【薬剤師が解説】ゾフルーザは12歳未満のインフルエンザに効果がありますか?

新人、学生向き

2019年10月に日本小児科学会および日本感染症学会が、2019-2020シーズンでのゾフルーザ(バロキサビル)の12歳未満においては積極的に使用することの推奨はしない旨を発表しました。
今回は小児科学会および感染症学会が何故このような提言に至ったのかについて解説いたしますので、患者さんに質問されてもスムーズに回答できるようになりましょう。

12歳未満にゾフルーザは使用が慎重なのは何故?

るるーしゅ
現状は他の抗インフルエンザ薬と比較してゾフルーザを使用したほうがいいというデータもない。
また変異ウイルスによる公衆衛生上の懸念もあるからだね

日本小児科学会および日本感染症学会の提言

日本小児科学会および日本感染症学会の2019-2020シーズンのインフルエンザに対するバロキサビルの評価が以下の通りです。

日本小児科学会のゾフルーザ(バロキサビル)への提言
12歳未満の小児に対するゾフルーザ(バロキサビル)の積極的な投与を推奨しない。一方で現時点においてはゾフルーザ(バロキサビル)に対する使用制限は設けないが、使用に当たっては耐性ウイルスの出現や伝播について注意深く観察する必要があると考える。
なお、免疫不全患者では耐性ウイルスの排泄が遷延する可能性がありゾフルーザ(バロキサビル)を単剤で使用すべきではないと考える。また重症例・肺炎例については他剤との併用療法も考慮されるが、当委員会では十分なデータを持たず、現時点では検討中である。
日本感染症学会のゾフルーザ(バロキサビル)への提言
  1. 12-19歳および成人:臨床データが乏しい中で、現時点では、推奨/非推奨は決められない。
  2. 12歳未満の小児:低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する。
  3. 免疫不全患者や重症患者では、単独での積極的な投与は推奨しない。
使用は制限はしないが、推奨はしない!!


12歳未満のインフルエンザ患者に対してゾフルーザは他の薬より効果的なのか?

12歳未満の小児に対してのゾフルーザの研究データですが、他のインフルエンザ薬(タミフル。イナビル、リレンザ)と比較したデータはないため他薬と比較して効果的なのか?安全性はどうなのか?などは不明です。

るるーしゅ
ちなみに他薬だけではなくプラセボとも比較してないんだよ
メガネ
えーそれでどうやって子どもへの適応とったんですか?

るるーしゅ
12歳未満のインフルエンザ患者にゾフルーザ飲ませた。
44.6時間後に半分くらいよくなった。
【結論】ゾフルーザは効いた

こんな感じだと思う
メガネ
いわゆるさんたじゃないですか?
こんなんでいいんですかー?
るるーしゅ
一応12歳-64歳で実施した研究だと、罹病期間(12歳未満と定義が違うけど)がゾフルーザが53.7時間、プラセボが80.2時間だった。
だからこの12歳未満の44.6時間というのも、ゾフルーザのおかげだろうと判断したんだよ


12歳未満のインフルエンザ患者に対してゾフルーザは一体なにがダメなのか?

るるーしゅ
子どもでは変異ウイルスの発生割合が多く、出現した場合、症状が遅延する。
また変異ウイルスは当初は出現しても野生では生きられないため、公衆衛生上のリスクは低いということだったのだが実際には人ー人で伝播が認められたからやばいかも

るるーしゅ
変異ウイルスが出てしまうと79.6時間まで軽快までの時間がのびてしまう。


今回のまとめ

今回は12歳未満に何故ゾフルーザの使用を推奨しないかについて書きました。
ゾフルーザは単回投与で治療が済むため、とても利便性がある薬ですが現状のデータをふまえてリスクとベネフィットを天秤にかけると慎重投与が妥当ではないかなと思います。