宅(単一建物に複数患者)中心の薬局は、個人在宅の比率を意識する必要が出てきます。

ただし、施設在宅に価値がないわけではありません。今回の改定は「個人在宅をもっと増やしてほしい」という政策誘導であって、施設在宅そのものを否定しているわけではないと私は読んでいます。

判断軸:自薬局の実績を棚卸しする

私ならまず、以下の数字を確認します。

確認項目加算2の要件(目安)
常勤換算の薬剤師数3名以上
開局時間中の常駐薬剤師数2名以上
麻薬管理指導加算等の算定回数10回以上/年
無菌製剤処理加算の算定回数1回以上/年
小児在宅関連加算の算定回数6回以上/年
単一建物1人の訪問薬剤管理指導の割合一定割合以上(詳細は告示待ち)

※上記は「いずれかを満たす」要件と「すべて満たす」要件が混在しています。告示・通知の確定を待って、正確な要件を確認してください。


3. 在宅患者訪問薬剤管理指導料:算定間隔の要件緩和

「6日以上空ける」が「週1回」に

現行では、月2回以上算定する場合は「6日以上の間隔」を空ける必要がありました。これが「週1回算定可能」に変わります。

6日と週1回って、実質同じじゃないですか?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

計算上は近いですが、運用の柔軟性が変わります。たとえば月曜に訪問して、翌週の月曜にも訪問できる。「6日空ける」だと火曜以降になっていたので、曜日固定の訪問スケジュールが組みやすくなりますね。

夜間・休日対応の要件追加:背景にある「電話がつながらない問題」

見落としがちですが、今回の改定では「夜間の連絡先を患者に文書で交付する」ことが要件に追加されています。

文書で渡すって、今までも口頭では伝えていたと思うんですが…。なぜわざわざ厳しくなったんでしょう?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

実は、「24時間対応体制」をうたっているのに、休日や夜間に電話がつながらない薬局が結構あることが問題視されていたんです。患者さんや医療機関から「連絡が取れない」という声が上がっていた背景があります。

この問題を受けて、今回の改定では「初回の訪問時に、当該薬局の薬剤師と連絡が取れる電話番号、緊急時の注意事項を文書で交付する」ことが明記されました。在宅協力薬局との連携で対応する場合は、その薬局の所在地・名称・連絡先も含めて交付が必要です。

いまの状況だと、「届出上は24時間対応だけど、実際には…」という薬局も少なくないのではないでしょうか。心当たりがあれば、今のうちに体制を見直しておくのが安全です。

現場で詰まりやすいポイント

  • 文書のひな形を作っておかないと、患者ごとに対応がバラバラになる
  • 初回訪問時に渡す書類のチェックリストに「連絡先交付」を入れておく
  • 変更があった場合は「その都度」交付が必要(初回だけではない)

4. 複数名薬剤管理指導訪問料(新設):リスクの高い訪問に対応

対象となるケース

「行動面での運動興奮等がみられる状態」にある患者への訪問で、医師が複数名訪問の必要性を認めた場合に算定できます。同行者は薬剤師以外(事務スタッフなど)でもOKとされています。

正直、訪問で危険を感じることもあるので、これは助かります…。でも、医師の判断が必要なんですよね?

オカメインコ

オカメインコ

ポッポ先生

ポッポ先生

そうですね。算定には医師の判断が前提になります。訪問前に「この患者さんは複数名対応が必要」と確認しておく流れになります。訪問看護や訪問診療で既に複数名対応しているケースがあれば、情報共有しやすいはずです。

注意点:他の加算との併算定不可

【併算定できない加算】

  • 在宅患者緊急時等共同指導料
  • 退院時共同指導料
  • 在宅移行初期管理料
  • 訪問薬剤管理医師同時指導料

同じ訪問で複数の加算を重ねることは想定されていない設計です。


まとめ:改定対応は「棚卸し」から始める

2026年度改定の在宅関連は、「設備より実績」「施設より個人」という方向性が明確です。ただし、2026年度は介護報酬改定がないため、居宅療養管理指導費の点数・要件は変わりません。診療報酬側だけ変わっても、在宅業務全体への影響は限定的な面もあります。

次の一歩として、私ならこの順番で確認します

  1. 自薬局の在宅実績(算定回数・患者数・個人/施設の比率)を数字で把握
  2. 常勤換算の薬剤師数が加算2の要件を満たせるか確認
  3. 麻薬・無菌・小児のいずれかの実績があるか確認
  4. 届出可能な加算を選び、維持できる体制かを検討

「届出できる」と「届出後に維持できる」は別の話です。要件ギリギリで届出すると、翌年の実績で外れるリスクがあります。加算2が難しければ、まず加算1で体制を固めるのも現実的な選択肢です。

短冊段階なので、点数や細かい要件は告示・通知で確定します。厚生労働省の発表や地方厚生局の疑義解釈を随時確認してください。

確認先(一次情報)

  • 厚生労働省:中央社会保険医療協議会(中医協)資料
  • 地方厚生局:施設基準届出に関する通知・疑義解釈
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