「ビスホスホネート製剤を飲んでいる患者さんは、抜歯の前に休薬が必要ですよね?」
あなたはどう答えますか。2023年7月、6学会の顎骨壊死検討委員会が「原則として抜歯時に骨吸収抑制薬を休薬しないことを提案する」と発表しました。ポジションペーパー2023(PP2023)の要点を整理します。
目次
1. MRONJの基本

以前の「BRONJ」からMRONJに統一されました。原因薬剤がビスホスホネート製剤だけでなくデノスマブや血管新生阻害薬にも広がったためです。「この薬はリスクがあるのか?」と聞かれたら、添付文書で顎骨壊死の注意喚起を確認するのが確実です。
骨粗鬆症の患者さんは多いですよね

オカメインコ

ポッポ先生
日本では低用量でも発症率が欧米より高い可能性があります
2. 「抜歯前は休薬」はもう古い?

検討委員会のシステマティックレビューで、休薬がMRONJ発症率を下げるエビデンスは見当たりませんでした。私ならまず、この事実を押さえます。
誤解されやすいので先に言うと、PP2023は「抜歯しても大丈夫」とは言っていません。強調されているのは、抜歯が必要になる歯がすでに感染源だという点。「感染放置がリスク」と発想を転換してみてください。
休薬しても意味がない?

オカメインコ

ポッポ先生
“利益が証明されていない”が正確です
ただし例外も。 高用量投与中のがん患者は慎重な判断が必要です。
3. 服薬指導をどう変えるか

心当たりありませんか?「抜歯時は休薬が必要」という指導。PP2023を踏まえると見直しが必要です。
| 従来 | 見直し後 |
|---|---|
| 「抜歯時は休薬が必要」 | 「歯科治療の予定があれば歯科医師に相談を」 |
ポイントは歯科との連携を促すことです。
医師が休薬を指示しているのに薬剤師が違うことは言いにくい

オカメインコ

ポッポ先生
だから事前の情報共有が大切です
4. 医歯薬連携で薬剤師ができること
しないほうが安全です――薬剤師が単独で「休薬不要」と断言することは。「来週抜歯します」と聞いたとき、処方医・歯科医師に情報が伝わっているか確認するだけで連携の質は変わります。
まとめ

- 原則として抜歯時に骨吸収抑制薬を休薬しない
- 休薬の有用性を示すエビデンスはない
- 抜歯より感染状態がリスク因子
- 医歯薬連携が予防の鍵
「休薬が必要」と覚えていた方は知識のアップデートが必要です。
参考資料:顎骨壊死検討委員会「ポジションペーパー2023」
https://www.jsoms.or.jp/medical/pdf/work/guideline_202307.pdf


